世界の金融企業11社の財務状況を比べてみる

世界でトップを走っている金融会社11社の財務状況を比べてみたいと思います。

今回、取り上げたいのは以下の11社です。せっかくなので時価総額順に並べています。

時価総額(兆円)
JPモルガンチェース 34.93
中国工商銀行 32.43
ウェルズファーゴ 27.72
バンク・オブ・アメリカ 27.38
HSBC 21.43
シティグループ 20.15
三菱UFJフィナンシャル 9.95
ゴールドマン・サックス 9.36
モルガン・スタンレー 9.12
バークレイズ 4.55
ドイチェバンク 3.6

米国だけでみると、JPモルガン(35兆円)、ウェルスファーゴ(27.7兆円)、バンク・オブ・アメリカ(27.4兆円)がトップスリーとなっていますが、中国工商銀行は32兆円ということでウェルズファーゴよりも大きな市場価値が付いています。

最強というイメージの強いゴールドマンサックスは三菱UFJよりも低く、9.83兆円となっています。

ちなみに、ソフトバンクグループは9.7兆円なので、市場価値としては同じくらいの規模ということになります。

以下、色々な指標を比べてみましょう。

総資産

まずは最もシンプルな総資産の比較です。

最も総資産が大きいのは中国工商銀行で、426兆円と圧倒的な規模に達しています。

続いて、三菱UFJがおよそ300兆円と、こちらも総資産ではかなり大きな規模ですね。

JPモルガン(270兆円)、HSBC(258兆円)、バンク・オブ・アメリカ(237兆円)、ウェルズファーゴ(210兆円)あたりまでが200兆円を超える総資産を有しています。


ここから、純金利収入、非金利収入、貸金残高、預金残高の4つを比較していきます。

企業によっては(切り分け方が違ったりして)一部開示がなかったりしますが、ともあれ比べてみましょう。

純金利収入

純金利収入とは預金業務で集めたお金に利子を払い、融資業務で法人や個人に貸し付ける事によって稼いだ利子の差額(利ざや)のことです(参考)。

金利収入はJPモルガンチェースが1.3兆円、バンク・オブ・アメリカが1.2兆円の純金利収入を稼いでいます。

ウェルズファーゴ8206億円、HSBCホールディングスも7599億円と大きいですね。

非金利収入

非金利収入もJPモルガンが1.4兆円、バンク・オブ・アメリカが1.28兆円と大きくなっていますね。

モルガンスタンレーや9515億円、ゴールドマンサックスも7718億円の収益を得ています。いわゆる投資銀行としての性質が強い銀行ほど、非金利収入が大きくなるようです。

貸金残高

貸金残高の比較です。

中国工商銀行が200兆円を超えており、圧倒的です。

JPモルガン、ウェルズファーゴ、バンク・オブ・アメリカ、HSBCの4社は軒並み100兆円ほどの貸金残高を有しています。

預金残高

最後に預金残高です。

預金残高でも中国工商銀行が300兆円近くにまで達しており、圧倒的です。

三菱UFJフィナンシャルグループも136兆円とかなり大きいことがわかります。

その他、JPモルガンが156兆円、ウェルズファーゴが142兆円、バンク・オブ・アメリカが137兆円の預金残高を有しています。