クロス・マーケティンググループ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 144億3900万 円
銘柄コード 3675(市場第一部(内国株))

株式会社クロス・マーケティンググループは東京都新宿区に本社をおく企業。2003年インターネットを用いたリサーチ事業を目的に設立。同年アクシブドットコム(現:VOYAGE GROUP社)と、アンケートモニター募集に関して業務提携。2008年東証マザーズに上場。現在はインターネットでのマーケティングリサーチサービスのほか、ヘルスケア・メディカル領域や顧客行動分析など様々な領域でのリサーチを展開。その他、バンガロール、シンガポール、タイ王国などに本社をおくグループ企業を持つ。


事業内容とビジネスモデル

沿革

(株)クロス・マーケティンググループは、2003年4月インターネットを用いたリサーチ事業を目的として、東京都渋谷区において設立。同年10月には(株)アクシブドットコム(現:(株)CARTA HOLDINGS)とアンケートモニター募集に関する業務提携をはじめる。

2006年3月、簡易集計アプリケーション「REAL CROSS」を、同年4月にはブランド名「research.jp」を冠してのネットリサーチサービスを提供開始。2007年3月には(株)電通リサーチ(現:(株)マクロミルインサイト)と(株)ビデオリサーチと資本提携を行い、2008年1月には顧客が独自にデータ集計・グラフ作成などができる簡易集計アプリケーション「REAL CROSS 2」を提供開始。同年10月、東証マザーズへ上場を果たす。

2009年10月、オンライン集計・分析ツール「research.jp」を提供開始し、2010年9月には北海道岩見沢市にデータセンターを開設。2011年1月は大阪に西日本営業所を開設するなど、拠点拡大を推進。

2012年2月からはCross Marketing China Inc. (現:Kadence International Inc.(China)、現連結子会社)を設立し、海外への進出も進めている。

2013年6月、株式移転のため(株)クロス・マーケティングが東証マザーズを上場廃止し、(株)クロス・マーケティンググループの普通株式を東証マザーズに上場。その後も多数の連結子会社の設立や株式取得などを進める。

2018年3月には東証一部へ指定替えを行い、その後もからだラボラトリー(株)、(株)クロスベンチャーズ、Kadence International Inc.(Philippins)などの設立や、連結子会社による(株)ユーティル、サポタント(株)の吸収合併などを行うことで、事業拡大を続けている。

事業の内容

「リサーチ事業」・「ITソリューション事業」・「プロモーション事業」の3つの事業を主としている。

まず主力サービスである「リサーチ事業」では、マーケティングリサーチに関する事業全般を行っている。「リサーチ事業」は大きく「定量調査」・「定性調査」・「その他の調査」の3つに分けられる。

定量調査には、インターネットリサーチ、郵送調査、電話調、CLT調査(指定の会場で行うアンケート)、モバイル調査、ホームユーステスト(商品を調査協力者の自宅に届けて行う調査)」の6つの手法があげられる。定性調査には、フォーカスグループインタビュー(5~8名ほどの座談会形式でのインタビュー)、デプスインタビュー(1on1でのインタビュー)、ホームビジット(自宅や会社訪問でのインタビュー)、ジョップアロング(カ買い物などへ同行してのインタビュー)、アイトラッキング調査(視線の動きの計測)」の5つの手法があげられる。その他には、海外調査(世界85カ国で調査可)やID-POSデータ(POSデータをベースとしたリサーチ)といった手法があげられる。

また、この「リサーチ事業」には4つの特徴がある。1つ目は「サポート体制」である。セールス、リサーチャー、ディレクターなどの顧客と接する担当者が、課題解決をサポートする体制を組んでいる。2つ目は「クオリティ」である。回答負荷の軽減を意識した画面づくり、的確なターゲット選定のための配信設定、精度の高いデータクリーニングによってクオリティを維持している。3つ目は「スピード」である。画面の作成、配信、データの納品までをスピーディに対応することで、アンケート等を最短24時間で納品可能としている。そして4つ目の「モニター」では、国内最大規模である473万人超のアンケートモニターが利用できる。モニターは基本属性だけではなく、シニア/携帯電話利用/自動車保有/化粧品利用といった約20のカテゴリーに分類されており、対象者を限定した調査もスムーズに行うことができる。

マーケティング・リサーチの流れは、課題整理(背景・目的のヒアリングや調査手法の整理)、調査企画・設計(調査表作成のサポート)、調査実施、集計・分析、レポート、ディスカッション(解決のためのアクション推進)の順で行われる。

当事業の顧客については、調査結果の最終ユーザーは一般事業会社などであり、受注経路は調査会社・コンサルティング会社・広告代理店を通じて受注する場合と、一般事業者などから直接受注する場合の2通りがある。

登録モニターについては、モニターとの窓口業務であるアンケート参加依頼や謝礼の支払い、モニター属性のメンテナンスなどをモニター管理会社である(株)リサーチパネルが行っている。

(株)クロス・マーケティンググループは(株)リサーチパネルに対して、モニターへの対価である委託手数料を支払い、同社のアンケート専門データベースに登録されたモニターをアンケート回答者として利用している。

また、一般のインターネット利用者のモニター登録への誘導は、親会社である(株)CARTA HOLDINGS(旧:(株)VOYAGE GROUP)と(株)クレディセゾンによって行われている。(株)CARTA HOLDINGSは、同社の運営する総合オンラインショッピングサイト「ECナビ」の会員に向けて、(株)リサーチパネルに会員登録するよう勧誘を行っている。また(株)クレディセゾンとは、同社の会員の中でアンケートへ参加する会員を、(株)リサーチパネルが運営する「永久不滅リサーチ」の登録モニターとして利用する契約を結んでいる。

(株)リサーチパネルでは品質管理のため、会員登録情報の毎年更新、悪質な不正回答者の登録抹消などを行っている。

2つめの事業「ITソリューション事業」では、モバイルやスマートフォンを中心としたマーケティング・企画から、開発・運用・プロモーションまで、サービスに必要な機能をワンストップで提供している。

提供サービスは、「Webサイト構築」・「スマートフォンアプリ開発」・「各種ツール・パッケージの提供」・「調査・分析」・「運用アウトソーシング(コンテンツ更新やメルマガ配信など)」・「インフラ・サーバ構築、運用」・「Webプロモーション」・「セキュリティ対策」があげられる。   3つめの「その他の事業(プロモーション事業)」については、デジタルマーケティング、プロモーションサービスの販売・提供などのマーケティング支援に関する事業を行っている。    

経営方針

「事業創造」を経営理念として掲げ、リサーチ事業およびITソリューション事業周辺の新しいサービスメニューの開発・提供や、全く新しいビジネスモデルの創造を行っていくとしている。

そのため、「ポジティブネス」「イマジネーション」「リーダーシップ」の3つの価値観を社員一人ひとりが共有することを徹底している。そして、顧客、株主、従業員、社会などのあらゆるステークホルダーから常に信頼される経営を行い、継続に成長することで広く社会貢献する企業グループを目指す。

経営指標

(株)クロス・マーケティンググループでは、持続的な企業価値向上が株主に対する責任であると考え、経営に委託された資本を最も効率よく活用するために、適正資本構成を維持した上でのROEを最重要経営指標として位置づけている。一方で、同社は成長段階にあることから、売上高成長率、経常利益率も意識した経営に取組む。

中長期的な経営戦略

事業領域と事業エリアの積極的な拡大を進め、アジアNo.1に向けた土台作りを推進してきた。

その上でグループ全体としては、新たな成長のための体制構築を進めており、成長を牽引しているITソリューション事業、その他の事業への投資を進めている。主力である国内リサーチ事業についても、デジタルマーケティング領域、ビッグデータ領域における取り組みに注力することで受注を拡大。メディカル・ヘルスケア領域においても堅調に推移している。

2020年度以降は「デジタルトランスフォーメーション」をキーワードに、ITソリューション事業を含むデジタルマーケティング領域への積極的な投資を行う。また、主力である国内リサーチ事業においては、業務の効率化・生産性向上のため、システム投資やBPO(Business Process Outsourcing)、BPR(Business Process Re-engineering)を推進。既存顧客からの新たな需要の掘り起こしや新規顧客開発も進める方針である。

海外リサーチ事業においても、一定の収益確保を目指すとともに、改めて成長可能な事業構造・組織体制の構築を推進。グループ全体として、着実な業務拡大による売上高の拡大、付加価値の向上、生産性の高い事業構造構築を進めていくとしている。

なお人材の確保と育成については、(株)クロス・マーケティンググループの事業に大きな参入障壁がないことから、今後も激しい競争下におかれるものとしている。今後も更なる成長を遂げるために、様々な能力を持つ優秀な人材を確保・育成していき、海外のビジネス開発などを担える人材の採用を進める。また、人材育成の研修実施や人事評価制度、給与制度の見直しを図るとともに、経営トップの後継者計画の立案、実行も進めていく方針である。