日本鋳鉄管 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 39億2500万 円
銘柄コード 5612(市場第一部(内国株))

日本鋳鉄管株式会社は埼玉県久喜市に本社をおく企業。1937年東洋精機株式会社として埼玉県蕨市に創立。1939年より内燃機関用ピストンおよびピストンリングを製造。1949年にはガス・水道用鋳鉄管(立型鋳鉄管)、1954年遠心力砂型鋳鉄管の製造を開始。1962年東証二部に上場。1963年ダクタイル鉄管の製造を開始。1993年東証一部に指定され、1994年直管内面粉体塗装管、1997年レジンコンクリート管、1998年ポリエチレン管の製造を開始。

事業内容

日本鋳鉄管の企業集団は、日本鋳鉄管と連結子会社3社及びその他関連会社2社で構成されている。主な事業は、上下水道・ガス用資材であるダクタイル鋳鉄製品(鋳鉄管、鉄蓋)、樹脂菅及び関連付属品の製造販売だ。さらに、倉庫業、道路貨物運送業及び「産業廃棄物運搬及び積み替え保管事業」等を展開している。

その他、日鋳商事が日本鋳鉄管の販売店を、鶴見工材センターがガス用配管材等の保管及び運送を、日鋳サービスが鉄管等リサイクル事業等を、JFEスチールが原材料等の購入を行っている。日本鋳鉄管の事業セグメントは「ダクタイル鋳鉄関連」と「樹脂菅・ガス関連」だ。

経営の基本方針

日本鋳鉄管は、上下水道、ガス、情報通信を中心とした地域インフラの整備に対して、鋳鉄菅、鉄蓋、樹脂管及び関連資材の供給を中心とした事業展開を図っている。しかし、公共事業費縮減や人口減少、節水の進展など、厳しい事業環境が継続し、水道関連需要が旺盛だった頃の延長線上の経営では収益を計上することが困難な状況だという。対策を講じられずにいれば、主力の水道用鋳鉄管の国内需要は大きな回復が望めず、厳しい事業環境が続くと日本鋳鉄管は予想している。

こうした厳しい事業環境の中、日本鋳鉄管は、長期的に持続・発展できる企業となるために、安定した収益基盤の構築、環境変化に俊敏かつ柔軟に対応できる企業体質の強化を推進する方針だ。このような活動により、継続的に株主等のステークホルダーの期待にも応えていくとしている。

対処すべき課題

日本鋳鉄管は対処すべき課題として、第1に「鋳鉄管等コア事業の収益力強化」を掲げている。2019年度にはV字回復による黒字化を達成しているが、経営の基本方針に従い、次の3つを課題としている。それら課題は「コスト競争力の一層の向上」、「販売力の強化に向けた新商品・新分野を含めた販路と需要の喚起」、「人材育成・管理レベルアップと意思決定の迅速化」だ。これら3つの課題に対しては以下の9つを主に取り組んでいる。

1つ目は「一層の合理化の追求」だ。2018年度に大規模合理化を実施し、単年度で中期3か年計画を大きく上回る成果を出している。2019年度は通年でその効果を享受し、V字回復を実現しているが、引き続き、歩留向上、エネルギーコスト改善、操業の効率化等を推進していくとしている。

2つ目は「システム改善によるコスト削減」だ。2020年度内に予定するシステム改善により、さらなるコスト分析精度アップを図り、よりきめ細かいコスト管理を徹底する方針だ。

3つ目は「効率的な新規及び老朽更新の設備投資」だ。策定済の老朽更新計画を着実に進めると同時に新規案件の優先順を明確にし、適時適切な設備投資を計画的に行っていくとしている。

4つ目は「品質向上と更なる新商品の開発」だ。顧客の満足度を高めるべく継続的に品質向上を進めていくことに加え、『オセール』に続く新商品開発にも注力していくとしている。

5つ目は「AIを活用した管路劣化診断技術の普及」だ。2017年度FRACTA社とパートナーシップ契約を締結し、AIを活用した管路劣化診断技術の日本における実用化に取り組みを進めている。2018年度の川崎市等複数の事業体での実証実験では、有効性が高く評価された。各事業体へ認知を広め、普及活動を推進し、販売に繋げていくとしている。水道インフラの危機的状況の認識を社会で共有するための広報活動にも注力していく方針だ。

6つ目は「『オセール』の拡販」だ。鉄道、交差点、河川横断等、開削工事が困難な箇所は非開削工法で管路を布設する必要がある。その際、耐震性能を維持するための治具が必要になるが、日本鋳鉄管は画期的に工数の削減が可能な『オセール』を開発し、2019年6月より販売を開始している。実際の利用者からは高い評価を受けており、戦略販売製品としてさらに認知度を高め拡販する方針だ。

7つ目は「工事部門の強化」だ。2018年度グループ会社で設立した工事部門を強化し、コア事業とのシナジー効果の創出を図っていくとしている。

8つ目は「将来を担う若手社員の確保とその育成」だ。30歳以下の社員が少ないことから、新卒はもちろんのこと、若手社員の中途採用を積極的に実施し、若手・中堅社員への教育を充実させていくとしている。

9つ目は「取締役体制のスリム化」だ。日本鋳鉄管は企業規模を鑑み、取締役会をスリム化することで、その議論を密度の高いものにし、意思決定を迅速なものにするとしている。また、社外役員比率の向上によりガバナンスを強化することは社会的なニーズにも合致している。取締役会をスリム化する一方で、執行強化のため理事職を新たに設けるとともに、将来の取締役候補として育成する予定だ。

対処すべき課題としては上記の他に、以下の2つを掲げている。

第2は「経営環境の変化に耐え得る財務体力の強化」だ。2019年度では連結での実質借入金がゼロになっている。引き続きあらゆる収益改善施策を迅速に実行し、着実な業績回復、更なる財務体質強化を図っていくとしている。足元ではCOVID-19の感染の広がりが事業環境に与える影響が見通せないことから、不測の事態に備える対応も計画に織り込んでいる。

第3は「COVID-19への感染予防対策」だ。感染防止対策として、在宅勤務や時差出勤、マスクの常時着用、毎朝検温などを2020年2月より徹底し行っている。第二波への対応の意味を含め、本社・工場ともに事務所のデスクを区切るパーテーションの設置が完了しており、引き続き感染防止対策に努めていく方針だ。

有価証券報告書(提出日:2020年6月18日)