年間取扱高3,704億円!元Facebook幹部の参画からアメリカでのGMVが2倍以上に増えた「メルカリ」

メルカリの上場後初となる決算が発表されたので、まとめていきたいと思います。

メルカリ 決算説明資料

まずは全体像をつかむため、全体のGMV(流通総額)から見てみます。

GMVは1,026億円となり、前の四半期に続いて1,000億円を突破しました。

サービス開始から5年にしてこれだけの規模に達している日本企業は他にありません。


当然ながら、GMVの増加率自体は徐々に落ち着いてきています。

2年前は前年比で2倍という成長率を続けていましたが、1年前には65%、直近では41.5%の増加率となっています。

売上高は96億円ということで、前年の68億円と比べると41.1%の増収。

通期全体の売上は367億6,500万円で62%の増収でしたが、四半期ベースだとやはり徐々に成長速度がゆるみはじめてはいるようです。


そして、営業損失は44億2,200万円という数字。

国内メルカリ事業はがっつり黒字なので、このほとんどは海外事業や新規事業への投資によるものということになります。


それでは、各事業の状況をチェックしていきましょう。


国内メルカリ事業:大きな投資をしつつ営業利益71億円

まずは、メルカリグループの収益事業である国内メルカリ事業です。

流通総額GMVに関しては、全体GMVの90%以上が国内メルカリとなっています。

そのため、先ほど見たグラフとそれほど大差はありませんが、961億円という数字になっています。

前年からの増加率は38.5%という数字。


ここで、国内メルカリ事業単体の業績推移を見てみましょう。

意外に思ったのですが、営業利益の数値にかなりの季節性があります。4Qに下がる。

売上にはそれほど大きな季節性はないため、一時的な費用が発生していることになります。


メルカリ決算説明資料

中身を見てみると、「その他の広告宣伝費」が4Qには大きく拡大しています。

今四半期には「その他の費用」が増加していますが、これは上場に関する一時的費用とのこと。

また、ちょうど1年前にはポイント費用が大きくなっていることから、そういうキャンペーンを売っていたことがわかります。

夏直前メルカリくじキャンペーン

ググったらこういうのが出てきました。これなのではないかという気がします。

2018年6月期に入ってからは特にポイント関連費用は落ち着いています。とはいえ、毎四半期ごとに24億円から31億円を踏み続けています。


その他に興味深い点として、この4年間で女性関連のカテゴリーへの依存率が下がっています。



メルカリUS事業:ジョン・ラーゲリン氏の参画からGMVが急増

続いて、将来へのポテンシャル面で期待されるアメリカでの事業の状況です。

今四半期は5,900万ドル(65.5億円)で、前年同期の2,700万ドル(30億円)と比べると2倍以上に増えています。

しかし、上下が激しくかなり拡大に苦労してきたことが見て取れるようなグラフです。

通期で計算すると、2018年6月期の米国GMVは2億1,200万ドルとなり、前年の1億6,700万ドルから27.2%の増加となります。


上のグラフに示したように、アメリカのGMVが伸びに転じたのは、元Facebook幹部だったジョン・ラーゲリン氏が参画したタイミングと重なっています。

その後、元Googleのスコット・レヴィタン氏がCMOとして、元サムスンのMok Oh氏がCTOとして参画しています。


その他の動き:「メルペイ」を中心にエコシステムを構想

その他の新規事業としては、やはり「メルペイ」に関わる動きが目立ちます。



メルカリには、アプリ『メルカリ』での売上金が200億円以上も預けられており(バランスシートの「未払金」より)、一方で1万円未満の出金を行うには所定の手数料がかかります。

そのため、ユーザーにとってもメルカリに預けたお金を「メルペイ」で他のことに使えれば、大きなメリットがあると言えます。

大きなビジョンとして、シェアサイクルや交通、小売、飲食などあらゆる用途に使えるようなエコシステムを目指しているとのこと。

そして、現在は「メルカリID」を『メルペイ』と連携させるという第一フェーズに取り掛かっており、そこからメルペイを普及させていくという構想を見せています。

今年7月には加盟店開拓のために「(株)メルペイコネクト」という新会社を設立しています。


財政状態:バランスシートのほとんどが現預金

それでは、メルカリの財政状態についてチェックしてみましょう。

びっくりすることに、総資産1,177億円のうち現預金が1,092億円もあります。

なかなかこんなバランスシートはありません。


どうしてこんなに現金があるかというと、一つの理由は新規上場によって570億円の現金流入があったからです。

その他、未払金も1年で26億円増えていますし、借入も66億円ほど積み増しています。


ただ、今期の営業キャッシュフローはそれでもマイナスとなっています。

というか、前年の未払金増加が97億円もあってハンパなかったわけですね。

上場後のメルカリは、株価が少し下がって横ばいで推移しています。

決算発表が3時半くらいだったので、今回の結果が株価に反映されるのは明日になりそう。

現在の時価総額は6543億円。

前述のとおり、手持ちキャッシュが1,092億円あって借入が290億円あるので、ネットキャッシュは802億円と計算できます。

そうすると、メルカリの実質的な評価額はざっくり5,741億円と計算できます(厳密な算定ではありません、念のため)。

国内メルカリ事業の営業利益が71億円なので、その81倍という高評価ですが、それほど市場から期待されているということがうかがえます。


メルカリの年間GMV3,704億円というのは、スタートトゥデイの2,705億円と比べても30%以上高い水準にあります。

一方、ヤフオクの取扱高が8,800億円ということで、国内トップの座を握るにはまだ差があるというのも事実。

メルカリ自身は、来期の業績について「算定が困難である」として予想数値を設定していません。

2018年6月期には海外事業も大きく拡大しはじめていますから、来期にどのような進展を見せるのか、非常に楽しみです。