コメダホールディングス 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 917億3300万 円
銘柄コード 3543(市場第一部(内国株))

コメダホールディングスは名古屋市に本社をおく企業。
1968年、創業者加藤太郎氏が喫茶店「コメダ珈琲店」を開店。
1977年より名物商品「シロノワール」の販売開始。
1999年甘味喫茶「おかげ庵」を開店。2014年には国内600店舗を達成。
2016年東証一部に上場し、700店舗に到達。
「コメダ珈琲店」「甘味喫茶 おかげ庵」ともにフルサービス型(セルフサービスではない)である点が特色。

企業概要

コメダホールディングスは、持株会社としてグループの経営管理及びそれに付帯又は関連する業務等を行っており、グループはコメダホールディングスと連結子会社3社で構成されている。

「私たちは“珈琲を大切にする心から”を通して顧客に“くつろぐ、いちばんいいところ”を提供します」というグループ経営理念のもと、顧客を最優先に考えている。そして居心地の良いお店作り、コーヒーやパンなどの食材の品質・信頼性の向上、清潔で快適な環境を保つことに努めている。また、ユニークな店舗設計・FCシステム等の強みにより、外食市場における独自のポジションを確立し、FC加盟店を中心に全国でフルサービス型の喫茶店のチェーン展開を行っている。

株式会社コメダは、「珈琲所コメダ珈琲店」及び「おかげ庵」のブランドで喫茶店のFC事業を展開している。FC加盟者に対し、独自データでの調査による出店物件選定、店舗建物・内装等の設計施工ノウハウ提供、喫茶店運営指導、食資材の製造・卸売、店舗建物の転貸等を行っている。また、FC加盟店を含む人材の育成及びモデル店舗として直営店を出店している。

事業の特徴・強み

コメダホールディングスは「独自フォーマットでの高付加価値提供による、店舗の集客力と成長性」と、「長期安定的なFC店舗の収益性」「独自のFCシステムによる、本部の安定した高収益力とキャッシュ・フロー創出力」を強みとする。

独自フォーマットでの高付加価値提供による、店舗の集客力と成長性

コメダ珈琲店では、顧客の「くつろぎ」を最優先に店づくりを行っている点である。これは「コメダで過ごす時間」において価値を提供する時間消費型のビジネスである。接客においては、自然で心のこもった接客で顧客をもてなしするよう努めている。また店舗に多数の新聞・雑誌を設置し、顧客がゆっくりとくつろげる環境を整えている。さらに、材料・製法にこだわった自社製のコーヒー・パンを店舗でひと手間をかけて提供、また定番商品中心の親しみやすいメニュー構成により、子どもからお年寄りまで幅広い顧客層を獲得している。そして、郊外の住宅街に広い駐車場付の店舗を構え、手ごろな価格と気取らずにくつろげる雰囲気で近隣住民のリピート来店を獲得している。

長期安定的なFC店舗の収益性

コメダホールディングスは、近隣住民の日常利用による多頻度来店を実現しているため、景況感に左右されづらい安定した売上を実現している。また、郊外立地であり地代・賃料が低いこと、また食材の共通利用が多く無駄のないメニュー構成や、オペレーション負荷が低く店舗の人件費コントロールが比較的容易なことにより、長期的に安定した利益獲得が可能である。

独自のFCシステムによる、本部の安定した高収益力とキャッシュ・フロー創出力

顧客の日常的リピート来店により。コメダホールディングスの店舗売上は安定的に推移している。また、定番商品主体のメニュー構成や負荷の低い店舗オペレーションにより、FC本部のマーケティングや店舗管理・指導の負荷が低くスリムな本部機能を実現している。そして、全店舗に占めるFC店舗の割合が高くFC本部の設備投資負担が低いため、FC本部は強いキャッシュ・フロー創出力をもっている。

製品・商品

コメダホールディングスは“珈琲を大切にする心から”の精神を基軸にした商品展開を行っており、常にメニューの中心にコーヒーを据えている。さらに、パンは品質にこだわり研究開発を重ねた自社生産品である。自社工場にて、厳選した素材を独自の製法で加工し、毎日店舗に配送している。コメダ珈琲店では、看板メニューのシロノワール、ブーツ型のグラスに入ったユニークなドリンク、ボリュームたっぷりで満足感のあるスナックなどを提供している。また、高品質で親しみやすい定番商品中心のメニューを顧客に提供することで、常に顧客に価値を感じていただけるよう努めている。おかげ庵は、和の甘味を主体として、ゆっくり落ち着いて楽しむことができるフルサービス型の喫茶店である。メニューとして、こだわりの甘味、季節感いっぱいの季節限定商品、懐かしさいっぱいの鉄板焼きスパゲティー、顧客ご自身で焼けるお団子などを提供している。

店舗_サービス

コメダホールディングスは顧客の「くつろぎ」を最優先した店づくりを行っており、店舗の設計や顧客へのサービスなど、細部にわたり顧客のくつろぎや使いやすさを追求している点である。店舗は温もりが感じられるログハウス調の建物で、高い天井や大きな採光面など明るく開放的な空間が特徴である。座席スペースはゆとりをもって設計され、適度な席間距離や間仕切りによりプライベート感を確保している。接客サービスは、顧客を席に案内して水とおしぼりを提供、注文も商品提供も店員が顧客のお席に伺うフルサービス型となっている。

その他、新業態

コメダホールディングスは2017年9月より「コメダ謹製やわらかシロコッペ」の出店を開始した。やわらかシロコッペは小規模スペースで自社製造のコッペパンを販売する新業態店である。また、2018年3月より出店を開始している、飲料と自社製造のコッペパンを販売する「コメダスタンド」がある。さらに、2019年10月に沖縄県南風原町に出店石窯パン工房ADEMOKは、小売ベーカリーのほか、沖縄県のコメダ珈琲店にパンを供給している。

経営方針・経営環境

コメダホールディングスグループはこれからの成長を見据えて、50周年を契機に2018年度から“心にもっとくつろぎを”プロジェクトを開始した。また、経営方針を店舗運営にとって一番大切なQSC(信頼の品質、スピーディで心地よいサービス、清潔で快適な環境)のそれぞれの概念を進化させ、Q:もっといいもの、S:もっといいこと、C:もっといいところ、と定め経済価値の向上と社会課題の解決に貢献すべく企業活動を行っている。

対処すべき課題

グループを取り巻く外食産業は、個人消費が依然として低迷していることに加え、昨年の消費税増税以降、消費マインドが冷え込んでいる。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の収束時期が見通せないことなど不確定要素が多く、より一層厳しい経営環境が続くと予測される。

このような経営環境の中、経営方針QSCのもと、主力のコメダ珈琲店における既存店収益力の強化と継続的な新規出店による成長を図るとともに、新業態の開発を進めていく方針である。なお、具体的な施策は以下の9つとなっている。

第1に、 新型コロナウイルスによる感染症対策である。顧客へのサービスについては、テイクアウト商品の店頭販売及びパンを含む物販の強化を開始したほか、Uber Eatsや出前館のテイクアウトデリバリーサービスを開始している。また自前による出前サービスへの挑戦、ドライブスルーサービスへの取り組みを検討し、顧客の様々な利用形態に対応していく方針である。

第2に、コーヒー・パンを含む食材の安定供給である。グループの強みは、自社でコーヒー及びパンの製造設備を保有し、各店舗に毎日提供するサプライチェーンにある。店舗が全国に拡大している中、安定供給が可能な体制を構築するため、2015年に千葉県に建設したパン工場に引き続き、コーヒー工場についても同エリアに新設し、2018年8月より稼働している。出店エリアの拡大については、物流体制の最適化による安定的で効率的な商品供給を実現していく方針である。

第3に、食の安心・安全に向けた取り組みである。外食産業においては、食の安心・安全に関する社会的要求が非常に高くなっている。グループにおいては、品質管理規程に基づき、食品衛生法、JAS規格、その他の関連法規及び条例を遵守している。

第4に、 既存店収益力の強化である。グループにとって、既存店の収益力強化は極めて重要な課題と考えている。顧客の店舗体験価値のさらなる向上のためQSC強化に取り組むとともに、“心にもっとくつろぎを”感じて貰うために、看板商品や定番商品の改良、販促活動、デジタル化による顧客の利便性向上等に取り組む方針である。

第5 に、フランチャイズ本部機能の充実である。店舗数の拡大並びに業容の拡大に応じ、スーパーバイザーの採用・育成の強化、リスク管理、コンプライアンス遵守の体制、内部統制システムなど本部機能強化に努めていく。

第6 に、ブランドロイヤルティの向上である。今後も地元の顧客に愛され、地域社会の活性化の役に立てるよう店舗運営を磨くとともに、ファン顧客による座談会や試食会を行うコメダ部の活動を通じて、顧客の声をサービスや商品開発に活かしていく方針である。

第7 に、新規出店の継続と出店エリアの拡大である。継続的な成長を遂げるためには、効果的な新規出店が重要であると考えている。FC加盟店の店舗展開を軸に、出店余地のある東日本エリア、西日本エリアへの出店を引き続き強化し、優良物件の確保に注力していく。

第8に、新業態・新ビジネスの開発である。グループの強みを補強するノウハウや資産を有している企業またはシナジーが期待できる企業に対するM&A機会を検討していく方針である。

第9に、コーポレート・サステナビリティ活動への取り組みである。特定したマテリアリティ13項目を、社員やFC加盟店で働く方々になじみのあるQSCに分類し、日常の活動に浸透させることによって、経済価値の向上のみならず、社会課題の解決を果たしていく方針である。