アスクル 事業内容・ビジネスモデル

フォロー
時価総額 1873億5300万 円
銘柄コード 2678(市場第一部(内国株))

1990年、事務用品メーカー「プラス(株)」にて文具の10年後を考えるブルースカイ委員会が発足。
これが原型となり、1993年にオフィス用品のカタログ販売を行うアスクル事業部がスタート。
1997年にはインターネットによる受注を開始し、アスクル(株)を設立。
2000年JASDAQに上場。2004年東証一部に指定。
2012年にヤフーと業務資本提携を結んだのち、2015年8月にはヤフーの子会社化。

沿革・会社概要

株式会社アスクルグループ(ASKUL Corporation)は、株式会社アスクル及び連結子会社10社により構成されている。企業理念は「お客様のために進化するアスクル」だ。主な事業はeコマース事業で、OA・PC用品、オフィス生活用品、オフィス家具、食料品、酒類、医療薬品、化粧品、MRO商材、ペット商材の販売を行っている。

1993年にアスクルの前身であるアスクル事業部が、オフィス用品の中小事業所向けカタログ通信販売を目的とする新規流通事業部門として、メーカーであるプラス株式会社の中で発足した。

1997年に、通信販売業としての位置づけを明確にするために、プラスから分社した。2000年に東証JASDAQへ上場、2004年に東証1部へ上場。その後、親会社であったプラスは、2009年にアスクルの自己株式公開買付において保有株式一部売却を行い、親会社からその他関連会社に異動、2014年に再び株式の一部売却を行い、その他関連会社から異動している。

事業内容

アスクルグループの報告セグメントは「eコマース事業」、「ロジスティック事業」の2セグメントだ。

eコマース事業

「eコマース事業」では、OA・PC用品、オフィス生活用品、オフィス家具、食料品、酒類、医療薬品、化粧品、MRO商材、ペット商材の販売を行っている。販売チャネル別では、BtoB事業とBtoC事業に区分される。

BtoB事業の主な内容は、インターネット経由並びにFAXの注文によるオフィス現場用品の翌日配送サービスだ。このサービスを支える販売システムは、アスクルと顧客との間にアスクルシステムの販売店を置くことで、顧客の新規開拓や債権管理をエージェントが担当するという独自のビジネスにより構築されている。顧客からの注文情報は、アスクルが直接受け付け、商品はアスクルから顧客に発送するが、購入代金はエージェント経由で回収する。これによりエージェントは、顧客とアスクルからの仕切り価格の売買金額を利益として得る一方、アスクルは顧客開拓や代金回収コストを削減できる。

BtoC事業では、一般消費者向け通信販売サイト『LOHACO(ロハコ)』において、BtoB事業で提供してきた事業所に対するオフィス現場用品の翌日配送サービスを、一般消費者向けに展開している。業務・資本提携契約を結んでいるZホールディングス及びヤフーとノウハウや人的リソースを結集している。

その上で、BtoCの通信販売事業者と比較して価格、商品質、配送等の点で優位性を有するeコマース事業の構築に取り組んでいる。連結子会社のチャームは、ペット・ガーデニング用品の品揃えに強みを持つ。グループで協業していくことにより、『LOHACO』においてはペット用品の取り扱い商品数が拡大し、多種多様なライフスタイルを持つ消費者ニーズに対応することで、売上高の拡大を図っている。

ロジスティック事業

「ロジスティック事業」では、eコマース事業で培った物流ノウハウを活かし、メーカー等の通販商品の保管、物流、配送の請け負いなど、企業向け物流・小口貨物輸送サービスを行っている。並びに、集荷エリアを東名阪に特化し、配送手段のメインを自転車とする「エコロジー&エコノミー」な新発想の宅配便を展開している。

上記の2セグメント以外に、嬬恋銘水が水の製造販売を行っている。

経営方針

オフィスに必要なものやサービスを「迅速かつ確実にお届けする」トータルオフィスサポートサービスにおけるパイオニアとして事業開始以来、中小事業所から大手企業まで多様なニーズに応えている。その結果、アスクルグループは圧倒的No.1の地位を確立している。加えて、社会構造・生活環境の変化等による一般消費者向けeコマースのニーズ拡大を受け、2012年に一般消費者向けインターネット通信販売サイト『LOHACO』のサービスを開始した。

アスクルグループは「いつでも、どこでも、誰にでも、欲しいものを欲しいときにお届けする革新的生活インフラを、最もエコロジーな形で実現します。」というミッションを掲げている。そのミッションに基づき、アスクルグループの強みである物流・配送とマーケティング力を更に強化していく方針だ。

経営戦略

アスクルグループは、BtoB事業、BtoC事業、プラットフォームそれぞれで経営戦略を掲げている。

BtoB事業

BtoB事業においては、あらゆる業種にサービスを提供している強みと拡大するBtoB市場で圧倒的No.1のサービスを提供できるインフラを有している。そのため、コロナウイルス感染症拡大等で環境が激変するBtoB市場においても、あらゆる業種・規模の顧客に対するサービスを継続して進化させていく方針だ。きめ細やかなサービスの提供やテクノロジーを活用した進化により、働く人のライフラインとして全ての仕事場で圧倒的No.1を目指す。

BtoC事業

BtoC事業においては、2022年度営業利益の黒字を実現するために、構造改革を推進している。収益改善のポイントは、独自価値商品の拡充等による売上総利益率の向上、物流変動費の改善、固定費削減だ。営業利益黒字達成後は第2成長を目指す。並びに、BtoB事業とBtoC事業の売上拡大によるスケールメリットを生かした原価低減やBtoB事業の配送ネットワークの活用等による品質向上により、収益性の飛躍的な向上を実現するとしている。

プラットフォーム

アスクルの事業を支えるプラットフォームで、利益の源泉である物流センターの新設等については、継続的に行なっていくとしている。顧客サービス品質向上、在庫配置や梱包・補充作業の平準化施策によるコスト低減、最新鋭設備導入に伴う省人化による物流生産性の向上を進め、全体最適視点で連結物流比率を低減していく方針だ。

経営指標

アスクルグループは、事業本来の収益性を重視する。市場シェア拡大とオリジナル商品・高付加価値商品の拡充による売上総利益率の改善と継続的なコスト構造改革によるローコストオペレーションを同時に実現し、売上高営業利益率の向上を目指している。加えて、株主重視の経営という観点から企業価値を高めるため、中期におけるROE及びEBITDAの向上に努めている。

対処すべき課題

対処すべき課題としては、以下の3つを掲げている。

第1はBtoB事業における「データやテクノロジーを活用・駆使し、全ての働く人に支持されるWEBサイトの進化、商品開発、ロングテール商品の拡大」だ。成長を続けるeコマース市場において、ビッグデータ、AI等を駆使し、DXを推進することで、顧客が求める商品を最も早く探せるWEBサイトへの進化を継続していくとしている。

第2はBtoC事業における「構造改革の推進および第2成長の実現」だ。収益改善を伴う新たな第2成長を実現するために、抜本的な構造改革に注力するとしている。

第3は「「エシカルeコマース」の実現」だ。社会構造の変化に伴う社会システムの見直しや健康志向のさらなる高まり、オフィスでの働き方、一般消費者の生活様式の変化に対応するため、新たな価値創造を進めていくとしている。


参照 有価証券報告書(提出日:2020年8月7日)