パソナグループ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1442億4800万 円
銘柄コード 2168(市場第一部(内国株))

株式会社パソナグループは、東京都千代田区に本社をおく企業。1976年、大阪市北区に人材派遣事業を主業務として株式会社テンポラリーセンターを設立したのがはじまり。2003年東証一部上場。あらゆる職種の専門家を派遣するエキスパートサービス、幅広い業種の採用を支援するプレース&サーチ、再就職支援、人事コンサルティングや、人材育成プログラムの提供、海外人材の採用支援、福利厚生サービスを展開。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社パソナグループは、東京都千代田区に本社を置き、主に人材関連サービスを提供する企業。1976年、南部靖之氏により株式会社テンポラリーセンターの名称で設立された。1986年、労働者派遣法の施行により、一般労働者派遣事業許可を取得。1993年、テンポラリーセンターの商号を株式会社パソナに変更。1995年、高齢者特例労働者派遣事業を開始する。2001年、大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ)に上場。2003年、東京証券取引所市場第1部に上場。2007年、株式移転により純粋持株会社としてパソナグループを設立。同年、東京証券取引所市場第1部、大阪証券取引所ヘラクレス(現JASDAQ)に上場。2008年、大阪証券取引所ヘラクレス(現JASDAQ)の上場を廃止。

事業内容

パソナグループは、持株会社であるパソナグループと連結子会社67社及び持分法適用関連会社11社で構成され、「エキスパートサービス」「BPOサービス」「HRコンサルティング、教育・研修、その他」「グローバルソーシング」「キャリアソリューション」「アウトソーシング」「ライフソリューション」「地方創生ソリューション」を主な事業として展開している。

エキスパートサービス(人材派遣)

エキスパートサービスは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規定に従い、厚生労働大臣の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、企業等へ派遣する「労働者派遣事業」を行っている。パソナグループが労働者を派遣する際は、予め派遣スタッフを募集・登録し、派遣スタッフの希望と派遣先の条件を合致させたうえで、派遣スタッフとパソナグループとの間に雇用契約を締結し、派遣先へ派遣している。

BPOサービス(委託・請負)

BPOサービスは、顧客から業務を受託または請け負い、パソナグループの社員、その業務遂行のため雇用契約を締結した労働者等の体制で、パソナグループが業務処理する。業務委託・請負契約による取引には、オンサイト(顧客内)において受託業務を行う形態と、パソナグループが自ら設備・システム等を有して、顧客の業務プロセスを受託するBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)やコンタクトセンター運営等の形態があり、双方をBPOサービスに含めている。人材派遣契約では派遣スタッフへの指揮命令は派遣先が行うのに対し、業務委託・請負契約ではパソナグループが労働者に指揮命令を行う。

HRコンサルティング、教育・研修、その他

子会社のキャプラン株式会社による教育研修機関「Jプレゼンスアカデミー」の運営、企業や官公庁・自治体から受託している教育・研修、人材を一元管理するタレントマネジメントシステムの販売及び導入・活用に関するコンサルティング。そして、人材育成や人事管理等に関するコンサルティングを行っている。

また、障害者が才能・能力を活かして働ける環境の整備や、障害者の雇用支援コンサルティングなどの社会福祉関連事業も行っている。

グローバルソーシング(海外人材サービス)

海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修等のアウトソーシングなどフルラインの人材関連サービスを提供している。

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

「人材紹介」は、「職業安定法」に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて、転職・就職の希望者を募集・登録し、同時に求人情報を収集して相互のニーズをマッチングする有料職業紹介事業。

「再就職支援」は、会社都合による企業の退職者または退職予定者等(以下、サービス利用者)に対して、次の再就職先が決定するまで、職務経歴書作成や面接対策、求人情報の提供、独立支援などを行う事業。企業が早期退職制度の実施や外部への出向など社員の転進支援を行う場合において、こうした企業と基本契約を締結し、その企業から対価を受けて、サービス利用者のキャリア構築を支援している。

アウトソーシング

企業や官公庁・自治体等が、株式会社ベネフィット・ワンの運営する会員組織の法人会員となり、法人会員の従業員(個人会員)が宿泊施設、スポーツクラブ、各種学校等の福利厚生メニューを利用できる福利厚生代行事業を主軸に行っている。また、パーソナル事業(主に協業先企業の個人顧客に向けたサービス)、インセンティブ事業(多彩なポイント交換アイテムを通じたロイヤリティ・モチベーション向上支援サービス)、ヘルスケア事業(健診サービスや特定保健指導、ストレスチェック等の疾病予防のための健康支援)、購買・精算代行事業なども行っている。

ライフソリューション

認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育の運営などを行う保育事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行事業などを行っている。

地方創生ソリューション

レストラン、宿泊やアミューズメント施設、道の駅等の運営や地域商社として地元特産品の販路拡大などを行う地方創生事業、東北地方の復興支援や地域活性化に向けたコンサルティング事業などを行っている。

経営方針

企業の生産性の向上や働き方改革の推進に貢献する様々なソリューションを提供する。従来の「企業依存社会」から1人ひとりが自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる「個人自立社会」への転換を通じて、働くすべての人々が個性と才能を存分に発揮し、夢と誇りを持って活躍できる社会の実現に向けて、事業活動を通じ貢献する。

経営指標

パソナグループの仕事は「人を活かす」こと、人々の心豊かな生活の創造、すなわち「ライフプロデュース」。「ソーシャルソリューションカンパニー」として、多様化するニーズに対応し、社会から必要とされる会社であり続けると共に、グループ連携とシナジー創出によって企業価値を高め、持続的な成長と収益性の向上に努める。

経営戦略

パソナグループは、社会環境や経済情勢、働く人を取り巻く環境の変化を的確に捉え、次の時代を創る新規事業開発に努める。人材関連事業を通じた雇用創造はもとより、時間や場所、組織にとらわれない多様で自由な働き方を応援するプラットフォーム「JOB HUB」のほか、AI/IoTなどテクノロジーの発展に対応する国内外での人材育成を図る。また、東京一極集中を打破し地方に新たな産業を創造する地方創生事業、人々の豊かな生活を実現する新たな健康・ヘルスケア産業の確立など、未来を見据えた様々なイノベーション創出を進める。これからも、「ソーシャルソリューションカンパニー」として更なる信頼と企業価値の向上を目指す。

対処すべき課題

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

パソナグループが提供するあらゆるサービスのデジタル化を加速し、新しい価値の創造を目指す。「新たな生活様式(ニューノーマル)」ではテレワークやリモートが日常となり、従来の通勤や対面を基本とした働き方から大きく変化しようとしている。こうした環境変化に対応するため、既存のエキスパートサービスやBPOサービス、研修事業などのデジタル化を促進し、お客様により高い付加価値を生み出すサービスのDXを推進し、関連市場の拡がりを見据え、新たなサービスの創造にも注力する。

同時に多様化する企業の経営課題に対しては、様々なメニューを複合的に提案する体制を強化するべくシナジー効果の高い事業子会社統合を含む組織の再編と、パソナグループの総合力を強化する人的資源の最適化を図る。さらに、今後の持続的な成長に向け、事業ポートフォリオの最適化も進める。

アフターコロナ社会の働き方

新型コロナウイルス感染症の拡大は、人が過密な状態で生活するリスクとして医療体制の崩壊や都市機能の封鎖など、これまで人々が経験しなかった様々なリスクを顕在化させた。企業ではこうしたリスクを回避するため、事業継続のための機能分散に関心が高まっている。パソナグループはこれまで取り組んできた地方創生事業を深化させ、地方でのBPOサービスや研修、採用などあらゆる人材サービスにおいて地方での活動を強化する。また感染症の拡大は、人々の働き方と価値観にも大きな影響を及ぼした。テレワークが急激に拡大しライフスタイルに変化が生じたほか、感染防止のため運動や免疫力の向上など健康への意識がさらに高まっている。パソナグループでは、こうした人々の意識や社会環境の変化を迅速に捉え、地方での働き方の提案や地方への移住に加え、食や健康に関するヘルスケアサービスの拡充とプログラムの開発にも取り組む。

人生100年時代を見据えて

少子高齢化により生産年齢人口が減少するわが国では、生涯現役で働き続けることができる社会インフラの整備が進められている。現在は企業に対して65歳までの定年引上げや継続雇用制度の導入、あるいは定年の廃止のいずれかを講ずることが義務付けられている。さらに2021年4月には70歳までの就業機会の確保が努力義務として課せられる。定年に関わらず生涯現役で活躍したいと考える人やリカレント教育によりキャリアチェンジを果たす人、またライフスタイルに合わせて就業先や雇用形態を自ら選択する人など、シニア人材の働き方も多様化している。パソナグループは、シニア人材の再就職支援やフリーランスでの就業支援、起業支援やNPO活動支援など多様な就労形態に対応したソリューションメニューを開発し、1人ひとりに合った働き方ができるサービスの強化に努める。


2020年5月期 有価証券報告書(提出日:2020年8月21日)