2036年にユーザー数20億人を目指す!「2017 Investor Day」でジャック・マーが語ったアリババの長期ビジョンとは

今や世界最大のEコマース企業となったアリババグループ。

2016年から株主を集めて「Investor Day」なるイベントを開催しており、その内容を動画でオンラインに公開しています。


そこではCEOのダニエル・チャン氏やCFOのマギー・ウー氏なども話しておりそれぞれに興味深い内容となっています。

最初は全てまとめようと思ったのですが、あまりにも長くなるので、今回は会長のジャック・マー氏が語った内容にとどめておこうと思います。


実際にまとめてみると、ジャックだけでもかなり長くなってしまいました。

話の内容も行ったり来たり「とっちらかってるぞジャック」と言いたくなりましたが、あえて順番通りにまとめてみました。

(以下ジャック)


ジャック・マーが会長として行なっている3つの仕事

今回は未来について話したいと思う。これまで大きな数字ばかり話してみんな飽き飽きしてると思うから、もっと大きな話をしよう。

私は会長として、次の3つの仕事を行なっている。



一つ目は、アリババを「ビジョンドリブン」な会社にし続けること。

二つ目は、会社としてヘルシーな文化と、素晴らしい人たちを雇うこと。

三つ目は、引退する前にアリババが生き続けるためのヘルシーなエコシステムを作ること。

創業からこれまでの18年間について

18年前、シリコンバレーの投資家の前で、「世界のインターネット企業としてトップ10に入る」と言ったとき、誰も相手にしなかった。

それ以来、ビジネスプランを書くことはやめた。

2003年、ようやく黒字化を果たしたころ、ロサンゼルスで多くの投資家の前で「CtoCに挑戦し、eBayと戦う」と言うと、中国市場の90%のシェアをeBayが握っているから絶対無理だと言われた。

3年前、ニューヨーク証券取引所に上場したとき、ちょっと(20億ドル)の資金を調達したというと、みんな冗談だと思った。

しかし私たちは未来のために、さらに多くのお金を必要としている。

未来と比べると、アリババはまだ赤子のようなものだ。


これまでの18年間、アリババは世界一ラッキーな会社だった。私たちはインターネットという素晴らしい産業にいて、中国という素晴らしい国にあった。

多くの同僚やチームからの支援を得た。私たちはラッキーだった。


「102年続く会社を作る」という目標と長期視点

しかし、アリババは102年続くことを目標としており、今からさらに84年ある。

人々は「わあ、102年はすごい長い」と言うが、我々は本気だ。


あらゆる計画や戦略的な会議で、私たちは10年後のことを考える。全てのプロジェクトにおいてだ。

大きな投資を行う場合はいつでも、私たちは10年後のことを考える。

私たちは3年間の計画、5年間の計画、そして10年間の計画を持っている。


ほとんど毎年、私たちは計画を練り直す。

もし102年後のことだけを考えて、5年後、10年後をなおざりにしたら、誰もそれを本気だとは信じない。

投資家全員に、是非とも私たちが102年計画、これからの84年という目標に本気であることを強調しておきたい。


現在の時価総額という意味ではまあハッピーだ。もちろんAmazonと比べるとハッピーではない(会場笑)。

しかし未来と比べると、私たちはまだ小さい会社で、とても若い会社だ。


さて、では未来何をしたいのか?

私たちは、21世紀の代表的なグローバル企業になりたい。

21世紀においてベストなビジネスモデル

最初のテクノロジー革命は「工場」というビジネスモデルだった。

二つ目のビジネスモデルは「会社」と呼ばれるものだ。

データの時代、インターネットの時代にはどうだろう?21世紀においてベストなビジネスモデルは何だろう?

私たちは「プラットフォーム型のビジネス」なのではないかと考えている。

幸運にも、15年前に私たちは通常のウェブサイトからプラットフォーム型に方向転換した。

ビジョンドリブンであることの重要性

もう一つの側面として、企業としての偉大さが「どれだけ大きなチャンスを捕まえるか」によって測られなくなると考えている。

中国では、多くの人たちはチャンスがやってくるのを待っている。

もし良いチャンスを掴めば、良い企業になれる。それを逃せば、失敗する。

数年前、中国にはとても人気のある言い回しがあった。

風が吹けば、豚でも飛べる

しかし、風が止まると豚は死んでしまう。


だから私が思うに、「どんなチャンスを掴むか」ではなく、「未来のためにどんな価値を生み出すか」が重要だ。「世界のためにどんな問題を解決するのか」である。

世界のために大きな問題を解決すれば、大きな会社になれる。すごい問題を解決すれば、偉大な会社になれる。

だから、アリババが考えているただ一つのことは「次の10年20年でどんな問題を解決することができるか」である。

10年20年後の問題を見つけることができたら、私たちは今から準備を始める。そして大きくなる。

私たちは杭州の会社だ。ニューヨークでもシリコンバレーでも北京や上海にもない。

杭州の会社として、他と競争するための方法は「未来のためにどう判断していくか」である。それが私たちの競争だ。

私たちが信じる未来があれば、そのために全てのリソースを投資する。

私たちはそれを問題と思い、それを解決したら素晴らしい。それこそが、私たちが未来について考える方法だ。


Eコマースやクラウドなど、今日私たちが持っているあらゆるビジネスは10年前、あるいは15年前に意思決定されたものだ。

人々は「アリババは今素晴らしい」と言うが、そうではない。私たちは10年前に素晴らしかったのだ。

10年前や15年前に「こういうことが起こる」と信じた。8年前にクラウドコンピューティングやビッグデータが来ると信じた。だから8年前や15年前にそれぞれの事業を開始したんだ。

そして全てのリソースや人材を集中させた。


多くの起業家たちに伝えるのは、「地面に9匹のウサギがいて、そのうちの1匹を捕まえたいと思ったら、ウサギを変えてはならない。自分自身を変えてその1匹を絶対に捕まえるべき」ということだ。それが方法論だ。

10年、15年前にビジョンを持っていた。私たちは行きたい方向を知っていた。あらゆる方法で自分たち自身を変え、そのウサギを絶対に捕まえられるようにした。

アリババが解決したい3つの問題

さて、グローバリゼーション、反グローバリゼーション、反貿易、貿易保護はすべて問題だと思っている。それは将来、とても大きな問題になると思う。

それでは、どうしたらグローバリゼーションを助けることができるだろうか?

私たちはグローバリゼーションは素晴らしいものだと考えている。


これまでの20年から30年間、グローバリゼーションは多くの先進国や大企業を助けてきた。

これまでのグローバリゼーションは6万の大企業によってコントロールされてきた。

それにより、大きな会社はより大きく、豊かな会社はより豊かになり、中小企業や国々は困ってしまった。そして若者たちにはチャンスがない。


だから、私たちはこう考えた。

もし我々が、グローバリゼーションをもっと包含的なものにして、どんなスモールビジネスでも、どんな若者でもチャンスを得られることができれば、多くの問題を解決することができる。

人々は仕事について心配する。なぜなら、テクノロジーによって多くの仕事が奪われるからだ。

しかし、グローバリゼーションをもっと包含的にできれば、より多くの仕事を生み出せる。

スモールビジネスが商品を近隣でしか販売できない。それを海外に売ることができたらどうだろう。

それは雇用の創造に関して素晴らしい解決策になるに違いない。

それこそが私たちがグローバリゼーションを信じ、それについて取り組んでいる理由だ。

6万の大企業を助けるのではなく、600万の、いやそれ以上のスモールビジネスが国際的な売買をできるようにする。これこそがやりたいことだ。


二つ目は、世界経済が決して継続性のあるものではない、という問題だ。

私たちのテクノロジーを使って、どうしたら世界経済をより継続性のあるものにできるだろうか。

そして、次の世代の人たちがもっとハッピーでヘルシーな人生を送れるようにするには何ができるだろう。

以上の3つが、私たちが解決したい問題であり、創り出したい価値である。

アリババの長期的なビジョン

さてこのように、私たちは絶対にグローバリゼーションを助ける会社だ。

そしてEコマースが最高の解決策になるはずだ。

もしEコマースをやるなら、良いテクノロジーと良いビジョンを持った人々が必要だ。


5年前、タオバオとTmallのGMVが1700億ドルを越えた。それは1兆人民元だった。

私はすごいことを思いついた。

「アリババが20周年を迎える時にGMV1兆ドルを達成できたらどうだろう?」

それは2019年だ。そしてそれはFY2020で、その頃には我々は1兆ドルを達成しなくてはならない。

みんな「いいね、それをやろう!」と言った。しかし、為替は困ったものだ。

為替は考慮していなかった。当時1ドルは6人民元くらいだったが、今は7人民元くらいだ。


つまり、1兆人民元も余計に稼がなくてはならない。簡単なことではないが、ダニエル(CEO)はこう言ったのは嬉しかった。

「目標は目標であり、KPIはKPIだ。達成しよう!」

普通のやり方では達成できない。次の3年、私たちの小さな目標は1兆ドルを超えることだ。

過去100年間、1兆ドルという数字を達成した会社はどこにもない。想像もできなかった。私たちはそれをとても革新的なやり方で行わなくてはならない。


絶対に達成しなくてはならない。もし達成できなければ、問題が生じる。

その問題とは、私たちの「2036年に20億人の消費者が利用し、1億人の雇用を生み出し、1000万の儲かるビジネスを支援する会社になる」という大きな目標だ。

それはどういうことか?


もし20億人の消費者にサービスを提供できれば、世界の総人口の3分の1だ。

もし1億人の雇用を生み出せれば、世界中のどんな政府よりも大きい。

もし1000万の儲かるビジネスを支えられれば、それは「経済圏」と呼ぶことができる。

世界で5番目に大きな経済圏を作る

現在、EコマースのGMVで言うと、アリババは世界で22番目に大きな経済圏だ。アルゼンチンの次に大きい。

1兆ドルを越えれば、おそらく16位か17位には入るはずだ。

しかし、2036年に20億、1億、1000万という数字を達成できれば、世界で5番目に大きな経済圏になる。

5番目ってどういうことだろう?

仮に1位をアメリカとすると、中国、ヨーロッパ、日本、そしてアリババだ。

(会場笑)

人々は「それは大きすぎる」と言う。しかし想像するのは無料だ。

18年前、18人が私のアパートで、たったの5万ドルも持たずに集まり、「いつか世界でトップ10のウェブサイトになる」と話した。当時、私たちは勇敢だった。

現在、私たちは5万5000人のメンバーがいる。たくさんのお金もある。たくさんの才能、技術、データ、5億人ものユーザーがいる。

なぜもっと大きいことを考えずにいられるだろう?


もちろん、私たちはその経済圏を所有するわけではない。

世界で5番目に大きな経済圏をアリババが作れなければ、他の人たちがそれをやるだろうと考えている。

私たちがそれをやれば、グローバルな売買、決済、物流、旅行などを助けることができる。

現在の中国では、携帯さえあればなんでもできる。

数年のうちに、携帯とパスポートさえあれば世界中を旅することもできると思う。

5年後には、パスポートは要らなくなるかもしれない。

携帯とあなたの顔だけで世界中を旅することができる。


アリババが目指すグローバリゼーション

私たちは心を開いてそれについて考えないといけない。

さて、これこそが私たちが事業をグローバル化させるにあたって行いたいことだ。

私たちはグローバリゼーションをより包含的にしたい。

誰でも携帯電話、いやその時には携帯電話ではないかもしれないが、そのようなデバイスを持っていれば、世界中で買い物ができるようにしたい。

次の8年でこれを達成したい。2年前に言い出したからね。


中国のどこでも、買い物をしたら24時間以内で商品を受け取れるようにしたい。

世界中のどこでも、買い物をしたら72時間以内で受け取れるようにしたい。


数週間前にロシアの女の子に会ったとき、彼女は「Ali Expressは素晴らしい!」と言った。

「何がすごかった?」と聞くと、彼女は「素晴らしいスピードで、たったの9日で商品が届いた!」と答えた。

覚えてる?2年前、中国からロシアに商品を届けるには2ヶ月半くらいかかった。

9日はロケットみたいに早い。


私たちはまず、中国国内や近隣地域(モンゴルなど)にスピードをもたらす。

それがうまくいったら、ネットワーク効果によりスピードはさらに早くなる。


そこからグローバルでの高速化をもたらす。そうすると、アルゼンチンの商品をここで注文しようと、モンゴルで注文しようと大きな違いがなくなる。

だから、テクノロジーと創造性を使って物流拠点をつないでいくことで、ネットワークを広げていかなくてはいけない。


私たちはどんなスモールビジネスでも、国際的な取引に参加できるようにしたい。

現在、FTZ(自由貿易地域)のほとんどは大企業のために設計されている。

私たちは、あらゆる政府に対して、FTZをスモールビジネス向けに作るように働きかけている。

大企業は、国をまたいで24時間以内に取引できるが、スモールビジネスは7週間かかるかもしれない。

政府や政策立案者に対し、どうしたら無数のスモールビジネスを内包したグローバリゼーションを実現できるかどうか。

これはEWPTと呼ばれる。EWPOではない。

EWPOはOrganization(組織)だからとても複雑だ。Platformこそが私たちが取り組むことができるものだ。

「フィンテック」ではなく「テックフィン」を目指す

そして、決済。

私たちは、あらゆるスモールビジネスや個人が次の10年20年のうちに十分な金融サービスを受けられるようなネットワークを作っている。

私たちは「テック・フィン」を信じている。「フィンテック」ではない。

「フィンテック」は、自らの力を強めようとする金融機関だ。

「テックフィン」は、誰もが金融サービスにアクセスできるようにすることだ。

私たちはテクノロジー企業であり、誰もが平等に、必要なお金にアクセスできるようにしたい。

(現状では)お金がそれ以上必要ではない人たちにお金が集まる一方、お金がない人には集まらない。

これが私たちが実現したいものだ。

私はこれに対してめっちゃ働いてるぜ、株主たちよ。めっちゃ働いてる。

昨年、私は合計で870時間も飛行機の上にいた。876時間か。

そして40カ国を訪れ、首相や外交官と面会した。私はそれを楽しんでいるし、それらの国々から多くの反響があった。

その中で、マレーシアが我々のEWTPを開始する最初の国家となった。

私はこの取り組みがますます人気になるようにするし、若者やスモールビジネス、政府がこれからどんどん参加するという自信がある。


これが私たワクワクしていることだ。私たちが本当に世界で5番目に大きな経済圏になったら、20億人のうち中国は8億人とかだろう。

だから、中国以外から12億人必要だ。だからこそ我々は、東南アジアから海外進出を本格化している。

習近平首相はダボス会議で「次の5年で中国は8兆ドルもの輸入を行う」と発言した。

つい先月の(聞き取れない)会議でも、中国政府は再び同じことを表明した。

みんな、8兆ドルってどういうことだろう?ウォルマート16つ分だ。


中国は輸出大国から輸入大国へと急速に変わってきている。

この8兆ドルは中国にとっても世界にとっても大きな意味をもつし、もちろんアリババのような企業にとっても大きな意味をもつ。

なぜなら、Eコマースこそがその解決策になるはずだからだ。

あなたが個人的に8兆ドル輸出しようとしても無理だ。


「中国」そのものにある大きな機会

さて、他のことを考えよう。

グローバリゼーションにはもちろんワクワクしている。それは巨大な機会だし、次の3年で1兆ドルに達するには、海外から多くのGMVが必要だ。

だからこそLAZADAやAli Expressなどの事業をとても速く進めている。


二つ目の機会は、「中国」そのものだ。

中国には今や3億人を超えるミドルクラスを抱えている。

彼らはミドルクラスではあるが、消費能力はとても低い。

中国がこのまま成長を続けると、5-6年のうちに5億人ものミドルクラスを有することになる。

それはほとんどアメリカ2つ分だ。


そして、これは中国経済において大きな変化だ。

中国は、投資される経済、輸出する経済から国内消費型の経済へと変化する。

国内消費においても、Eコマースは必ず大きな役割を担うことになる。


思うに、消費の水準をあげるには、輸入こそが鍵だ。

だから、それについてもやることがたくさんある。

中国がこれから直面する5つの「ニュー」

それから、中国についてもう一つのことと言えば、昨年話したように、多くの人は賛同しないけど、次の10年で中国は5つの「ニュー」に直面する。

「ニュー小売」「ニュー製造」「ニュー金融」「ニューテクノロジー」「ニューエネルギー」だ。

「ニュー小売」とは、思うに、人々に商品を販売することから、人々にサービスすることへの変化だ。販売からサービスへ。

だからニュー小売はでかくなる。


次に「ニュー製造」。8年前、クラウドコンピューティングとビッグデータを予見し、意思決定を行った。

なぜなら私たちは将来、小売や製造はデータを土台として行われると知っているからだ。

データの時代:AIについて話すやつは嫌いだ

この3年間、私たちはこの世界のほとんどの人たちよりもはるかにたくさん、「IoT」について議論してきた。

私たちはIoTを信じているし、IoTこそが未来であり、中国の製造産業における問題の解決策だと考えている。

近年、アメリカの多くの人たちがAI(人工知能)だとかビッグデータについて話している。

それはあたかもAIについて話さなければ問題があるみたいだ。

正直にいうと、 社内でAIについて話すことはない。AIについて話すやつは嫌いだ。

AIについて語るのは、通常データを持っていない会社だ。あるいは研究者や教授たちだ。

私たちはそれを長い間使い続けてきた。

覚えているのは、AliPayの最初のCEOのことだ。AliPayは無数の取引を扱い、多くの泥棒がやってくる。

現在のAliPayの取引量の大きさを考えると、2000人、いや2万人の警官がいても悪い奴ら全てを捕まえることはできないだろう。

なぜなら、それだけ多くの取引があると、悪いやつはみんなやってくるからだ。

だから、我々は機械学習を使っている。200人以上の警官を雇った。彼らはみんな犯罪行動のエキスパートだ。

そしてコンピューターに犯罪者を捕まえる方法を教えた。偉大な泥棒はお金を盗む方法を10個は生み出せる。普通の泥棒だと2つか3つだ。

しかし、コンピューターは2万でも200万でも覚えることができる。だから、もし泥棒が「最高に賢い方法を思いついた」と思っても、機械は「これは過去に100回も見た」と思うだろう。


他人に対して良いことをする、というのは通常、非合理的だ。ただ好きだ、とか考えもなしにやってあげる。

反対に、悪い行動には全てロジックがある。もしロジックがあるなら、AIの方が得意だ。

だから、私にとって機械学習というのは、悪い奴らを捕まえるのにベストな方法だ。

それをEコマースやAliPayで長年使ってきた。

そしてそれをAIと呼ぶことは絶対にない。


IoTは大きくなると思っている。なぜなら、過去何年もの間、機械は電気を飲んでいる。

次の20年の間、機械はデータを飲むことになるだろう。


過去20年間、私たちは人々を機械のように扱ってきたが、次の20年間、私たちは機械を人々のようにしていく。

だから、これはでかくなるだろう。


中国は2025年、ドイツの4.0、全てはデータに向かって動いている。


「テックフィン」で求める利益の形

次にニュー金融。

前述したように、私たちは「テックフィン」であって「フィンテック」ではない。

フィンテックはまだ古い金融だ。フィンテックはまだ「20:80」でコントロールしようとしている。

「20:80」というのは、例えば中国の場合、大きな銀行は20%の大企業にサービスを提供し、80%の利益を受け取る。

私たちは「80:20」にしたい。

80%のスモールビジネスや消費者にサービスを提供したい。現在は金融サービスに手が届かない彼らにサービスを提供し、20%の利益で満足だ。

20%は私にとっては十分だ。


私はエヴァンジェリストだ

次に、ニューテクノロジー。

クラウドコンピューティング、モバイル技術などどんどん加速しているし、OSにも投資している。

私たちは多くの大きなビジョンを持っているし、アリババが本当にハイテクな企業であることを確かなものにしている。

チームによく伝えているが、そのためにアリババは「Googleキラー」にならなければならない。

人々はいう。「ロビン(Baiduの創業者)はエンジニアで、ポニー(Tencentの創業者)もエンジニアだけど、ジャック・マーは教師だ。あるいはセールスマンとか」。

私はセールスマンではない。私はエヴァンジェリストだ。


そして言いたいのはこれだ。

エヴァンジェリストは未来を信じている。

エンジニアはテクノロジーを信じている。

そして、私はテクノロジーは未来のためだと信じている。


(会場笑)


私は良いエンジニアではない、というかエンジニアではない。

しかし、私はほとんどのエンジニア以上にエンジニアを尊敬している。

エンジニアを尊敬しているし、話を聞くし、羨ましいと思っている。


しかし、私は彼らとのコミュニケーションが上手だ。

「こういう風にこれをやったら、たくさんの問題を解決できる」

「こういう風にやったら、この問題を解決できる」

そして彼らはそれが好きだ。

私は全てのエンジニアと一緒に仕事をするのが得意だ。


一つの例として、AliCloud Computingがある。

8年前、ほとんどのエンジニアはクラウドコンピューティングを嫌いだった。

なぜなら、彼らは「こんなのうまくいきっこない」と思っていたからだ。

そして私は「それがうまくいく」と信じていた。


私はやり方を指示するようなことはしない。「これが行くべき方向性だ」と示しただけだ。

「私たちは未来のために素晴らしいテクノロジーを作って行くべきだ」「問題を解決するテクノロジーを作る」と伝えている。


アリババは「そこに金がある、行こう!」「そこにチャンスがある、行こう!」という会社ではない。

AliPayを作った理由は、それなしでは崩壊していたからだ。

物流なしでは崩壊するからこそ、物流を構築した。

クラウドコンピューティングもそれがなければ、トラフィックによって崩壊することがわかっていた。

これら全てのことを始めた理由は、自分たちがハッピーではなかったからで、自分たちがハッピーじゃなければ、誰もハッピーになれないだろう。


そして、「どうしたら人々をハッピーにできるだろう?エンターテイメントならハッピーにできるんじゃないか」と考えた。


つまり、私たちはお客さんが必要とするから始めたんだ。

お金を稼ぎたいからじゃない。


現在、より多くの事業を展開すれば、人間の性質についてより多くのことを理解できる。

より多くのパートナーと共に働けば、私たちの問題、パートナーの問題、お客さんの問題をよりよく理解できる。

私たちはお客さんの問題を解決する会社になりたい。


アリババは中国で生まれたが、世界規模に拡大する

さて、中国には大きな機会がある。5つの「ニュー」、急速に成長する中国経済は世界で2番目に大きな経済圏になり、近い将来には世界で一番になるかもしれない。

中国から世界でトップ層の会社がいくつか生まれると考えるべきだ。


人々は「あー、アリババは中国の会社だよね!」という。

いや、私たちは中国で生まれたけど、21世紀を通じて成長を続け、世界規模に拡大する。


さて、私たちはグローバル化のための素晴らしい計画を持っている。

我が社では、300人のシニアマネージャーたちと毎年少なくとも4回はミーティングを行う。

そのうち2つは中国語、2つは英語で話す。もし英語が理解できなければ、「英語を勉強してこい」と言って帰す。

このように、多くは中国人の同僚が海外に出ていけるように支援している。


さて、2番目に大きな経済圏として、中国にはウォルマートやマイクロソフト、IBM、グーグル、アップルのような世界に影響力のある会社が生まれるはずだ。

前世紀にはとても多くのアメリカ企業が世界に影響力をもち、ナンバーワンだった。

そして私たちは、中国がそうなるかもしれないと考えている。いくつかそういう会社が生まれ、アリババが世界で本当のトップ10社に入ることを望んでいる。


アリババが持っている資産とは?

さて、私たちは何を持っているだろう?

今まで話したような事業も持っているが、人材や文化を持っているし、さらに重要なのはデータを持っているということだ。


世界を見渡してみると、知らんけど、一体どの会社が我々よりも豊かなデータを持っているだろう?

人々は「どこにでもある」と言う。しかし、我々は経済圏だ。

人々は「どこにも投資していないじゃん!ロジックがないじゃん!」と言う。

私たちにはロジックがある。あなたには経済圏についてのロジックがない。


私たちには経済圏に関するロジックがある。

人々は「君たちはAmazonだ」と言う。私たちはAmazonではない。Amazonはアマゾンで、アリババは経済圏だ。

私たちはAmazon、Google、Facebookなどほとんどのビジネスを持っている。

なぜなら、私たちは経済圏だからだ。


さて、経済圏を育てるための方法は、伝統的には水をやることだった。

土に水をやる。そして環境がある。


私たちの仮想の経済圏でもっとも重要なのは、データだ。

データこそが我々にとっての水であり、土壌はネットワークだ。

そして環境は、私たちが生み出す価値だ。


さて、これこそがデータで、将来には多くのカンファレンスがあるだろう。なぜならそれほど膨大なデータを持っているからだ。

データを持つからには、セキュリティやプライバシーに気をつけなくてはならない。


質問の中に「どのくらいのデータをまだ使っていないのか?」というものがあった。

99.99%はまだ使っていない。


だって、使い方がわからないんだ。8年前、アリババはデータカンパニーになると決めた。

その時、データからどうやってお金を生み出すかはわからない。しかし、将来どんな会社も国家もデータ無しに生き残ることはできない。

だから、データにフォーカスする必要があった。


もし私たちがプライバシーやセキュリティなどの問題を解決できなければ、データを使うべきではない。

データをこれ以上持つこと心配してはいない。

これからもデータが社会にとって良いものであることを確かなものにしていくし、グローバル化をより包含的に、世界経済を継続的に、人々をもっとヘルシーでハッピーにしていく。


おしまい

言いたかったのはそんな感じかな。

私たちは人材と文化、データを持っている。そしてもっとも強力な会社を所有していることをとてもハッピーに思う。

私たちはパートナーシップ・ドリブンだ。我々のパートナーシップは投資家や法律家のそれとは全く異なる。ジョーが次回きっとそれについて話してくれるだろう。

パートナーシステムのおかげで、私たちの会社はビジョンドリブンでい続けることができる。

私たちはビジョンドリブンでい続けないと行けないし、問題を解決しないといけないし、社会のために価値を生み続けなくてはいけないし、いつでもハッピーじゃないといけない。


えーっと、これで終わりかな。それが言いたかったことで、できたら来年会いたいね。

前回は200人くらいで今回は400人近く、いずれは1万人の投資家を招きたいね。


将来ここにきた人たちには、業績予想などではなく、「私たちがどうやって事業を行うか、どうやってITからDTに移行するか、どんな体験をしたか」を話したい。