レイ・ダリオが語る「次のパラダイムシフト」とは(後編)
ブリッジウォーター・アソシエイツの創立者であるレイ・ダリオ氏が先日、LinkedInで「Paradigm Shifts」というエントリを公開しました。
彼が言う「パラダイム・シフト」とは何のことかを確認したのが前回。
後編ではいよいよ、次に来るパラダイム・シフトについてダリオがどう考えているのか、チェックしてみたいと思います。
まず確認したいのは、直近の大きなパラダイム・シフトである2008年の金融危機以降、世界がどのように動いてきたかです。
ダリオが「永続できない」としていることの筆頭が、中央銀行による金利引き下げと、その他の量的緩和(紙幣発行や金融資産の購入)です。
2008年の金融危機以降、中央銀行は金利を引き下げ、マネタリーベース(現金の流通量)を拡大してきました。
世の中に潤沢なキャッシュが流通すると、投資家たちは手にしたキャッシュを何かに投じないわけにはいきません。
結果として株式をはじめとする金融資産の評価額(P/E)は上がり、上がった評価額をベースとして負債による自社株買いやM&A、未上場株式や不動産への投資が進みました。
世界的なベンチャーブームを見ればお分かりのように、今はうまく回っているように見えますが、あるきっかけでこれが止まってしまうと大変です。(後述)