識学 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 99億400万 円
銘柄コード 7049(マザーズ(内国株))

創業者の安藤広大氏が2013年、福冨謙二氏(創業メンバーで元取締役)が創作した理論「識学」に出会い、講師として個人事業をスタート。
2015年3月に株式会社化、「モチベーションに頼らない組織改革」をテーマに経営者向けのコンサルティングを展開。2019年2月、東証マザーズに上場。

識学の事業内容

独自に開発した理論「識学」を使って、企業向けに組織コンサルティングサービスを展開。

ヒトが行動する際の「意識構造」を研究しているため、汎用性が高く、さまざまな組織に適用できる、としている。これまでの実績には、成長企業からプロスポーツチーム、大学の部活などのスポーツ分野、歯科医院や整骨院などの成長企業も含まれる。

それぞれ独立して導入できる単発のサービスをいくつか用意しているが、組織の生産性向上を加速するために経営者へのマンツーマントレーニングを入り口として行う企業が多い。

そこから、組織幹部、管理者層、新入社員と、複数回のサービス提供を必要とする顧客が多く、リピート獲得につながっている。

人事異動のタイミングで、定期的にサービス提供を行うケースもあり、さらには評価制度構築サービスによる定着・仕組み化や、ウェブによるプラットフォームサービスによる顧客接点の増大により、中長期的な取引関係を構築することにも尽力している。

識学とは

「識学」は、同社が独自に開発した理論。

ヒトの意識構造を分析し、行動を阻害する誤解や錯覚の発生原因を研究したもので、ヒトの思考のクセから生じる誤解や錯覚が、個人の行動の質・量を低下させ、それが組織レベルで複雑に絡まった結果、組織のパフォーマンスを阻害するというもの。

識学では、こうした誤解や錯覚がどのようにして発生するかという「発生原因」「解決策」を体系化。組織運営に活用することで、組織の生産性を高めることを目的とする。

ヒトの意識は大きく5つの領域(位置、結果、変化、恐怖、目標)に分けることができると、識学では考えられている。

それらの5領域を認識したことが、ヒトの行動につながるが、領域のどれかで間違った認識が発生してしまうと、行動の質・量にズレが発生してしまう。

組織のパフォーマンスを改善するためには、5つの領域それぞれで発生する「ズレ」を特定し、正しく認識する前提を作っていく必要があるというのが、識学における大きな考え方となっている。

識学の特徴

一般的な「組織研修」と識学メソッドの違いは、研修対象が「新入社員」や「アルバイト」ではなく、「経営陣」「幹部層」がメインだということ。

研修のスタイルとしても、集団ではなくマンツーマンで行うことが基本であり、一般的な研修が従業員のモチベーション向上を重要視する一方で、識学は「モチベーション」の重視を否定している。

モチベーションを気にするのはムダである、努力したかどうかを評価してはいけない、現場と経営陣の距離感は遠い方がいい、など、組織運営にまつわる既存の価値観とは逆行する考え方を提示したことが、一部で賛否両論を生んでいる。

「ヒトの意識構造を掘り下げる」ことをアピールしていることからも、織学それ自体は抽象度の高い理論である。そのため、基礎理論だけでは日常の組織運営に適用することは難しく、それを具体化するためのプログラムをサービスとして提供している。

マネジメントコンサルティングサービス

識学のメイン事業であり、法人向けにマンツーマントレーニングなどを提供するのが、マネジメントコンサルティングサービスである。この中には主に、次の7つのサービスが含まれる。

① マスタートレーニング3rd

組織トップに対して識学を導入し、組織運営の生産性を上げることを目指すサービス。

識学講師が3ヶ月間(全12回)、一回1時間程度のマンツーマントレーニングを行い、トレーニング期間中における知識の獲得や課題を設定し、行動変化を追跡する。

理解から実践、その後の成果確認までを盛り込んだトレーニングとなっている。

② マスタートレーニング2nd

組織トップ以下の幹部層に対して、識学を導入するためのサービス。

識学講師が2.5ヶ月間(全10回)、一回1時間程度のマンツーマントレーニングを行い、マスタートレーニング3rdと同様に、理解から実践、その後の成果までを追跡する。

③ マスタートレーニング継続(アドバンス)

マスタートレーニング修了後の受講者に対し、毎月1回1〜2時間程度のマンツーマントレーニングを行い、時間の経過によって行動が戻ってしまうことを防ぎ、実践の質を維持する。

④ 集合研修

管理職や新入社員など、階層ごとに集合型研修を行い、識学を組織に浸透させる。講義やワーク形式での研修を行う。

⑤ 浸透パック

管理職向けの動画や、集合型トレーニング(全6回)を組み合わせ、理解を促すことで、組織への浸透・定着化を図る。

⑥ 評価制度構築

評価制度を構築し、識学を組織に定着・仕組み化させるサービス。評価制度では上司と部下の間で認識の違いが起こりがちであり、そのギャップを埋めることで、自走する組織への変化を実現する。

⑦ 顧問サービス

マスタートレーニング受講者かつ、経営者向けに組織運営に関する課題や相談を受けて、個別事象を解消するサービス。特定の課題が存在するときに有効としている。

プラットフォームサービス

識学では、マネジメントコンサルティングサービスのほかに、ウェブ上で識学実践を支援するクラウドサービスを提供している。

①「識学クラウド組織診断(組織デューデリジェンスサービス)」

組織の状態を「識学」理論をベースに診断するサービス。

顧客の組織メンバーに対してウェブ上でアンケートを実施し、その結果で、組織の一員として生産性高く業務に取り組める状態にあるか、あるいは生産性が阻害されているかをチェックする。

生産性が阻害されている場合、どの意識構造が原因となっているかを判断し、その結果を用いて顧客組織の状態を把握する。

②「識学クラウド動画復習」

マスタートレーニングで伝える理論をウェブ上の動画で復習することができるサービス。

③ 識学クラウド評価制度運用支援

評価制度構築サービスのあと、制度の実践運用を支援するサービス。個人に割り振る目標項目やその比率などをウェブ上に登録しておき、構築された評価制度が実践されるためのクラウドサービスとなっている。

④ 識学クラウド日常業務支援

日常のマネジメントのタスク管理ツール。管理をマンパワーに依存すると、結果的に抜け漏れが発生してしまい、マネジメントが行き届いていない状況となる。

同サービスでは、ウェブ上でのタスク管理機能を使って、上司と部下が共通の認識を持っている状態を当たり前にする。

講師人材の確保

識学講師は同社で育成している以外に、パートナー契約を結んだ企業から提供されるケースもある。

講師人材の確保は、識学にとって事業課題の1つであり、入社から講師認定までにかかる育成リードタイムは3ヶ月ほど。

育成にはマニュアルやFAQ、動画確認、OJT、ロールプレイングなどを用いているほか、今後さらなるリードタイムの短縮に取り組んでいる。

識学の中期ビジョン

識学の企業理念は、「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」ということ。

組織に属する人たちが、迷いなく活躍できる場所を増やし、「会社を経営するなら、組織を運営するなら、『識学』を当然知っておかないといけない、という位置付けにする」ことが中長期のビジョン。

参考資料