マッキンゼー(前編)創業者ジェームズ・マッキンゼーの生涯
今回ご紹介するのは、経営コンサルティングの世界で絶大な存在感をほこる「マッキンゼー・アンド・カンパニー」の歴史である。
会社としての「マッキンゼー」の凄さは、今さら語るまでもない。2019年の売上高は105億ドルと言われ、2007年からの10年間で倍増した。経営コンサルティング自体、以下に示すように(2020年を除き)成長産業でもある。
売上規模ならもっと大きな会社はある。しかし、マッキンゼーのグループ社員は3万人程度。アクセンチュア(売上高443億ドル)は50万人超。(事業が違うので)単純比較はできないが、圧倒的に少ない。
日本でもマッキンゼー出身のベンチャー経営者が目立つ。エムスリーの谷村格氏を筆頭に、DeNAの南場智子氏、オイラ大地の高島宏平氏、ウェルスナビの柴山和久氏もそうだ。
マッキンゼーは、企業理念(バリュー)の一つに「優秀な人たちに比類のない就労環境を作り出す」ことを掲げる。トップ人材を惹きつける企業文化はどのようにして形成されたのだろうか。
今回のシリーズでは、創業者ジェームズ・マッキンゼーと、中興の祖とされるマービン・バウワーの生涯から、その歴史を紐解きたい。