AI inside 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 619億400万 円
銘柄コード 4488(マザーズ(内国株))

事業内容とビジネスモデル

AI inside のミッション

AI insideのミッションは、世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献することである。「AI inside X」というビジョンで、「X=様々な環境」に溶け込むAIを実装し、誰もが特別な意識をすることなくAI を使える、その恩恵を受けられる、といった社会を目指している。AI insideはまず「AI inside Company]」というビジョンで、人々がAIを使って働き方や生き方をより良いものにしていくことをサポートしている。AI insideの製品により、ユーザの働き方をどれだけ変えられたか、どれだけ働きやすくなったのかにフォーカスしている。

そのため、高品質なユーザ体験を届けることはAI insideにとって最優先の事項である。この徹底したユーザ重視の姿勢は、AI insideの重要な文化であり、下記の3点をユーザにコミットしている。

・高品質・高価値なAIを提供するために最善を尽くす。 ・製品をより使いやすく、より優れたユーザ体験を届けるため、継続的に行動する。 ・短期的な経済的利益のために、ユーザ重視の姿勢を妥協しない。

AI inside の創業ストーリー

AI insideはその創業にあたり、「企業の業務プロセスの内、人の手で行われているものを、AIでサポートすること」 を目指してきた。そこで「企業が既に外部委託している業務プロセス」を調査し、まず初めに、データ入力業務をAIでサポートすることを目的に、研究開発を始めた。

その結果、AI insideは人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除した。その代わり、コンピュータが自動的に文字画像データを学習しルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発した。これまで5億回を超える読取りを行い、企業の生産性向上に貢献してきている。

AI inside の事業内容

AI insideは、手書き文字認識AIを日々の業務で誰もが使えるようにするため、AI-OCRサービス『DX Suite』として企業へ提供している。また、クラウドにアクセスすることなくユーザの元でAI処理を行う、エッジコンピューティング用ハードウェア『AI inside Cube』を自社で開発製造している。

SaaSだけではなく専用ハードウェアを提供することにより、AI Insideは地方公共団体などプライバシー保護がより一層重要視される業界への導入拡大も実現している。

なお、AI insideは人工知能事業の単一セグメントであるため、以下ではサービス別の事業内容を記載している。 また、AI insideが展開するサービスは、継続的に収益が計上されるリカーリング型モデルと取引毎に収益が発生するセリング型モデルにより構成されている。

『DX Suite』

AI insideは、人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除し、文字画像データを学習し、コンピュータが自動的にルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発した。このAIを、日々の業務で誰もが使えるようにするため、ユーザインターフェースを備えたAI-OCR サービス『DX Suite』として開発し、ユーザへ提供している。『DX Suite』は、その内部に『Intelligent OCR』『Elastic Sorter』『Multi Form』というアプリケーションを有しており、組み合わせて契約、利用することができる。

これらサービスは、システム開発、銀行、証券、保険、小売、エネルギー、物流、製薬、不動産、製造、印刷等、業態を問わず導入されている。ユーザ企業にて帳票をデータ化するリクエスト数(読取り回数)を基に算出される月額従量費用や、オプション機能の月額固定費用等リカーリング型モデルの収益と、初期費用等のセリング型モデルの収益で構成している。

『Intelligent OCR』は手書き文字認識技術をベースに、「定型帳票」を読取り、デジタルデータ化するサービスである。「定型帳票」とは、帳票レイアウトが統一されており、事前に読取り箇所を指定することができる帳票を指す。

『Elastic Sorter』は『Intelligent OCR』のオプションとして、複数種類の帳票を順不同にまとめてスキャンしてある場合に、同種類の帳票をAIが選び取り、仕分けるサービスである。

『Multi Form』は『Intelligent OCR』のオプションとして、「定型帳票」以外の「非定型帳票」を読取り、データを構造化含めデジタルデータ化するサービスである。「非定型帳票」とは、記載される項目は同じでも、記載される場所、レイアウトが無数にあり、書類の種類数が限定的で無いため、『Elastic Sorter』では仕分けることのできない帳票を指す。

『AI inside Cube』

AI insideの主力製品は『DX Suite』クラウド版であるが、官公庁・地方公共団体などではオンプレミス(サーバやソフトウェアなどの情報システムを企業などの使用者が管理する設備内に設置することにより、自社運用をすること)環境での利用ニーズがある。しかしながらオンプレミス環境の構築は、機器選定、購入、システムインテグレーションなど様々な工程に時間と人的リソースを必要とするため、ユーザ企業、AI inside双方にスケールしにくい分野である。そこでAI insideは、クラウドにアクセスすることなくユーザの元でAI処理を行う、エッジコンピューティング用ハードウェア『AI inside Cube』を自社開発した。

『AI inside Cube』は、月額定額のリカーリング型モデルで提供をしている。また、地方公共団体向けに、エヌ・ティ・ティ・データとの協業で、地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互接続した、行政専用閉域ネットワーク “LGWAN”内データセンターに『AI inside Cube / DX Suite』を提供している。

『AI inside Computing Engine』

AI insideのAIは、クラウド環境、オンプレミス環境共にソフトウェアインフラ基盤『AI inside Computing Engine』の上で稼働している。『AI inside Computing Engine』を使わない従来方式では、ソフトウェアやAIを動作させるためのサーバの構築は、各種設定について時間をかけて人が行う必要がある。そうして作り上げた環境を、別のサーバにも適用させる場合、同じように人が行う必要があり、コストと時間がかかる。

『AI inside Computing Engine』を使うと、一度作り上げたサーバ環境をコンテナとしてコピーして立ち上げることができる。従来、人が行っていた作業を数十秒で自動実行できるため、コストと時間がほとんどかからず、 例えば、大量のリクエストに対しても、自動でサーバを増減させることが可能となる。

『AI inside Learning Center』

AI insideで提供しているAIは、ユーザが日々の業務で使うほど、さらなる追加学習のためにデータフィードバックがなされ、精度が向上するという特徴を備えている。その学習部分を担うAI inside内部の仕組みが『AI inside Learning Center』である。そのため、ユーザが増加するほど加速度的に品質が高まる仕組みとなっている。同時に、大規模化による低コスト構造の実現と、AIを動作させるためのハードウェアを自社開発・自社利用することにより、ユーザへより低価格での提供が可能な構造となっている。

経営の基本方針

AI insideのミッションは、世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献することである。その実現のため、高品質・高価値なユーザ体験を届けることが、AI insideにとって最優先の事項です。AI insideの経営は、徹底したユーザ重視を基本方針としている。

経営指標

リカーリング型売上の成長を最重要指標と定めており、その要因として契約件数や契約の解約率、AIファ ンクションのリクエスト数を指標としている。

経営環境

AI insideが展開する事業と関わりの深い「非IT系の外部委託市場」を例にとると、2016年度は1.66兆円の実績、2017年度は1.7兆円の実績とされており、市場は成長していくと予想される(BPO市場の実態と展望 2018-2019(矢野経済研究所))。

また、BPO市場に限らず、「国内売上高上位企業のCIOを対象とした郵送によるアンケート調査」(野村総合研究所「ユーザ企業のIT 活用実態調査」2018年5月発表)では、AI技術の導入、または検討をしたい企業は全体の66.9%に上るなど、さらに市場は成長していくと予想される。

AI insideが事業を展開するAI-OCR市場は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響が大きく出始めた当事業年度末においても業務効率化を目指す事業者を中心に導入が進み、今後も市場の成長は持続するものと予測している。しかしながら、現時点で、新型コロナウィルスが収束していないことから、先行きについては非常に見通しが難しい状況である。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月29日)