米国の住宅価格が直近十年で最大の下落:データからひもとく住宅市況の全体像
米国における住宅市況をめぐる変化が、市場関係者などの注目を集めている。住宅価格の中央値が、ここ十年で最大の減少(前年比)を示したのだ。
地域ごとに状況が異なるのも特徴的だ。不動産価格の高い地域での減少幅が特に大きく、例えばオースティンの都市部では前年比で10%以上の下落だった。サンノゼ、サクラメント、ボイシといった地域も同様だ。
加えて重要なことに、住宅の販売数自体も減少している。供給がだぶついているために価格が下がっているのではなく、全体的に動きが滞るような傾向が見られるのである。
その一方で、今になって価格が上昇している地域もある。ウィスコンシン州ミルウォーキーの都市部では、直近でも前年比10%を超える価格の上昇が続いている。
米国の住宅市況で一体何が起こっているのだろうか。今回の記事では、各種発表資料をもとにデータを紹介し、その全体像を概観する。