オイシックス・ラ・大地 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1499億6700万 円
銘柄コード 3182(市場第一部(内国株))

オイシックス・ラ・大地は東京都五反田に本社をおく企業。
2000年、生鮮食品のeコマースサイト「Oisix」をオープン。
2001年「ふぞろい野菜」を販売開始、店舗宅配事業を本格的に展開。
2002年定期購入サービス「おいしっくすくらぶ」を開始。
2013年東証マザーズに上場。
2017年、オイシックスと大地を守る会が経営統合。
2018年、NTTドコモの「らでぃっしゅぼーや」を子会社化。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

オイシックス・ラ・大地は東京都五反田に本社をおく企業。2000年、マッキンゼー出身の高島宏平氏がオイシックスを設立し、生鮮食品のeコマースサイト『Oisix(おいしっくす)』をオープンした。2001年「ふぞろい野菜」を販売開始、店舗宅配事業を本格的に展開。2002年定期購入サービス「おいしっくすくらぶ」を開始。2013年東証マザーズに上場。

2017年、オイシックスと「大地を守る会」が経営統合。2018年、NTTドコモの「らでぃっしゅぼーや」を子会社化。主要3ブランドの名称を冠した「オイシックス・ラ・大地」に社名を変更した。

事業内容

オイシックス・ラ・大地グループ(オイラ大地)は食品を軸とした「宅配事業」を展開する。ウェブサイトやカタログを通じて顧客から注文を受け、食品(青果物・加工食品・ミールキット)のほか、日用品や雑貨などを宅配する事業を日本全国で運営している。

また、オイラ大地がこれまで培ってきた食品ECビジネスにおけるアセットやノウハウを他社に提供することで収益を確保する「ソリューション事業」、オイラ大地の直営店舗や大手スーパーチェーンなどに専用コーナーを設ける「Shop in Shop」を運営する「店舗事業」、香港・上海において食品を宅配する「海外宅配事業」、卸事業等からなる「その他事業」を行っている。

オイラ大地は、「より多くの人が、よい食生活を楽しめるサービスを提供する」ことを企業理念・存在価値としている。届ける商品の安全性はもとより、その食味やサービスとしての利便性にも配慮した事業運営を行っている。

オイシックス・ラ・大地グループは、オイシックス・ラ・大地株式会社(オイラ大地)、連結子会社11社及び関連会社2社により構成されている。

なお、連結子会社は、株式会社フルーツバスケット、株式会社とくし丸、Oisix Hong Kong Co.,Ltd.、上海愛宜食食品貿易有限公司、株式会社ふらりーと、カラビナテクノロジー株式会社、株式会社CRAZY KITCHEN、Oisix Inc. 、Three Limes, Inc. 、Future Food Fund株式会社、Future Food Fund1号投資事業有限責任組合で構成されている。関連会社は、株式会社日本農業、株式会社ウェルカムの2社である。

株式会社フルーツバスケットは、全国各地の契約農家が作るこだわり農産物を活用し、安全で美味しい無添加加工食品を製造・販売している。

株式会社とくし丸は、スーパーに買い物に出かけることが困難な高齢者を中心とした買い物難民向けの移動スーパー事業のビジネスモデルを構築しており、提携スーパーの開拓、販売パートナーへのノウハウ提供を行う事業を展開している。

Oisix Hong Kong Co., Ltd.は、当社の香港への越境EC事業の売上規模の拡大を図るため、現地の輸入代行、物流業務のオペレーション等を行っている。

上海愛宜食食品貿易有限公司は、自社の安全基準をもとに、中国現地で調達した商品をECにて販売する事業を展開している。

株式会社ふらりーとは、作る人と食べる人をつなぐサイトを運営する事業を展開しており、現在は休眠中だ。

カラビナテクノロジー株式会社は、主にEC向けのWebシステム開発およびWebサイトを制作する事業を展開している。 株式会社CRAZY KITCHENは、「食時を、デザインする。」を企業コンセプトとし、食事だけでなく、食事を楽しむ空間、時間、コミュニケーションをデザインする、オーダーメイドケータリング等を行っている。

Oisix Inc.は、海外(米国)における持株会社である、

Three Limes, Inc. は、米国本土48州においてビーガン食のミールキットビジネスを展開。

Future Food Fund株式会社は、食のスタートアップ企業へ投資するファンドの組成・運営管理を行うことを目的として設立され、2019年にFuture Food Fund1号投資事業有限責任組合を設立している。

株式会社日本農業は、海外への農産物の輸出を望む生産者の開拓及び生産物の買い取り、物流のアレンジから海外の小売り・卸・輸入業者への販売までのトータルコーディネイトをワンストップで行っている。

株式会社ウェルカムは、小売や飲食を通したライフスタイル事業、輸入食品や加工食品等の製造・販売、カフェの運営等の事業を展開している。

製品・サービス・ブランド

オイシックス・ラ・大地は、有機・特別栽培野菜、添加物を極力使わない加工食品など安心・安全に配慮した食品の定期宅配サービスを『Oisix(おいしっくす)』『らでぃっしゅぼーや』『大地を守る会』の3ブランドで提供している。「これからの食卓、これからの畑」を理念に掲げ、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する事業を推進している。

『Oisix(おいしっくす)』

「子どもに安心して食べさせられる食材」をコンセプトとする食品ブランド。eコマースサイトを通じた宅配サービスでは有機・特別栽培農産物、添加物を極力使わない加工食品を取り扱う。20分以内に2品作れる献立キット『Kit Oisix』なども好評で、子育てと仕事の両立に忙しい家庭向けに、手間はかけない、だけど家族には自慢できるような“プレミアム感”のある時短商品を届けている。

産直おとりよせ市場

全国から旬の逸品を取り寄せることができるサービス。Oisix本店と別のご購入となり、ギフトとしても好評。

おいトク

登録した特定の商品をおトクな価格で提供するサービス。飲料やお米など1つの商品を定期的に配送する。

リアル店舗

大手スーパーの一部店舗ではOisixで取り扱っている食材を実際に手にとって購入できる。

『らでぃっしゅぼーや』

有機野菜、無添加食品や環境負荷の少ない日用品等などをお届けする会員制宅配サービス。1988年に創業して以来、おいしい旬の食品から日用品まで安心・安全にこだわってセレクトして家庭に届けている。

メイン商品であるお野菜の詰め合わせボックス『ぱれっと』は、年間180種類の野菜を配送する。毎日の食卓を彩り豊かにし、旬の野菜が持つ本来の美味しさを楽しむことができる。

『大地を守る会』

国産のものを中心に安心して食べられるおいしい旬の食材や加工品、雑貨類を届ける有機農産物宅配サービス。3ブランドの中で最も古い1975年に創業し、有機食材宅配のパイオニアとして、宅配だけでなく生産者と消費者を繋ぐ「オーガニックフェスタ」や、スローライフを提唱する「100万人のキャンドルナイト」などリアルでアクションを起こすイベントも創ってきた。

多様化するライフスタイルに対応するために、大地を守る会は、1985年に日本で初めて有機農産物の宅配システムをスタートさせた。買い物サイト、商品カタログ『ツチオーネ』では、生産者や産地などのきめ細かい情報を掲載している。生産者の気持ちも情報として一緒に届けることで、つくる人と食べる人の絆を深めることを目指す。

リアル店舗

大手スーパーの一部店舗では大地を守る会で取り扱っている食材を実際に手にとって購入できる。

他社EC支援事業

オイラ大地は「ISETAN DOOR」「DEAN & DELUCA」「dミールキット」の運営を支援している。

さらに、2020年8月からは「大戸屋」と業務提携を結んだ。オイラ大地は手軽に大戸屋のメニューを自宅で食べられるサブスクリプションサービスを立ち上げ、流通額ベースで約30億円規模の事業への成長を目指す。共同でのEC構築に取り組み、ミールキットや冷凍惣菜等を販売する。

大戸屋はOisixユーザー向けアンケートで「最も満足度が高いと感じるお店」に選ばれており、Oisixユーザの親和性が非常に高い。飲食店のメニューを自宅で食べたいニーズは非常に高く、ECサイトだけでなく大戸屋の数百店舗にのぼる店舗ネットワークを活かした店頭販売も推し進めていく。

『とくし丸』

『とくし丸』はインターネットではアプローチが困難なシニア・買い物難民向けに、移動販売スーパーを展開している。販売は移動トラックによって行われる。

とくし丸は本部機能として地域スーパー(商品供給基地)とロイヤリティ契約を締結し、ブランドとノウハウを提供することで契約料を受け取る。地域スーパーは販売パートナー(移動トラック運転手、オーナー経営者)を募集し、商品を供給する。『とくし丸』は顧客が商品価格+10円を負担する「+10円ルール」を特徴とする。商品販売による粗利30%のうち17%を販売パートナーが、13%を地域スーパーが受け取るのに加え、それぞれが上乗せの5円ずつを受け取ることで持続的なビジネスの構築を目指している。

海外宅配事業

オイラ大地は香港、上海、アメリカでも事業を展開している。

香港、上海

オイラ大地は2009年に『Oisix香港』を開始した。日本産商品を届ける越境ECモデルを特徴とする。2017年には『Oisix上海』を立ち上げ、中国ユーザーが好むサブスクリプションモデルの確立に向けてニーズを検証している。

アメリカ

オイラ大地は2019年4月、ミールキットを販売する「Purple Carrot」社を子会社化した。Purple Carrotはヴィーガン食×日本食の「ヘルスコンシャスフード」をアジア・アメリカ双方へグローバル展開している。

店舗外販事業(Shop in Shop)

オイラ大地は提携スーパーの青果売り場に各ブランドのコーナーを設置し、各ブランドの基準をクリアした青果・加工品を販売している。

法人向けサービスその他

オイラ大地は、自社の事業運営で培った独自のソリューション「法人向けサービス(Oisix Bussiness Solution)」を法人向けに提案している。

Oisix ra daichiの旬野菜ノベルティ『タベルティ』

年間600万件以上の定期宅配で培った、サービス・商品・お届けのノウハウをノベルティとして提供する。

Oisix定期会員向け広告出稿サービス『Ad Oisix』

30~40代の子育て世代のママ層を中心とした、定期宅配会員約18万世帯へリーチできる広告出稿サービス。

EC/CRMコンサルティング『Oisix ra daichi EC Consulting』

EC サービスを行う企業に向け、新規獲得やUI/UX改善、 食品3温度帯物流などの知見をもとに、ソリューション支援を行なう。

保育事業向け食材宅配サービス

オイラ大地は保育園食材宅配サービスを展開している。安心・安全でおいしい食材を保育園に毎日届けることで、保育園での業務効率化をサポートする。

強み・ビジネスモデル

オイシックス・ラ・大地は「生産者ネットワーク」「食特化の物流ノウハウ」「サブスクリプション宅配モデル」に強みとする

生産者ネットワーク

オイラ大地は顧客の食卓に“安心・安全”を届けるために、全ての生産者と直接契約している。2000年の創業以来、厳しい生産基準を満たす、高い生産技術を持つ生産者ネットワークを構築してきた。生産者ネットワークはオイラ大地の成長とともに着実に拡大し、20年の積み重ねによって3ブランド合わせて約4,000軒まで広がった。熱意を持って畑に向き合う生産者との関係性は、オイラ大地の大きな強みとなっている。

食特化の物流ノウハウ

オイラ大地は、商品をできるだけ採れたての状態のまま顧客の家庭・食卓まで届けるため、鮮度維持・検品など厳格な品質管理を行っている。食品に特化した物流運営を長年続けてきた結果、品質管理のレベルを維持しながら効率的な運営体制が構築できている。オイラ大地は安定的な商品の供給と、事業の収益性の両立を実現している。

食特化のサブスクリプション宅配モデル

オイラ大地は、日常の食材を週1回定期配送するサブスクリプションモデルの宅配事業を運営する中で、ユーザーがリピート購入したいという気持ちになるような“お買い物体験”の機会を磨き上げてきた。顧客の長期間にわたる売上を向上させ、早期に獲得コストを回収することにより、LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)を最大化して安定的に収益をあげていくビジネスモデルを確立している。

経営方針

オイラ大地グループは、「これからの食卓、これからの畑」を企業理念とし、より多くの人が、よい食生活を楽しめるサービスを提供すること、よい食を作る人が、報われ、誇りを持てる仕組みを構築すること、食べる人と作る人とを繋ぐ方法をつねに進化させ、持続可能な社会の実現すること、食における社会課題をビジネスの手法で解決することを通じて、食のこれからをつくり、広げていくことを理念として掲げている。

このような企業理念に基づき、オイラ大地グループの社会的価値を高めるとともに、国内宅配事業の事業成長および収益力強化、また非連続の事業成長に向けた事業領域の拡大を通じ、企業価値・株主価値の増大を図っていく方針だ。

経営環境

オイラ大地グループは、独自の栽培、生産基準に基づいた環境負荷の少ない高付加価値の食品・日用品に特化した宅配事業を展開している。

国内食品宅配市場を取り巻く環境は、スマートフォンやSNSの普及による販売経路の多様化、配送員等の人手不足を背景とした物流コストの上昇などにより競争環境は一段と厳しくなっている。

一方で、EC(電子商取引)を通じた消費行動の高まりにより、食品宅配の市場規模は年々拡大傾向で推移している。

また、安心・安全な高付加価値な食品における市場についても、オーガニック農産物の市場規模は欧米と比べ低水準に留まっているものの、今後、地球環境に対する危機意識の高まりや、環境や社会課題へ配慮したライフスタイルの浸透により、更なる市場の拡大が見込まれるとしているとしている。

競合環境については、ネットスーパーや各地域の生活協同組合の宅配事業などを事業領域の近しい業態ではあるが、オイラ大地グループは高付加価値の食品・日用品の宅配に特化することで取扱い商品の差別化を図っており、また消費者もその違いを理解し、サービスを使い分けていると考えている。

加えて、ECを通じた食品宅配市場は拡大傾向で推移しているものの、食品小売市場における比率は非常に小さく、今後一層の市場拡大を加速させることが重要と考え、他業態との関係についても競合という位置付けではなく、ともに食品宅配市場を拡大する関係性であると捉えている。

最後に、消費者の動向においては、共働き世帯の増加や健康志向の高まりなどライフスタイル・価値観の多様化が拡大しており、消費者の潜在的ニーズに即した商品・サービスを迅速に展開するよう努める方針だ。

経営戦略

オイラ大地グループは、主要事業である国内宅配事業の事業成長および収益力強化を最優先課題として取り組むことに加え、非連続の事業成長に向けた海外宅配や国内実店舗小売への事業領域の拡大を着実かつスピーディーな実行を目指している。

1つ目の最優先課題「国内宅配事業の事業成長・収益力強化」における、国内宅配事業の事業成長については、国内宅配事業の事業成長については、『Oisix』『大地を守る会』『らでぃしゅぼーや』の3つのブランドをポートフォリオ化し、それぞれの顧客に対してニーズを満たしたサービスを磨き上げ、定期会員数および購買単価・頻度の向上により事業成長を目指す。

そのため、各ブランドの事業フェーズに沿った事業戦略の実行、および長年のサブスクリプションサービスの提供により蓄積したマーケティングノウハウの各ブランド間での横展開や経営指標管理の徹底を実行していく。

収益力強化については、削減余地の大きい商品原価及び物流費の低減に向けた施策を実行していく方針だ。

商品原価については、ヤマト運輸株式会社と共同で進めている調達物流の効率化プロジェクトである「ベジネコプロジェクト」の推進、および製造・加工過程の内製化やプライベートブランド商品の開発加速などの施策により低減を図る。

物流費については、『Oisix』ブランドにおいて新海老名ステーションの稼働を2021年10月に予定しており、物流作業の一元化や、集品と梱包にかかる工程の自動化など、業務効率化を図る。

中長期的には、各ブランド固有で保持している物流拠点の最適化を行っていく方針である。

2つ目の最優先課題である「事業ドメインの拡大」においては、国内において蓄積した宅配事業のノウハウを展開し、香港や上海(Oisix)、アメリカ(The Purple Carrot)など、海外におけるサブスクリプションサービスの定着・成長を図る。

さらに、実店舗事業においても、商品を体験できる場を広げるという位置づけで提携小売店の店舗内に販売コ ーナーを作り、商品を販売する「Shop in Shop」モデルを展開。

今後は関連会社となったウェルカム株式会社のノウハウも得ながらリアル店舗事業についても拡大を図っていくとしている。

経営指標

オイラ大地グループが、経営戦略の達成を判断するため重視している経営指標は、売上高、営業利益及びEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)とそれぞれの成長率である。

また、収益性に関する指標として売上高営業利益率、顧客基盤の拡大に関する指標として宅配事業における定期購入顧客数等を重視している。

ビジネスモデルのリスク

オイラ大地グループのビジネスモデルは、環境・健康志向のお客様が増加する中で、有機栽培・特別栽培等による青果や安全性を吟味した加工食品など、お客様が食品スーパーや量販店などの一般的な流通経路では入手しにくい商品を、ECを活用した利便性の高いサービスを通じて、より手軽により多くの顧客に提供することを核としている。

引き続き顧客の環境・健康志向は今後も拡大し、ECによる食品販売はこれからも十分に伸張していくと推測しているが、技術の進歩や流通の革新などにより、一般的な流通経路で安全性や付加価値の高い商品がより安価で販売可能となった場合、グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

また、感染症等の世界的流行により、外出自粛の意識の高まりによる食材宅配サービスの急激な需要変動が想定される。外出自粛の緩和及び感染拡大の収束が見込まれた後においては、消費マインドの停滞による経済減速の流れが懸念され、家庭での食事の在り方をはじめとし、事業を取り巻く環境も変化し、業績に大きな影響が及ぶことも予想される。

事業内容に関するリスク

食品EC市場や宅配事業における競争について

現在のところ、オイラ大地グループは食品に特化した宅配事業者として大手の位置にあると認識しているが、小規模な事業者まで含めるとECによる食品販売を行う事業者は多数存在する。また多数の会員を有するショッピング・モール型のEC事業者による食品販売への取り組み強化や、既存流通大手等の有力企業においていわゆる「ネットスーパー」を本格的に展開する動きが見られる。

一方で、生活者のライフスタイルや価値観の多様化、特に、感染症等の世界的な感染拡大を受けてのニューノーマル(新しい日常)時代における自宅での食事の要請、ミールキット等、時短サービスニーズの急増を背景とした食材及び食品宅配利用の普及に伴い、食品販売のEC化の動きはさらに加速するものと予測sれる。

今後、かかる事業者による食品販売への一層の注力等により、EC市場の食品分野における競合が激化する可能性がある。このような環境下において競争が激化した場合、グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

食品の安全性について

各ブランドが提供する付加価値やターゲット層により細かな基準は異なるものの、オイラ大地グループいずれの主要ブランドにおいても、独自の取り扱い基準を設定し、青果物は可能な限り農薬や化学肥料を使わず栽培した作物を、加工品は食品添加物を極力使用しない製品を取り扱っている。また、青果物については産地視察や残留農薬の検査を実施し、加工品等については外部の有識者や第三者機関等を活用した独自の検査体制を設け、さらには仕入先メーカーの衛生管理指導を行うなど、客観的かつ合理的な品質・安全性の確保に努めている。

しかしながら、オイラ大地グループの取り扱い商品について、生産者による農薬使用等に関する表示の偽装や品質に関する虚偽の情報提供などが行われる可能性は否定できない。また食品の放射能汚染問題については、その安全性に関する社会通念上の見解が未だ明確でないことに加え、今後当該問題に関する何らかの法規制が設けられた場合、当該法規制が求める対応等が即時に実施できない可能性がある。これらの事象が発生した場合、行政機関からの指摘や処分、顧客からのクレームや損害賠償等が生じる可能性があり、オイラ大地グループのブランドイメージの失墜や対外的信用力の低下等により、グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

天候悪化による影響について

オイラ大地グループの売上高の約3割を占めている青果物については、取引産地を日本全国各地に分散するとともに、主要品目については原則として複数産地から調達可能な状況とすることにより、特定地域の天候悪化による収穫不能・品質劣化時も別産地から商品の供給ができる体制をとっている。

しかしながら、予想以上に天候悪化が長期化・広域化した場合、さらには、異常気象や台風、大雨のような風水害が産地を襲った場合、欠品や品質劣化等の問題の発生などにより、グループの事業及び業績に影響を与える可能性がある。また、これら天候悪化や風水害が、商品の流通・物流に影響を及ぼし、出荷や配達に支障が出た場合にも、グループの事業及び業績に影響を与える可能性がある。

季節変動について(おせち料理等の季節性商品について)

オイラ大地グループは、12月におせち料理等の収益性の高い年末商品により売上高・利益が増加する傾向にあるため、通期の業績に占める第3四半期の比重が高くなっている。このため、特定の四半期業績のみをもってオイラ大地グループの通期業績見通しを判断することは困難であり、また第3四半期の業績如何によっては年度の経営成績が影響を受ける可能性がある。

物流業務拠点の集中について

オイラ大地グループでは、自社運営による物流センターを構え、取り扱い商品の検品・保管・仕分・梱包といった物流関連業務を集約しており、主に『Oisix』は神奈川県海老名市、『大地を守る会』は千葉県習志野市の物流センター、『らでぃっしゅぼーや』は全国5拠点を通して顧客向けに出荷している。

これら物流センターが自然災害又は火事などにより操業できなくなった場合、従業員の出勤稼働に影響が出た場合には、在庫の損失や配送遅延、サービス一時停止などといった事態の発生により、グループの事業及び業績に影響を与える可能性があるが、有事の際には全国7拠点のうち操業可能な拠点を活用する配送オペレーションの調整を行うことにより、顧客への出荷業務を最大限継続している。

物流におけるヤマト運輸株式会社との取引関係について

オイラ大地グループの売上高の約5割を占める『Oisix』においては、ヤマト運輸株式会社によってお客様への商品配送を行っている。オイラ大地グループとしては同社との良好な取引関係の維持に努めるとともに、代替的な配送業者との関係構築にも努めているが、昨今の物流業界の状況に鑑み、同社グループからの大幅な配送料の値上げ要請や取引関係の縮小などがあった場合、グループの事業及び業績に影響を与える可能性がある。

システム障害について

オイラ大地グループの食品宅配事業の業務は、Webサイトの管理を始め、受注、発注、仕入、在庫、発送、売上までのほとんどの業務が業務管理システムに依存している。これらのシステムでは、それぞれ予備系統や予備データの保有機能等の二重化措置やファイヤウォール、ウィルスチェック等、外部からの攻撃を回避するための対策を講じている。しかしながら、想定を超えた受注申込その他のアクセスの急激な増加や、コンピュータウィルスの侵入、人為的な破壊行為、又は構築したアプリケーション内の不具合等、様々な要因によってオイラ大地グループのシステムに障害又は問題が生じた場合、グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

個人情報の取り扱いについて

オイラ大地グループは、EC等による商品の販売に際して顧客の氏名、住所等の申し出を受け、多くの個人情報を保有するため、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)に規定する個人情報取扱事業者に該当する。このため、オイラ大地グループは、個人情報にかかる取り組みとして、2018年にISMS(Information Security Management System、情報セキュリティマネジメントシステム:組織における情報資産のセキュリティを管理するための枠組み)を取得、データの暗号化、厳格なアクセスコントロール、並びに外部機関から定期的にシステム診断を受けること等に努めているほか、情報管理規程・マニュアルを制定し、プログラム作成者の教育訓練及び全社員を対象とした社内教育を徹底している。

しかしながら当該施策に関わらず、オイラ大地グループのお客様などの個人情報が社外に漏洩した場合には、損害賠償や社会的な信用失墜等によりグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

技術革新への対応について

オイラ大地グループが事業を展開しているEC業界、インターネット関連の業界は、新たな技術革新やサービスが次々と登場することが特徴となっており、オイラ大地グループでは、それらの技術革新等に伴うサービスモデルの変更や新機能等を自社事業に活用するため、積極的な対応に努めている。

しかしながら、技術革新等への対応が遅れた場合や、システム等に関連する投資額や費用が予想外に増加した場合には、グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。

法的規制等について

オイラ大地グループでは、特別栽培農産物等の食品販売を行うにあたり、「食品衛生法」「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」「健康増進法」「食品表示法」等、また、EC販売を行うにあたり、「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」「商標法」「特定商取引に関する法律(特商法)」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」等の法令による規制を受けている。オイラ大地グループでは、これらの法令等を遵守するための管理体制及び従業員教育を徹底し、コンプライアンス体制の整備に努めている。

しかしながら、これらの法令等に抵触した場合、オイラ大地グループのブランドイメージが損なわれることによる顧客からの信頼度の低下が、会員数や購入頻度の減少等を通じてグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があるほか、これらの法令等の改正又は新たな法令等の制定により法的規制が強化された場合には、グループの主要な事業活動に支障を来たす可能性がある。

2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月25日)