ワシントンホテル 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 100億2800万 円
銘柄コード 4691(市場第二部(内国株))

ワシントンホテルは、名古屋市に本社をおくホテルチェーン。
1961年、(株)名古屋国際ホテルとして設立。1964年に開業。
1969年、名古屋にワシントンホテル第一号を開業。1978年には会員制度「ワシントンカード」を開始。

ワシントンホテルは、「ワシントンホテルプラザ」「R&Bホテル」「名古屋国際ホテル」の3ブランドのホテル運営とゴルフ場クラブハウス内レストランの運営受託を行っている。

① ワシントンホテルプラザ

「ワシントンホテルプラザ」は1969年の1号店オープン以来、50年の歴史を誇り、高度経済成長の時代から、低料金で安全に泊まることができるスタイルがビジネスパーソンを中心に支持を集めてきた。

ビジネスホテルのチェーンとして、全国の多くのビジネスパーソンから認知されており、主要駅や繁華街に近い「立地」と、老舗としての「安心感」が評価されている。

部屋タイプは、シングル、ツイン、ダブルなど各種タイプを用意しており、一部のワシントンホテルプラザには飲食店や宴会場を併設。2019年3月期時点で直営18ホテルをチェーン展開している。

2019年3月期のワシントンホテルプラザのADR(Average Daily Rate:平均客室単価)は6,570円、稼働率は72.6%、RevPAR(販売可能客室数あたりの客室売上)は4,767円となっている。

② R&Bホテル

「R&Bホテル」は、宿泊特化型ホテルとして、首都圏を中心に全国で23の直営ホテルチェーンを運営している。

毎朝、スタッフが焼きたてパン、挽きたてのコーヒー、ジュース、スープ、味付けゆで卵などを無料で提供。付加価値の向上を目指している。

スタッフの95%以上は女性であり、細やかな配慮で、顧客の役に立てる親切な応対を心がけているという。女性の顧客でも安心して泊まれる点をアピールしている。

客室は、R&Bホテル八王子の16室のツインを除き、全てシングル。さらに、チェックインの工程を細分化し、宿泊台帳記入や金銭授受には従業員の人手を介さない。

原則として、宿代台帳記入は館内の案内表示で顧客を誘導することで対応しており、金銭授受は自動精算機によって対応し、少人数オペレーションを徹底。業務効率の向上と価格の低減を目指している。

2019年3月期のR&BホテルのADRは6,013円、稼働率は84.7%、RevPARは5,093円となっている。

③ 名古屋国際ホテル

「名古屋国際ホテル」は、1964年に名古屋で初めての本格的都市型ホテルとしてオープンした、ワシントンホテルの創業事業である。

飲食店舗と宴会場を付帯して運営しており、名古屋市の繁華街、栄の中心に位置し、立地の良さでビジネスパーソンや観光客からも支持されている。

2019年3月期における名古屋国際ホテルのADRは8,489円、稼働率は69.6%、RevPARは5,908円となっている。名古屋国際ホテルは、2020年9月に営業終了を予定。

グループ全体の業績

2019年8月末時点における運営ホテルは全国に42ホテルあり、ビジネス、観光など幅広い利用がされている。グループ全体での客室数は9,118室、ADRは6,317円、稼働率は78.6%。

上記ワシントンホテルプラザ、R&Bホテル、名古屋国際ホテルからの収益がグループの98%を超えており、ゴルフ場クラブハウス内レストランからの収益は小さなものにとどまっている。

ワシントンホテル 主要指標

有価証券報告書より)

ワシントンホテルプラザ、R&Bホテルの主要指標は上のようになっており、ワシントンホテルプラザの売上が106億円に減少している一方、R&Bホテルの売上が85億円に拡大している。

ホテル運営の特徴

ワシントンホテルグループには、客室販売・会員システムに特徴がある。

直販による自社サイト「宿泊ネット」のほか、オンライン旅行予約サイトをはじめ、インターネットによる宿泊予約の獲得が多いほか、旅行会社が販売する旅行商品への客室提供も実施。

2019年3月期における販売チャネルの割合は、インターネット経由の販売は71.8%(「宿泊ネット」は24.2%)、電話などによる一般販売が20.5%、旅行代理店経由が7.7%となっている。

ワシントンホテルグループは、顧客の囲い込みのため、次のような会員システムを提供している。

・宿泊ネット

宿泊ネットは、2019年8月末時点で25万人の会員がおり、年間のべ62万室(2019年3月期)が利用する、入会費・年会費無料の宿泊予約サイトである。

グループにおける宿泊予約の4分の1が宿泊ネット経由であり、リピーター比率は61.4%(2019年3月期)と高い。

(リピーター=直近利用1年以内の再利用者。連泊は含まない)

会員カードは発行しておらず、入会からポイントの加算、交換までを予約サイト上で実施するため、従業員の業務負荷低減にもつながっている。

会員は、宿泊ネットからの利用によってポイント還元などの特典があり、グループホテル以外の提携ホテル・旅館などの加盟店ネットワークも拡大中である。 2019年8月末時点で、日本国内に79拠点、台北に1拠点の提携ホテル・旅館が加盟店として参加している。

一般的なホテル予約サイトはポイント還元率が1〜2%にとどまるが、宿泊ネットでは、宿泊料金の5%をポイントとして還元している。

さらに、ポイントの有効期間も一般的には1年間である一方、宿泊ネットでは最終宿泊日から2年間に設定。貯まったポイントは次回の宿泊料金として使えるほか、Amazonギフト券やフロントでのキャッシュバックなども行える。

2019年度からは利用促進のため、ポイントの交換単位を1,000ポイントから10ポイントへ引き下げを行っている。

会員システム以外としては、客室クリーニングなどの外部委託を除いて、原則として全て自社人員での運営を基本としていることも特徴である。

Webを活用した教育・映像マニュアル、外部研修による人材教育に取り組み、繁閑に応じて部署をまたいで異動することもある、マルチジョブ化を推進している。

「宿泊ネット」加盟店による利用

ワシントンホテルの「宿泊ネット」には、グループ外のホテルチェーンも加盟することができる。

加盟店は、「宿泊ネット」を利用する25万人の会員に対して集客を行うことができるほか、掲載による知名度向上などの効果が期待できる。

さらに、この加盟は同一地域で1店舗のみと限定しているため、競合他店舗との差別化が行える点も売りにしている。

加盟の条件は、「宿泊ネット」のポイント負担金として取扱額(税別)の5%、さらに運営手数料が同じく3%。 システム利用料は1年無料だが、2年目以降、月間5,000円を課金することとなっている。加盟料(初期設定費用など)は無料。

新規出店の基準

ワシントンホテルグループでは、ホテルの出店地についても厳格な基準を設けており、厳選した好立地への出店を重視している。

全国主要都市の出店では、政令指定都市を中心に、流動人口の多い都市に200-300室規模のホテル出店を目指す方針である。

出店にあたっては、最寄駅から徒歩5分程度、敷地面積150坪以上、建物延床面積1,000坪以上が基準。観光客やビジネス利用客をバランスよく集客することで、季節的・一時的な要因による業績変動を極力抑えたい方針。

さらに、自社物件としての出店のほか、建物の賃貸借形式、土地の賃貸借形式、MC(マネジメントコントラクト)方式、フランチャイズ方式という5つの出店形態を用意。

ワシントンホテル・5つの出店形態 有価証券報告書

2018年8月末時点で、土地と建物を所有する自社物件は5事業所。建物の賃貸借方式は35事業所、土地の賃貸借方式が2事業所となっている。MCとフランチャイズは該当なし。