1906年創業!「甲子園」の前身を築いたミズノの海外進出はどのくらい進んでいるのか?

皆さん、ご存知の「ミズノ」。何らかのスポーツをやったことがある人はシューズやシャツで利用したことがあるのではないでしょうか。

2014年時点で、世界全体のスポーツ市場規模は700億ドルと言われ、そのうちアパレル部門は310億ドルを占めると言われています。

海外スポーツアパレルブランド各社の知名度が上がる中、日本のスポーツブランドは国内外でどのように戦っていくのでしょうか。

出典: The business of sports

ミズノと同じスポーツ用品メーカーである「アシックス」は、海外売上比率が7割を超える立派なグローバル企業となっています。

戦後の危機感から始まった日本のグローバルスポーツ用品メーカー「アシックス」その創業経緯と決算数値を整理!

一方のミズノはどういう状態なのでしょうか。

 今回はミズノの決算で公表された数字を整理し、今後の展望について考えていこうと思います。 


「ミズノ」の歴史 

1906年、野球に熱い思いを抱いていた水野利八が弟利三とともに大阪で野球ボールと用品雑貨を主に扱う「水野兄弟商会」を創業。

 1910年「美津濃商店」に改名。1913年には関西学生連合野球大会(現在の全国高等学校野球選手権大会)を主催。現在の甲子園です。主催するというところがまたすごいですね。

1942年には「美津濃株式会社」に社名変更し、1962年には東証第二部上場を果たします。

東京オリンピックでは、各社としのぎを削りながら選手に自社商品を使ってもらうことに成功。(スポーツビジネスの歴史/オリンピックビジネスも今度書きたいです。) 

以前から海外マーケットのポテンシャルを認めていたミズノも以後世界展開を積極的に勧めていくことに。

 1972年には東証、大証第一部に指定変更を行い、1987年には社名表記を「ミズノ」に統一することとなります。


2006年以降の損益を見てみます。

売上はだいたい1500億円から2000億円のレンジで収まっており、利益は14億から80億のレンジで収まっています。

個人的にはスポーツブランドビジネスを行っている企業ということもあり、オリンピックイヤーの売上とそれ以外の売上の差があると思っていたので驚きました。

オリンピックに頼らない堅実な商品ラインナップがありそうです。


収益の内訳

続いて収益の内訳を見ていこうと思います。2013年を期に商品別売りわけの項目を統一し「フットウェア、アパレル、イクイップメント、サービス/その他」としています。



フットウェア、アパレル、イクイップメントと非常にバランスが取れた収益構造になっています。

次に国/地域別で見ていきましょう。

収益の大部分は日本で占められています。近年ではアジア地域の売上が少しずつ増えてきているのが見て取れます。

残念ながら、アシックス(海外売上3000億円)と比べると海外事業の規模には大きな差があります。

同時に、アシックスの日本の売上規模はちょうど1000億円ほどですから、1200億円を売り上げるミズノの方が日本国内での売上は大きいことも分かります。


財務状態

続いて、ミズノの財務状態を調べていきましょう。まずは資産の内訳です。

総資産は1500億で、そのうち現預金が140億となっています。

受取手形及び売掛金が多いのが特徴の一つかと思います。

次に、負債・純資産の内訳を見てみましょう。

直近の数字を見ると、利益剰余金は296億円、資本金と資本剰余金は合わせて580億円ほど、長期借入金が128億円、短期借入金が90億円ほどあります。

最後にキャッシュフローの推移です。

営業キャッシュフローがあまり安定しておらず、足りない部分は財務キャッシュフロー(株式発行・借入など)で補うという形になっています。


ミズノの今後

最後に2017年3月期の決算説明資料を見ていきましょう。(と言いつつも毎年そこまで多くの情報をネット上に公表していないのですが、、、)

大きな方向性として米州事業を安定させながらアジア市場を取りに行こうというものです。

とは言え中国ゴルフ工場でのリストラを実施するなど少し苦戦が見て取れる結果となっています。

ミズノの強みの一つであるゴルフ用品以外で人口ボーナスがあるアジアを狙っていこうということを明確に打ち出しています。 


ミズノの海外進出は、アシックスと比べると明らかに出遅れています。

これから、激戦区のアジアをどのように攻めていくのか(オリンピックをどう使うのか、選手のスポンサーをどう使っていくのか、どの競技を強くしていくのか)をこれからも注目していきたいと思います!!