『らでぃっしゅぼーや』との経営統合で売上高76%増加!『Oisix』会員数も伸び続ける「オイラ大地」

今回はフードデリバリー企業「オイシックス・ラ・大地」の2019年度1Q決算についてまとめます。

(2019年1Q決算説明資料)

四半期ごとの業績を見ていきましょう。

売上高は前年同期の96億円から、今四半期は169億円と急増しています。

2018年度からは70%以上の売上増加が続いています。

昨年は『大地を守る会』、今四半期は『らでぃっしゅぼーや』と経営統合したことが大きな要因となっています。


営業利益は6.1億円と3倍以上になっています。

年末商戦に伴って3Qに利益が増加する季節性がある中で、今四半期は過去最高益となりました。

今回のエントリでは各サービスの事業KPIとともに「オイシックス・ラ・大地」(以下、オイラ大地)の現在を整理していきたいと思います。

『らでぃっしゅぼーや』の売上は58億円

オイラ大地はフードデリバリーをメイン事業としています。

2016年3月期株主通信より

ユーザーから注文を受け取り、仕入れた食料品を届けるというビジネスモデルとなっています。

注文の売上高から仕入原価と配送料を差し引いた金額が利益となります。

冒頭でもお伝えしたとおり、オイラ大地は2017年3月に『大地を守る会』、2018年3月に『らでぃっしゅぼーや』と経営統合しました。

主力とする3つの宅配サービス以外に、ドコモとの共同事業であるミールキットECや車での移動販売『とくし丸』事業、海外事業も展開しています。

これまで各サービスごとに運営体制が分断されていましたが、今四半期よりグループ共通の物流網とマーケティング基盤を整備しています。


セグメント毎の売上高を見てみましょう。




セグメント毎の売上をみると、売上高169億円の中で最も大きいのは『Oisix』の69億円です。

新たに加わった『らでぃっしゅぼーや』は58億円と、売上高の増加に大きく貢献しています。

『大地を守る会』は27億円。

営業利益についても確認してみましょう。


『らでぃっしゅぼーや』の営業利益は10億円を超えています。『らでぃっしゅぼーや』の決算日が2月末であったため、今四半期は4か月分の利益が計上されたことによって金額が通常よりも大きくなっています。

また、『Oisix』についても前年から43%増加の9.7億円。『大地を守る会』については4億円を下回って減益となっていますが、その他2サービスの存在が営業利益を底上げしています。

会員数増の『Oisix』とARPUの高い『らでぃっしゅぼーや』

オイラ大地の主力3サービスの売上高は「会員数」×「ARPU(顧客一人あたり月間売上高)」で構成されます。

ARPUは「月間購入頻度」×「1回あたりの購入単価」で算出することができます。

各サービスのKPIをそれぞれチェックしていきましょう。

まずは会員数の推移を見ていきます。

『Oisix』の会員数が順調に増え続けており、17.9万人となりました。

2017年2Qから20%以上の成長を継続しています。

一方、『大地を守る会』は横ばい、『らでぃっしゅぼーや』は非効率な販売チャネル縮小によって減少となっています。

続いて、ARPUを確認してみます。

最も大きいのは『大地を守る会』の1.9万円で、『らでぃっしゅぼーや』も1.8万円と上昇しています。

会員数が伸びる『Oisix』は1.2万円と他の2サービスに比べて低くなっています。

ARPUを構成する2つの要素についても追いかけてみます。

まずは月間購入頻度から。

『らでぃっしゅぼーや』の購入頻度は月3回以上となっています。

『Oisix』と『大地を守る会』はそれぞれ、1.96回、2.46回で隔週ペースです。

1回あたりの購入単価はどうでしょうか。

ARPUが最も大きい『大地を守る会』の購入単価は7,731円と、3サービスの中では高級路線であることが分かります。

反対に『らでぃっしゅぼーや』は最も小さい5,455円となっており、普段食べる食材を毎週届けてもらう定期配送スタイル。

3サービスを比較してみると、高級路線と普段使いの間に位置している『Oisix』の会員数が伸び続けているのは非常に興味深いです。

2014年の少し古い決算資料になりますが、「プレミアム」×「ネット」という独自のポジションを確立できている点に『Oisix』の強みがあると言えます。

営業キャッシュフローは安定的にプラス

最後にオイラ大地の財政状態について確認しておきます。

最初に資産の内訳をチェックしていきます。

総資産205億円に対して現金は74.7億円。その他に売掛金が54.3億円で大きくなってます。

一方、2社との経営統合を行なったにもかかわらず、のれんは14億円程度とそれほど積み増していません。

『大地を守る会』との統合は、2017年3月に株式交換が行われ、秋に新会社発足とともに合併、という流れで行われました。

2017年3月期有価証券報告書より

『大地を守る会』との経営統合に費やした金額は約47億円で、のれんは17.5億円を計上しました。

その一方、『らでぃっしゅぼーや』については、現金10億円を対価としてNTTドコモから株式100%を譲り受ける形で子会社化しました。

2018年3月期有価証券報告書より

のれんの金額は1.6億円で、一括で全額を減損損失として償却したため、現在のバランスシートには現れていないということになります。

続いて負債・純資産も見ていきます。

負債の多くを占めるのは買掛金で、有利子負債は合計1億円未満とほぼ無借金経営に近い状態です。

利益剰余金は40.4億円となっています。

今四半期のキャッシュフローは公表されていないため、前年度までのデータを確認します。

2018年3月期の営業キャッシュフローは通期で16.4億円。これまで安定的にプラスとなっています。

大規模な資金調達は2013年度にIPO、昨年度にドコモとの資本業務提携というエクイティ・ファイナンスのみ。

稼いだキャッシュを使って投資へ回すという堅実な経営姿勢が伺えます。

昨年度のフリーキャッシュフローは10億円以上に増加しています。

株価はどのように推移しているでしょうか。

『大地を守る会』との経営統合時はそれほど変動がありませんでしたが、『らでぃっしゅぼーや』との経営統合後に株価が上昇しました。

現在の時価総額は354億円で、昨年のフリーキャッシュフローに対して約30年分の値が付いているということになります。

主力3サービスを基軸としたフードデリバリー・プラットフォームがどう発展していくのか、オイラ大地の事業展開に引き続き注目していきたいと思います。