松井証券 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2149億3000万 円
銘柄コード 8628(市場第一部(内国株))

松井証券株式会社(MATSUI SECURITIES CO.,LTD.)の前身である松井商店設立は1931年設立。1948年に証券業登録を行う。 1997年に国内初の本格的インターネット取引『ネットストック』を、1998年には国内初のインターネットによる信用取引を開始。2000年に松井証券株式会社に商号変更。 2001年8月、東証一部上場。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

1931年3月、松井証券株式会社(MATSUI SECURITIES CO.,LTD.)の前身である松井商店設立が設立された。その後、1948年8月に証券業登録を行う。 1997年2月、国内初の本格的インターネット取引『ネットストック』を、1998年5月には国内初のインターネットによる信用取引を開始した。

2000年6月、松井証券株式会社に商号変更をする。 2001年8月、東京証券取引所市場第一部に上場する。

上場後も松井証券は投資家向けに様々なサービスを展開しており、例えば、2003年7月、無期限信用取引を開始した。また、2015年2月にはデイトレード限定の先物取引『一日先物取引』を導入。さらに2019年12月には投資信託の販売手数料を完全無料化した。

事業の内容

松井証券は、個人投資家を対象とした株式ブローキング事業を主たる事業とし、オンライン証券取引サービスを提供している。具体的には、株式及び先物・オプションの委託売買業務、引受け並びに募集及び売出しの取扱、投資信託の販売、FX(外国為替証拠金取引)等のサービスを提供している。

会社の経営の基本方針

松井証券は、「個人投資家にとって価値のある金融商品・サービスを提供することを通じて、お客様の豊かな人生をサポートすること」を企業理念として掲げ、「顧客中心主義」を組織共通の価値観としている。

中長期的な会社の経営戦略

松井証券は中長期的な会社の経営戦略として、「株式ブローキング業務の強化」「商品・サービスの拡充」の2点をポイントに挙げている。

株式ブローキング業務の強化

松井証券は、オンラインベースの株式ブローキング事業をコア事業として注力している。引き続き、オンライン証券業界における個人の株式等委託売買代金シェアを維持・拡大するため、今顧客満足度の向上に資する付加価値の高い 商品・サービスの開発・提供に取り組み、顧客基盤の強化を図っていく方針だ。

商品・サービスの拡充

松井証券の主たる収益源である株式ブローキング事業は、取引頻度が高い一部の顧客に依存しており、その結果、株式市況と業績との連動性が高い状況にある。この状況下では、長期的な事業環境の変化に対応するためには、業容の広がりが不可欠となっている。そのため、低コストで効率的なオペレーション体制を維持しつつ、オンラインベースでの商品・サービスの拡充を積極的に進める方針だ。また、松井証券にはない技術やノウハウを必要とする事業については、フィンテッ クベンチャー等の外部企業との提携を積極的に進めていく。

優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

松井証券は優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、「顧客基盤の拡大」「認知度の向上」「 取引システムの安定性の確保及び取引ツールの拡充」「コンプライアンス体制の強化及び顧客サポート体制の充実」「低コスト体制の維持」の5つを挙げている。

顧客基盤の拡大

松井証券を含むオンライン証券会社は、口座数ベースでは幅広い顧客基盤を有しているように見えるが、口座数全体に対する稼働口座数の比率は低く、取引頻度が高い一部の顧客に収益の大半を依存している。そのため、顧客の裾野拡大に継続して取り組むことが今後の課題となっている。

松井証券は、2019年度においては、ウェブサイトで提供している投資情報コンテンツをリニューアルし、株主優待や投資信託に関する情報提供を強化をしてきた。併せて、投資初心者も手軽に利用できるウェブサイト作りや、投資初心者向けのセミナーの開催や各種イベントへの出展など、顧客の裾野拡大に取り組んできた。

他方、対面型の証券会社に預けられている個人投資家の金融資産は継続的にオンライン証券業界に流入し、個人株式保有額に占めるオンライン証券会社顧客の割合は年々拡大している。

そこで松井証券としては、取引頻度が高い顧客向けのトレーディングサービスとして株式、先物、FXを継続して強化するとともに、将来に向けて資産形成を目指す顧客に向けた商品である投資信託にも注力していく。2019年度にサービスを開始した移管手数料負担サービス等を通じて、投資信託の分野においても、対面型の証券会社からオンライン証券会社への顧客及び資産の流入推進に取り組み、新たな顧客層の獲得を図っていく。

認知度の向上

松井証券のコアとなる顧客層は50歳以上の個人投資家であり、口座数全体の半数、顧客の預かり資産残高全体の8割近くを占めている。このような状況は、オンライン証券業界のみならず、個人向けの金融サービスを提供する業界全体に共通する傾向と考えている。 一方、松井証券における新規口座開設者の内訳をみると、若年層の流入もあるが、長期的な顧客層の維持・拡大のためには、特に現在の若年層における認知度の向上は重要な課題である。今後も継続的に松井証券のブランド・知名度の向上に取り組んでいく。

取引システムの安定性の確保及び取引ツールの拡充

取引システムの安定性の確保は、オンライン証券会社の生命線だ。顧客が安心して取引することができるよう、システム障害やサイバー攻撃といった想定されるリスクへの対策を講じるとともに、取引量の増加に備えたキャパシティを確保し、取引システムの安定的な稼働に努めていく。また、取引ツールについてもIT技術の進化・普及等を踏まえて拡充し、個人投資家の取引スタイルの変化に応じた取引環境の提供に努めていく。

コンプライアンス体制の強化及び顧客サポート体制の充実

松井証券は、金融機関としての信頼性の維持・向上に資するコンプライアンス体制について、より一層の強化に努めていく。また、商品・サービスの拡充に伴う業容拡大に対応するため、店舗を有しないオペレーションの特殊性を踏まえ、コールセンターを通じた顧客サポート体制についても更なる充実を図る方針だ。

低コスト体制の維持

証券業の業績は、株式市場の動向に大きく左右されるため、松井証券の主たる収益源である株式等委託手数料収入や金利収入の振れ幅は比較的大きいといえる。

業界における各種取引手数料は、最低水準にまで低下し、この数年、顧客の争奪に係る手数料引き下げ競争は落ちついてきた。しかし、米国のオンライン証券業界における株式委託手数料の全面無料化の動きを受けて、日本においても、株式委託手数料の一部を無料とする動きや、既に無料としている取引の対象を拡大する動き等が広がった。

また、異業種やフィンテックベンチャーによる新規参入が相次いでいることなどを踏まえると、再び価格競争が生じる可能性は否定できない。そのような中で継続的に利益を生み出すためには、低コスト体制の維持が不可欠であり、引き続きコスト管理について厳格に取り組んでいく。


参照 有価証券報告書(提出日:2020年6月26日)