SHIFT 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2166億3100万 円
銘柄コード 3697(市場第一部(内国株))

2005年、丹下大氏により設立。
2009年ソフトウェアテスト事業部を開設し、ソフトウェアテスト事業を開始。
2010年にはソフトウェアテスト適性能力を測定する「CAT検定」を公開。
2014年東証マザーズに上場。
現在はコンサルティング、テスト実行業務や自動テストのためのスクリプト作成、スキルのスコアリングから、プロジェクト体制の良否、仕様書等の評価などを行うヒンシツプラットフォームなどを展開。

沿革・会社概要

株式会社SHIFT(シフト)は、株式会社SHIFT及び連結子会社18社により構成されている。企業理念は「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」だ。「すべてのソフトウェアにMade in Japanの品質を」を合言葉に、ソフトウェアテストサービスを中心としたソフトウェア品質保証サービス全般を展開している。

SHIFTは主に製造向けのコンサルティングサービス提供を目的として、2005年に設立した。2009年11月にソフトウェアテスト事業部を設立し、ソフトェアテスト事業を開始する。2010年11月にソフトウェアテスト適性能力を測定する『CAT検定』、2011年4月に『ミンテス』をリリースし、2012年にはソフトウェアテストの教育サービスとして『ヒンシツ大学』を開講。その後、2014年10月に東証マザーズへ上場し、2019年10月に東証1部への市場変更を果たしている。

事業内容

SHIFTグループでは、単なる人材リソースの提供だけでなく、独自の方法論に基づき標準化された高品質かつ費用対効果の高いテストのアウトソーシングを実現している。多くのプロジェクトで培われたノウハウや膨大なデータに基づき、品質保証の観点に基づいてサービスを提供している。

ソフトウェア製品やサービスの企画段階では、要件定義・要件定義を行うコンサルティングや企画の基礎となる分析ツールの提供を行う。並びに、要件に基づいた開発の工程を経て、検証を行うテスト業務や性能改善、 脆弱性診断などで安定した品質を創り上げ、リリースされた後ではカスタマーサポートからマーケティング支援などを提供している。

顧客

SHIFTの事業は「エンタープライズ市場」と「エンターテイメント市場」を対象に展開されている。

エンタープライズ市場

「エンタープライズ市場」は、金融業、流通業、通信業、Webサービス業など大規模かつ社会基盤を支える業務システムや情報システムにおいて、ソフトウェアの品質保証に関するサービス全般を提供するものだ。ソフトウェアテスト工程をアウトソーシングする文化がない業界での挑戦のため、コスト効果などのメリットに基づく啓蒙活動を実施してきた。さらには、獲得するトライアル案件での顧客期待を上回る成果を出すことにより、信頼を獲得し新たなニーズを創造してきている。

具体的には、顧客企業に対し、これまで培った開発業界における企業情報、開発、不具合情報をもとに、それぞれの事業会社の要求を満たすための製造・ベンダーの選出をしている。並びに、ソフトウェアテストや品質保証の体制構築の支援、ソフトウェアテストに関する戦略、計画の策定支援、ソフトウェアテストの設計工程の受託などを行なっている。

システム開発計画段階からSHIFTグループのコンサルタントが参画する。その上で、体制・計画・教育までを含めた組織的ソリューションを品質向上・テスト作業効率向上の観点から提案実行、安定した品質の作り込みを実現することで、顧客企業の課題解決に貢献している。

エンターテイメント市場

「エンターテイメント市場」とは、モバイルゲーム、コンシューマゲーム、アミューズメントゲームなどを中心とした娯楽を提供する企業向けに、品質保証に関するサービス全般を提供するものだ。

エンターテイメント市場は、大手同業企業が既に市場開拓されたレッドオーシャンだという。しかし、最後発であるSHIFTグループは、競合他社との明確な差別化を図り、2013年の業界参画以来、新規顧客数、新規タイトル数とそれに伴った売上高など毎年堅調に伸ばしている。

経営方針

「新しい価値の概念を追求し、誠実世の中に価値を提供する」ことを企業理念とし、世の中の人が幸せになるサービスや事業を創造していくことを目指している。

経営指標

SHIFTグループは、経営上の目標の達成状況を判断するために、売上高成長率、営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)を客観的な指標としている。並びに、親会社株主に帰属する当期純利益や加重平均資本コスト(WACC)を念頭に経営している。

経営戦略

SHIFTグループは企業理念に基づき、売上高1,000億円に向け成長をさらに加速させ、ギアチェンジを行う新たな通過点として「SHIFT300」を策定している。創業以来、製造業における業務改善コンサルティングの知識を持ち、ソフトウェア開発分野における属人化された業務のプロセスを変革し、開発エンジニアとテストエンジニアの分業を進めてきた。それにより、開発エンジニアが開発工程に集中し、開発に専念できる環境を整備するなど、ITエンジニアの働き方を改革してきた。

今後は、安全・安心・快適で、無駄のないスマートな社会の実現に向け、「品質」の観点から多角的なサービス開発を行うことを目指す。その上で、開発工程の上流から下流までの工程における無駄をSHIFTグループに蓄積されたデータをもとに改善し、顧客のビジネススピードを変革していく方針だ。

対処すべき課題

SHIFTグループは、対処すべき課題として以下を掲げている。

営業展開

SHIFTグループが対面するソフトウェアテストの市場規模は約5兆円と推定される。しかし、顧客企業内においてソフトウェア開発者がテスト工程の業務を行なっているのが主流だという。そのため、ソフトウェアテストのアウトソース需要は拡大傾向にあるものの、日本国内で顕在化しているアウトソーシング市場は小規模なものにとどまっている。

こうした状況下、SHIFTグループは、既存の労働集約的なサービスだけでなく、仕組化・標準化されたソフトウェアテストサービスを提供することで、顧客のニーズを喚起し、アウトソース市場を掘り起こしてきた。さらに、注力業界である金融・流通業において、あらゆる企業へのサービス展開を目指すべく、営業体制の強化を図っていくとしている。

サービスラインナップの強化

今後さらに事業を拡大、特に金融業等の規模が大きい市場での事業の拡大を実現するためには、各業界における高度な業務知識の拡充、サービスラインナップの強化が重要な課題だとしている。

そこで、こうした課題に対応するために、金融業・流通業などの各注力業界に精通したプロジェクトマネージメントやコンサルティングスキルに長けた専門性が高く優秀な人材の確保、育成を進めていくとしている。

海外展開

海外のソフトウェア開発市場は日本よりも大きく、ソフトウェアテストのアウトソーシング市場の顕在化も進んでいる。

そのため、サービスの海外展開は長期的な成長を実現するための取り組むべき課題だいう。SHIFTグループでは、海外会社を設立し、日本で培ったソフトウェアテストのノウハウに基づき、コスト競争力に優れたリソースを利用したサービスの開発を進めてくとしている。こうしたサービスの準備が整い次第、北米などの主要なソフトウェア開発市場へ進出を図っていく方針だ。

企業ブランドの醸成と新規事業展開

SHIFTグループは、標準化された高品質なサービス提供によって業務アプリケーション領域におけるソフトウェアテストのリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあるという。一方で、品質を軸として積極的な事業展開を行い、新しい価値を創造する企業としてのブランドを醸成していくことが重要な課題だとしている。

こうした課題に対応するため、収益の柱としてのソフトウェアテストサービスの提供を拡大させる一方で、開発工程の上流からサービスを提供することで開発全体の品質保証を図るべく領域の拡大を目指している。既存事業との関連性、収益性、社会性、従業員の士気向上への影響を考慮した上で、新規事業に積極的に投資し、「スマートな社会」の実現に向けて、SHIFTグループのポジショニングを強化していく方針だ。

その他、「人材採用力の強化」、「内部管理体制の強化」を対処すべき課題に掲げている。


2019年8月期 有価証券報告書(提出日:2019年11月28日)