ZUU 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 79億5100万 円
銘柄コード 4387(マザーズ(内国株))

株式会社ZUUは、東京・青葉台に本社をおく企業。
2013年4月に設立され、金融資産3,000万円あるいは年収700万円以上のアッパーマス〜富裕層向けの金融経済メディア「ZUU online」をリリース。
2014年5月には経営者向け専門メディア「経営者online」をリリース。
金融や不動産企業向けにインターネット上での情報発信サイトの構築・運営支援を行うフィンテック化支援サービスも展開。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社ZUUは2013年4月、代表取締役である冨田和成氏が金融とテクノロジーを融合させたフィンテックに関わるサービスを展開するために設立。同月に、金融資産3,000万円以上あるいは年収700万円以上の富裕層向け金融経済メディア「ZUU online」をリリース。2015年11月には本社を現在の東京目黒区に移転した。

2016年4月、シンガポールに100%子会社であるZUU SINGAPORE PTE. LTD.を設立し、東南アジアの富裕層向け金融経済メディア「ZUU online」をリリースした。

2018年6月、東証マザーズへ上場。

2019年1月には融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)比較サイト「クラウドポート」を事業譲受し、「ZUU funding」をリリースした。また同年4月、ZUU Funders株式会社とZUU Lending株式会社(現・株式会社ZUU IFA)を100%子会社として設立。

また11月に株式会社COOL SERVICESおよびその子会社である株式会社COOLを子会社化し、2020年2月には株式会社ユニコーンを子会社化している。

事業内容

ZUUは、フィンテック・プラットフォーム事業として、金融領域特化型ウェブ/スマートフォン・メディア「Zuu online」の運営を中心とした、金融関連市場に特化した各種サービスを展開している。フィンテック・プラットフォーム事業は「フィンテックサービス」「セールステックサービス」を軸としている。

金融商品が益々その複雑さを増している昨今、金融商品を提供する金融機関と個人との間に大きな“情報の非対称性”が存在している。そのようなことから、金融商品に潜在的に興味は有していても、当該商品のリスクやリターンにかかる情報が専門的過ぎて理解できないために、実際の購買活動(投資や借入等)を躊躇している個人が多くいる。その非対称性を取り除くことで、個人が自身のお金と時間につき積極的に考えてもらえるよう、金融領域に特化したメディア運営などを中核事業としている。

ZUUグループはZUU及び連結子会社6社で構成される。

事業環境

昨今の日本のインターネット利用環境は、モバイル及びPCともに拡大を続け、特にスマートフォンの急速な普及もあり、総務省の統計によるとインターネット利用者は2013年に1億人を超え、インターネットを利用している個人の割合は89.8%に達している(「2019年通信利用動向調査の結果」総務省)。

これらのインターネットの急速な普及に伴い、流通する情報量は急激に増加した一方、必ずしもユーザーが閲覧したい適切な情報を速やかに取得できる環境は整備されておらず、特に専門性が高いものほど難解なものが多いため、情報そのものが有効活用されない状況にある。

加えて、特に金融業界では、インターネット活用が遅れ、従来型の大手金融機関からの実店舗を介した情報提供が依然として主を占め、情報取得も益々容易でない状況にある。

ZUUの「フィンテック・プラットフォーム」

ZUUグループのフィンテック・プラットフォーム事業では、「お金に関するリテラシー向上」に寄与する情報の提供を企図し、金融資産3,000万円以上あるいは年収700万円以上のアッパーマス~富裕層を主なターゲットとした『ZUU online』等の金融領域特化型の自社メディア運営を行っている。

そして、それら自社メディアの運営に加え、そこでのノウハウを活用し、金融や不動産企業向けに、フィンテック化の支援として、インターネット上の情報発信を目的としたメディア・プラットフォームの構築/運営やデジタル・マーケティング領域におけるコンサルティング等を実施している。

ZUUグループは、「ZUU online」を金融領域におけるポータル・サイトと位置付け、まず一般個人ユーザーへ金融関連情報を提供することでサイトの活性化を図り、次に、広告掲載等をとおして金融や不動産企業等に同ユーザーへの接触機会を提供することで、結果、日本の金融業界における数少ないインターネット上の「BtoCプラットフォーム」の役割を担うことを目指している。BtoCプラットフォームを拡大させるために、ZUUグループでは、自社メディアへの訪問ユーザー数の増加に注力している。

ZUUグループでは、顧客企業に、オフラインでは非効率的であったリード・ジェネレーション及びリード・ナーチャリングを主とする営業/販促業務を、インターネットを介することで効率的に推進できるように支援をしている。

フィンテックサービスの事業内容・ビジネスモデル

ZUUのフィンテック・プラットフォームにおける「フィンテックサービス」は、金融に興味を有する一般個人ユーザーを集客する自社メディアを開発・運営し、金融機関等とユーザーのマッチングを行っている。

具体的には、金融関連サービスのニーズを有する潜在層ユーザー向けのリード・ジェネレーション記事、リード・ナーチャリング記事を発信することで、ユーザーが金融商品サービスの比較・検討や情報入手を行う土台の環境作りを行うと同時に、そうしたユーザーにリーチしたい顧客企業の営業/販促活動を支援している。

ビジネスモデル

収益モデルとしては、顧客企業乃至は顧客企業が取り扱う商材のプロモーションを行う目的で、有償にて制作され自社メディアに掲載する記事広告のテキストやバナー画像にリンクを張ることにより、当該テキストや画像をユーザーがクリックすると顧客企業のウェブサイトに誘導され、ZUUは、広告掲載場所、広告掲載サイズ、読者数や送客ユーザー数等に応じて、広告料を受け取っている。

また、ZUUで運用を支援しているメディア・プラットフォームを保有している企業に対し、自社メディアを活用したプロモーション施策(メディア・プラットフォームのアクセス数増加施策等)の支援も行っている。また、共同でメディア・プラットフォームを運営している企業に対する支援も行っており、その報酬を受け取っている。

サービスの特徴

エグゼクティブで資産運用ニーズを有するアッパーマス~富裕層ユーザーへのフォーカス:
「ZUU online」は、創業以来、ターゲット・ユーザー層を金融資産3,000万円以上あるいは年収700万円以上のアッパーマス~富裕層に定め、運営をしている。また、ユーザーの行動履歴データ及び会員データから詳細な独自のデータベースを蓄積、分析を進め、ユーザーの“見える化”に努めている。 このデータベースの拡充に伴い、One-to-Oneマーケティングに沿った様々なウェブ・ソリューション・サービスの提供がますます可能となる。具体的には、各会員の趣向や属性に即して、最適化されたターゲティング広告の配信、顧客企業による各会員への個別の情報配信等、を開始している。

質を重視した、専門的分野におけるコンテンツの制作力: ZUUグループは、ユーザー・ニーズを的確に意識した編集チームを配し、企画及び編集を担いつつ、外部の金融関連専門家(ファイナンシャル・プランナー、ファンド・マネージャー、証券アナリスト等)との協力関係も有し、同専門家の隙間時間等を有効活用するための仕組みを取り入れたライター管理システムをZUUグループ独自で構築・運用している。なお、ZUUグループのメディアは専門性の高い金融関連系であるため、コンテンツはトレンドに影響を受ける側面が小さく陳腐化が遅いため、コンテンツがストックしていく特性がある。よって、ユーザーのアクセス量がコンテンツ量に比例する傾向があるメディア・ビジネスにおいて、ZUUグループは制作面において、費用対効果を意識した効率化を推進している。

広告単価の水準:
一般的に、投資信託、生命保険、住宅ローンや不動産等を取り扱う金融関連業界は、衣服や食品等を取り扱う他オンライン取引業界と比較し、その取引額が高額になりがちなため、ZUUグループの広告単価も、消費財を取り扱う場合との比較においては高水準となる。加えて、「ZUU online」をはじめとする自社メディアは、ユーザーへ情報提供から比較まで幅広く支援できるため、潜在層ユーザーの(金融等への)興味を喚起することで、顕在層化できることに特徴がある。そのため、高単価での受注獲得に寄与している。

セールステックサービスの事業内容・ビジネスモデル

ZUUの「セールステックサービス」では、顧客企業の業務効率化の一環として、インターネット上での広告宣伝、集客、そして購買活動を支援すべく、主に当該企業よりメディア・プラットフォームの構築及び運用の支援、デジタル・マーケティング領域におけるコンサルティング等を行っている。

ビジネスモデル

メディア・プラットフォームの構成及びそこで発信するコンテンツ(記事)方針にかかるコンサルティング、プラットフォームの構築や日々の保守運用、コンテンツの制作、集客及び購買に至るまでの対策のコンサルティングにつき、その報酬を受け取っている。また、当社グループの社内文化でもあるPDCAなどを柱にした組織コンサル・サービスも提供している。

サービスの特徴

自社メディアの構築及び運用の実績とそれに基づくデジタル・マーケティングのノウハウ:
日本国内の金融業界においては、欧米諸国の例に倣い、インターネット上での集客そして購買活動の促進を主としたフィンテック化需要の高まりが見受けられる。しかし、これまでほぼオフラインのみでの営業活動を行ってきた金融や不動産企業にとっては、インターネット上でのそれら活動は容易ではなく、多くの企業が苦戦を強いられているのが実情。それらのニーズに対応するため、ZUUグループのメディア構築及び運用の実績・ノウハウが有効活用されている。具体的には、インターネットを介することによる業務効率化の施策として、顧客企業に、ZUUグループの自社メディアで蓄積したリード・ジェネレーション及びナーチャリングのノウハウに基づく営業/販促支援を行っている。

自社メディアへのアクセス・ユーザー数:
一般的に、アッパーマス~富裕層ビジネスは、当該対象ユーザーへのアクセスが容易でないことが大きな課題となる。そのような課題を有する企業にとって、ZUUグループが当該企業のメディア・プラットフォームの構築/運用を支援するとともに、そこでの記事を「ZUU online」でも転載することによる連携で、「ZUU online」を訪問するユーザーへ間接的に接触することが可能となる。

金融業界を熟知した上でのインターネット・ソリューションの提供:
金融業界におけるフィンテック化が注目を集める中で、『その広大な定義に対して何から手を付けるべきか』、『どのようにフィンテック化していくべきか』等、が重要なテーマとなっている。ZUUは、金融業界出身者が多くを占めるインターネット企業であるため、同業界での顧客企業への深い理解を前提としたインターネット・ソリューション・サービスを提供でき、そのような業界テーマへも的確に対応することができる。

PDCAサービスの提供:
ZUUのコアバリューである「鬼速PDCA」をベースとして、仕組みの導入・定着に向けた支援を実施するとともに、顧客のPDCA最適活用を目指し、主に経営・マネジメント・セールス面のPDCAプロセスをクラウド上に可視化するサービスを提供している。

経営方針

ウェブ・サービスの世界は技術革新が目まぐるしく、ユーザーの行動様式の変化は早くかつ激しく、また他社による新規参入や新規サービスの出現も少なくないことから、事業環境の変化はますます激しくなっている。

そのような中ZUUグループは、「世界に、熱を。人に、可能性を。」というミッションのもと、「90億人が平等に学び、競争し、挑戦できる世界の実現」をビジョンに掲げ、事業基盤のさらなる確立と強化、新規事業の展開、優秀な人材の確保・育成や組織体制の整備・拡充に力を注いでいる。

経営戦略

事業基盤であるフィンテック・プラットフォームのさらなる地位確立と強化

ユーザへのサービスラインナップ拡充、ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスの向上によるサイト基盤の強化、スマートフォンアプリの継続的改良と機能追加、外部企業とのコンテンツでの連携強化、コンテンツの効率的な制作体制の構築とコンテンツ量の増大、費用対効果を伴う広告宣伝施策によるユーザー層の拡大などを推進している。

新規事業・サービスへの積極的な取り組み

ユーザーの属性や行動履歴データの蓄積に伴うユーザーの会員化を推し進める一方、クラウド・ファンディングの領域などで新たなサービス展開を開始しており、次代の柱となる事業の創出に向けて取り組んでいる。

アライアンスの強化による事業の拡大

既存の事業パートナーとのアライアンスの強化、および新たな事業パートナーの拡大によって、双方にメリットのある取り組みを進め、強固なエコシステムの構築を目指している。

システムの安定性確保

ZUUは、事業規模の拡大に応じた適切な設備投資を行い、システムを整備・強化し、システムの安定性を確保するよう努めている。

優秀な人材の確保・育成

経営理念と企業文化を共有できる人材の採用強化や、社外の優秀な専門家との良好なネットワークの構築・維持、人材育成制度の充実などによって、企業と人材がともに成長できる体制の整備・維持・改善を推進している。

2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月22日)