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  2. Amazon始めFortune500企業の30%以上が利用!オラクル・SAPからシェアを奪うクラウド型人事管理SaaS「ワークデイ」

Amazon始めFortune500企業の30%以上が利用!オラクル・SAPからシェアを奪うクラウド型人事管理SaaS「ワークデイ」

  • クラウド版の人材管理(HCM)SaaSで伸びるWorkday
  • 財務管理(FMS)でも頭角をあらわすWorkday
  • そしてプラットフォームの完成形へ(PaaSとしてエコシステムを強化)
  • クラウドサービス同士で形成するパートナーシップ
  • Workday Cloud PlatformでPaaSへ
  • Workdayは赤字だが売上と営業キャッシュフローとグロスマージンの伸びに注目

ワークデイ(NASDAQ:WDAY)は企業の人事管理や財務管理をクラウドで提供するSaaS(Software as a Service)ベンダー。 



オラクルに敵対的買収をされた人材管理ソフトウェア会社People Softの創業者Dave Duffiledが、クラウドベースの人材管理(HCM)を提供するWorkdayを2005年に創業しオラクルを追撃している。


オラクルやSAPが支配的だった人材管理ソフトウェア市場はオンプレミス(自社所有サーバにインストールし運用)で、Workdayのクラウドに対応したシステムを1から作り上げたシステムはネット経由で提供されるためインストールもアップデートの手間も必要ない。


タイミングとしてはクラウド時代の到来が見えていたところだったから純粋なクラウドベースのHCMのSaaSベンダーを設立するにはベストだっただろう。


全体からみてもクラウド+サブスクリプションモデルのSaaS/プラットフォーム型企業の成長は著しく、レガシーな企業は"ディスラプト"されつつあり、SAPやオラクルも身を削って(当然SAPやオラクルのクラウド化は従来提供していたオンプレミスのサービスの売上を落とすことになる)買収などによってクラウド化を進めている。


ただ、Workdayのサイトによると "従来のモデルに「クラウド風」機能を追加しただけの競合他社は異なり、Workday はクラウドに対応したシステムを一から作り上げ、他社には真似のできない機能を実現しています。" としている。


それでは、Workdayの事業について解説した後、業績をチェックしていく。


クラウド版の人材管理(HCM)SaaSで伸びるWorkday


Human Capital Management (HCM) =人財管理



ワークデイは主力事業であるHCMに強く、今やFortune 500の30%以上の企業がコア人事システムにWorkdayを採用している。


中小企業に強いWorkdayだが、Amazonの契約を勝ち取るなど、大企業の契約も徐々に獲得している。


SAPとORACLEからHCMでのシェアを奪っているが、SAPとORACLEも既存顧客を失うくらいならとクラウド化を進めて価格を下げている点と、同様にクラウドベースのHCMを提供するUltimate Softwareも伸びているのは気になるところか。


企業向けクラウド型財務・人事アプリケーションプロバイダとしてユーザーの顧客満足度は97%で、従来のERPアプリケーションと比較すると15%ほどの差がある。


調査会社ガートナーが発表したマジッククアドラントでは、2年連続で中堅・大企業向けクラウド・ヒューマン・キャピタル・マネジメント・スイート部門において、最上位にWorkdayが選出。

Source: Gartner Magic Quadrant for Cloud HCM Suites


また、独立系調査会社のフォレスター・リサーチもワークデイをSaaS人事管理システム分野でリーダーと評価。


Source: Forrester Research


財務管理(FMS)でも頭角をあらわすWorkday

Financial Management Solutions(FMS)=財務管理


FMSとは、会計、プランニング、調達、プロジェクト、報告、分析を単一の財務管理システムでビジネスの全体像を正確かつ迅速に把握しやすくするソリューション。


Source: Gartner


FMSを含むERPではORACLEは存在感があり、WorkdayはまだFMSではアーリーステージといったところだ。


ERP(Enterprise Resources Planning)とは企業経営のベースとなる企業資源要素(人財・モノ・金・情報)を効率的に活用するための企業リソースの見える化のための企業の統合基幹業務パッケージ。



WorkdayのFMSの導入企業数は増加しており、クロスセルがうまくいっている。


また、HCMよりFMSの方が市場規模が大きい。



そしてプラットフォームの完成形へ(PaaSとしてエコシステムを強化)

オンプレミスをクラウドベースでディスラプトするだけならSAPやオラクルが痛みを伴うクラウド対応を進めターン・アラウンドするペースが早ければいずれ追いつかれてしまう。


そこで、WorkdayはAPI連携によって他のクラウドベースのサービスを提供する特化型企業とパートナーシップを形成し、人材・財務管理の機能を他社のクラウドサービスに入り込んで提供。


さらにWorkdayは他の勝ち組SaaS企業の戦略と同様に他社が提供するアプリ群のエコシステムを形成するプラットフォーム化を進めている。これまでもこのプラットフォーム化の動きは要望されていたのだが。Workday創業者は慎重にタイミングを見計らっていた。


クラウドサービス同士で形成するパートナーシップ

人事と財務に特化したワークデイ、CRM(顧客関係管理)に強いセールスフォース、ITサービスでServiceNow、保険のGuidewire、医療のathenahealthなどをAPIベースでのアプリケーション連携でパートナーシップを構築している。


また、各国ごとに税制などが細かく異なる給与計算機能については、それぞれの国の給与計算の有力企業と提携(Global Paryroll Cloud Partner)し、Workdayの給与計算環境をAPIを経由して連携できるようにしている。


日本では給与計算アウトソーシングで強いポジションのペイロールと提携し、各国でactivpayroll、ADP、Ascender、CDP、Celergo、CloudPay、Excelity、i-Admin、Intelligo、NGA、SafeGuard、SD Worx、Sorecoなどとパートナーシップを締結している。


また、アクセンチュアなどのようなコンサル会社がワークデイの導入をサポートするパートナーとなっている。


Workday Cloud PlatformでPaaSへ

その上、ワークデイ・クラウドプラットフォーム(Workday Cloud Platform)によって顧客のビジネスニーズに合わせた機能拡張やアプリケーション構築のためのPaaS(Platform-as-a-Service)に参入しエコシステムを強化する計画もある。


もともとワークデイは一言でいえばカスタマイズは”捨てて”いたのだ。


もっとも、標準の機能が豊富で95%のシステムカスタマイズが設定でカバーできる(Workday調べ)ので困ることはないし、顧客のニーズを組んでアップデートしているので必要なものは揃う。


カスタマイズからの脱却によって低コストかつアップグレードも容易になったのだ。


それでも、さらなる機能拡張に関してプラットフォームとなることで無数の他社アプリを取り込み、ニッチなビジネスニーズも含め幅広くカバーできるようになっていくことが、他のHCMクラウドとの差別化となっていく。


Workdayは赤字だが売上と営業キャッシュフローとグロスマージンの伸びに注目


売上高は伸びているが赤字が続いている。


このようにSaaS企業はPERやPEGレシオやROICなどといった指標で評価できない企業が多く、これらSaaS企業の企業価値評価の仕方は赤字だけど優良なSaaS企業を「SaaSの40%ルール」でフィルタリングしてみる を参考にしていただきたい。


売上が増加しつつフリーキャッシュフローがプラスに転じている典型的なSaaSの加速サイクルにはいっていることが分かる。AI企業の買収などで事業の戦略的補完をできる余裕がでてきている。


欲を言えば競争環境がもっとゆるければなお良かった。SaaSプラットフォーム企業の勝者総取り現象が競争過多によってある程度抑止されてしまう可能性はある。


グロスマージンは毎年改善傾向で長期ターゲットは80%以上のグロスマージンとしている。営業利益率も改善傾向で長期ターゲットは25%以上としている。


最後に株価をチェックしてみよう。

最近ようやく2014年の高値を抜いた程度で、長らく横ばいが続いていた。


<記事のスタンスに影響する情報開示: 筆者は 2018/2/18 時点でワークデイ(NASDAQ:WDAY)を38株保有しており、次回決算まで売却の予定はないが競争環境次第ではなんともいえない。またSaaS企業が好みであるため記事のスタンスに影響している。本記事はビジネスモデルや業績の定点観測を目的としたものであり、読者に投資を推奨するものではない。>


*アメリカ部 通信*

決算シーズンで保有株の決算チェック、米国株決算マンTwitter+アメリカ部の更新が忙しく更新が滞っておりました。


3本目の記事の編集後記で「メルトアップしている世界的株高の中で個別株記事を書くのは気が引けるところはあるのですが(中略)暴落時に準備ができていることが大事」と書いた週を天井に、10%以上株価の調整局面がきておりました。


そんな中でも光る決算の銘柄もあり、Stockclipでも紹介しようと思ったものは案外すでに記事が詳細に書かれているので(たとえばStockclip支配人の記事であるTALエデュケーションとかグラブハブとか)、Stockclipにない銘柄をまずはピックアップしていこうかなと。記事にする順番は保有株の中から適当です。


儲けたい個人投資家の1人として赤裸々に保有株や注目株の定点観測を行う過程をシェアするというスタンスで気長にやっていこうと思います。


基本的に"プラットフォーム企業"が好みなので、ジャック・マーの以下の発言には大変共感しました。


Alibaba創業者ジャック・マー曰く

"データの時代、インターネットの時代にはどうだろう? 21世紀においてベストなビジネスモデルは何だろう?  私たちは「プラットフォーム型のビジネス」なのではないかと考えている。"

Source: 2036年にユーザー数20億人を目指す!「2017 Investor Day」でジャック・マーが語ったアリババの長期ビジョンとは

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