野村ホールディングス 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆5695億7100万 円
銘柄コード 8604(市場第一部(内国株))

野村ホールディングス株式会社は東京日本橋に本社をおく金融持株会社。1872年に初代野村徳七が始めた両替商「野村商店」が発祥。1925年に株式会社大阪野村銀行の証券部を分離して設立。翌年より公社債専門業者として営業を開始。1938年には株式業務、1941年には国内初となる投資信託業務の認可を受けた。営業、アセット・マネジメント、ホールセールという3つの部門が横断的に連携し、国内外でサービスを提供。


事業内容とビジネスモデル

沿革

野村ホールディングス株式会社は東京中央区日本橋に本社を置く金融グループ。1872年に初代野村徳七が始めた両替商「野村商店」を発祥とする。1925年12月、株式会社大阪野村銀行の証券部から分離して設立。翌年1月に公社債専門業者として、本店を大阪府大阪市に置き営業を開始した。1927年、ニューヨーク駐在員事務所を設立。1938年に国内における株式業務の認可を受け、1941年には日本最初の投資信託業務の認可を受けた。1946年、本店を東京都に移転し、1948年11月、日本国内における証券取引法に基づく証券業者として登録。翌年4月には東京証券取引所正会員となり、1961年には、東証、大証および名証に上場した。

1961年に香港で証券業現地法人としてノムラ・インターナショナル(香港)LIMITEDを設立。その後もニューヨーク市にノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルInc.(1969年)を、ロンドンにノムラ・インターナショナルLIMITED(1981年)を、ニューヨーク市に米州持株会社のノムラ・ホールディング・アメリカInc.(1989年)を、アムステルダムにアジア持ち株会社としてノムラ・アジア・ホールディングN.V.(1990年)を設立するなど、続々と海外の証券業現地法人を設立している。

1993年8月に野村信託銀行株式会社を設立し、1997年に株式会社野村総合研究所のリサーチ部門を移管し金融研究所を設立。1998年に改正証券取引法に基づき総合証券会社として登録した。

2001年10月、会社分割により証券業その他証券取引法に基づき営む業務を野村證券分割準備株式会社に承継させ、持株会社体制に移行。これに伴い、社名を野村ホールディングス株式会社に変更した。また、同年12月には、野村ホールディングス株式会社がニューヨーク証券取引所に上場。同月に株式会社野村総合研究所が東証に上場した。

2008年、リーマン・ブラザーズのアジア・パシフィックならびに欧州・中東地域部門の雇用等を承継。2017年には、株式管理事業の一部を野村アジアパシフィック・ホールディングス株式会社へ会社分割により承継。これに伴い、ノムラ・アジア・ホールディングスN.V.に代わって、野村アジアパシフィック・ホールディングス株式会社がアジア持株会社となった。そして2018年にはマーチャント・バンキング部門を新設し、野村キャピタル・パートナーズ株式会社を設立した。 2020年3月末時点で、連結子会社の数は1,342社、持分法適用会社数は13社となっている。

事業内容

野村ホールディングスおよび連結子会社等は、主な事業として、証券業を中核とする投資・金融サービス業を営む。内容としては、日本と世界の主要な金融・資本市場を網羅する営業拠点等を通じて、顧客に対し資金調達、資産運用の両面で幅広くサービスを提供している。

具体的な事業として、有価証券の売買等および売買等の委託の媒介、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集および売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱い、自己資金投資業、アセット・マネジメント業、そしてその他の証券業や金融業などを行っている。

なお、野村ホールディングスは特定上場会社等に該当するので、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなっている。

経営目標

野村グループは、社会からの信頼や株主や顧客をはじめとしたステークホルダーの満足度の向上を通じて、企業価値を高めることを経営目標として掲げている。

グローバル金融サービス・グループとして、国内外の顧客に付加価値の高いソリューションを提供し、野村グループに課せられた社会的使命を踏まえ、経済の成長や社会の発展に貢献することを目指すとしている。また、企業価値の向上については、経営指標として自己資本利益率(ROE)を用い、ビジネスの持続的な変革を図りつつ、財務健全性の確保と株主価値の持続的な向上についても取り組んでいくこととしている。

経営戦略

企業価値の持続的向上を目指す成長戦略として、「パブリック」から「プライベート」への拡大・強化を掲げる。具体的には、「商品・サービス」、「顧客基盤」および「顧客との接点」の3つの領域で更なる拡大・強化を目指す。

商品・サービス

まず「商品・サービス」に関しては、従来から強みをもつ上場株式、投資信託等の金融商品に加え、プライベート領域(プライベート・エクイティ、プライベート・デット、インフラ等の事業性資産を含むオルタナティブ投資)へ提供する商品・サービスの領域拡大に向けて積極的に取り組む。また、公募だけでなく私募への取り組みも強化するとしている。

顧客基盤

次に「顧客基盤」に関しては、資金調達やM&A等のソリューション提供において、上場会社に加え、スタートアップ企業(非上場企業)も対象に更なるビジネス拡大を図る。さらに、商品提供、そしてコンサルティングやアドバイザリーによるニーズを開拓し、新たなサービスの提供を通じて、さらなるビジネスの幅を拡げていくとしている。

顧客との接点

最後に「顧客との接点」に関しては、対面・非対面両方の場面でデジタルの積極的な活用を推進し、各種の情報や商品提供だけでなく、さまざまなコンテンツも含め、顧客のニーズ・都合に対応していく方針である。

経営指標

野村ホールディングスは、2021年3月期より、重要な経営指標として自己資本利益率(ROE)を用い、ビジネスの持続的な変革を図ることとしている。

ROEは、野村ホールディングス株主に帰属する当期純利益を、前期末株主資本合計および当期末株主資本合計の平均で割った値と定義される。ROEの開示は、企業価値の向上や、投資家が野村ホールディングスの経営状況や資本の有効活用状況を把握するためにも有益と考えられている。

一方で、ROEは必ずしも財務の健全性を反映しない可能性もあるため、ROE向上を企図した過度な資本効率の追求を行うことのないよう、財務健全性に十分に配慮した上での企業価値の創造を重視しつつ、ROEの向上を目指す。

また、野村グループが遵守すべき複数のグローバル金融規制のひとつであるバーゼル委員会制定の自己資本規制は、野村ホールディングスのビジネスの在り方に直接影響を及ぼすものである。

そのため、野村ホールディングスは、普通株式等Tier-1比率(CET1比率)を11%以上に維持することを掲げる。そして、前述のROEを用いて資本効率を意識した経営を行う一方で、厳しいマーケットストレス等がかかった際のバッファーを含む財務健全性についても考慮している。

将来の課題

野村グループでは、「営業部門」、「アセット・マネジメント部門」、「ホールセール部門」、「マーチャント・バンキング部門」、そして「リスク・マネジメント、コンプライアンスなど」の各部門ごとに経営目標の課題に向け取り組む。

営業部門

まず「営業部門」では、「お客様の資産の悩みに応えて、お客様を豊かにする」という基本観のもと、多くの人々に必要とされる金融機関を目指している。資産承継や老後資金の不足に対する不安などの多様化する資産の悩みに対応するため、パートナーのスキルの継続的な向上と、幅広い商品・サービスの充実に努める。また、新規顧客獲得を目指して、オンラインサービスを拡充するとともに、コールセンター等を通じたリモートコンサルティング体制を強化していく。

アセット・マネジメント部門

次に「アセット・マネジメント部門」では、投資信託ビジネスにおいて、資産運用に対するニーズの上昇が見込まれる資産形成層やリタイアメント層に焦点をおき、多様な投資機会の提供に努める。また、投資顧問ビジネスにおいては、国内外の投資家へ付加価値の高い運用商品とサービスを提供することで、顧客基盤の拡大と運用資産の増加を図る。

ホールセール部門

そして「ホールセール部門」では、高度化する顧客ニーズやテクノロジーの発展によるマーケットの変化に加えて、コロナ禍などの不透明なマーケット環境や景気の低迷が、当ビジネスに大きく影響する可能性がある。そのため、国内外および他部門との連携とリスクコントロールの強化を図る。そしてビジネス領域を広げるとともに、財務リソースの効率的な活用を目指す。

グローバル・マーケッツ分野では、今後の景気や市場動向を見据えてポートフォリオを見直し、徹底したリスクコントロールのもとで、顧客への流動性の提供を継続していく。

投資家向けストラクチャードビジネスやストラクチャード・ファイナンスなどの成長が見込める分野では、ビジネスおよび顧客対応を強化するとしている。またフロービジネスでは、デジタライゼーションを推進することで効率化と差別化を図る。インベストメント・バンキング分野では、顧客のビジネス活動のグローバル化が継続する中で、クロスボーダーM&Aや国内外の市場での資金調達、またそれらの取引に付随する金利・為替ビジネスなどのソリューション・ビジネスの提供に努めていく。

マーチャント・バンキング部門

「マーチャント・バンキング部門」では、事業の再編・再生・承継そしてMBO等の案件において、多様化・複雑化する顧客の課題解決のため、エクイティなどを活用したソリューションを提供していく。そして、適切なリスク管理に努めつつ、投資先の企業価値向上を支援し、プライベート・エクイティ市場の拡大にも貢献していく。

リスク・マネジメント、コンプライアンスなど

最後に「リスク・マネジメント、コンプライアンスなど」においては、経営理念に基づいた戦略的目標と事業計画の達成のため、許容するリスクの種類と水準をリスク・アペタイトとして定めている。そのうえで、事業戦略に合致し、適切な経営判断に値するリスク管理体制を継続的に拡充することで、財務の健全性と企業価値の向上に努めるとしている。

なお、野村ホールディングスと野村證券は、2019年、情報管理にかかる経営管理態勢等につき金融庁から業務改善命令を受けている。この件を踏まえて、野村グループは「野村グループ行動規範」を策定し、行動規範に基づく適正な行為(コンダクト)を推進する内部管理態勢の整備を行っていくとしている。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月30日)