事業内容
ローランドは、電子楽器の開発、製造、販売を主な事業とし、グローバルに幅広い製品を提供しています。1972年の設立以来、エレクトロニクス技術の進歩に合わせた研究開発を行い、電子楽器分野で世界的なブランドを確立しました。製品ラインには、電子ピアノ、ドラム、シンセサイザー、ギター関連機器などが含まれます。
ローランドは「音」と「映像」の融合にも取り組み、映像関連機器の開発から販売までを事業として確立しています。海外展開は1970年代後半から積極的に行い、現在では収益の91%を日本国外から得ています。特に欧州、北米、新興国市場に注力し、現地の音楽文化や需要に即した製品を提供しています。
製造は海外生産を基本とし、製品特性に応じて自社工場と外部委託を選択しています。ローランドは電子楽器事業の単一セグメントで活動し、製品の企画や研究開発、グループ全体の監督、予算承認などを担っています。また、映像関連機器の生産や日本国内市場向けの販売も行っています。
製造子会社には、マレーシアのRoland Manufacturing Malaysia Sdn. Bhd.があり、電子ピアノや電子ドラムの生産を担当しています。販売子会社は米州、欧州、アジア・オセアニア地域に計9社あり、それぞれの市場に合わせた販売活動を展開しています。
米州地域には、ドラム事業の開発、製造、販売を行うDrum Workshop, Inc.があります。さらに、マレーシアのMI Services Malaysia Sdn. Bhd.は、製造子会社の統括や物流管理、開発機能を担っています。これにより、ローランドは柔軟な生産体制を築いています。
特集記事
経営方針
ローランドは、2023年から2025年にかけての中期経営計画を策定し、音楽創造分野での世界的リーダーを目指しています。この計画のもと、同社は「生涯にわたるファンを生み出す」ことを目標に掲げ、音楽愛好家に愛されるブランドの構築を進めています。
同社の成長戦略は、需要創造、シェア拡大、ライフタイムバリュー(LTV)向上、基盤強化の4つの柱に基づいています。需要創造では、革新的な製品やサービスを通じて新たな市場を開拓し、潜在顧客へのアプローチを強化しています。特に、eスポーツやポータブル・キーボード市場への新製品投入が注目されています。
シェア拡大においては、ポータブル・キーボード市場への再参入や新興国での販売拡大を図っています。中国、インド、インドネシアを重点市場とし、現地の購買力増加に対応した販売体制を整えています。また、Roland Retailの強化により、顧客接点の質と量を向上させることを目指しています。
ライフタイムバリューの向上では、Roland Cloudを活用し、パーソナライズされた音楽体験を提供しています。顧客データを一元管理するRoland Platformを通じて、製品やサービスの充実化を図り、顧客とのコミュニケーションを強化しています。これにより、顧客ごとに最適化された音楽体験を提供しています。
基盤強化では、グローバルな人材配置やインフラ投資を進めています。特に、サプライチェーンの高度化により、販売機会ロスの低減やリードタイム短縮を実現し、利益改善を図っています。これらの施策を通じて、ローランドは持続的な成長を目指しています。