電通グループ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆238億5600万 円
銘柄コード 4324(市場第一部(内国株))

株式会社 電通は東京都港区に本社をおく企業。1901年に光永星郎が日本広告株式会社を設立し、4ヵ月後に電報通信社を併設したのがはじまり。1955年社名を株式会社電通に変更。2001年、創立100年を機に東証一部に上場。2009年電通グループの新企業理念「Good Innovation.」を発表。コミュニケーション領域を中核に、広告主やメディア・コンテンツ企業などの顧客の経営課題・事業課題の解決やマーケティングの実施まで全てを事業領域とし、国内外での総合ソリューションを提供。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社電通グループ(DENTSUGROUP INC.)は東京都港区に本社を置く広告関連企業。1901年、戦時中に特派員を務めていた光永星郎氏が「日本広告株式会社」を設立し、同年にニュース配信事業を行なう「電報通信社」を創設したのがはじまり。1936年より広告代理店専業となり、1947年には吉田秀雄氏が社長就任、社則「鬼十則」を定めたほか、広告取引システムの近代化に努めた。1955年に社名を株式会社電通に変更。1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックよりスポーツイベント関連事業へ本格的に参入する。2001年、創立100年を機に東証一部に上場。

2009年電通グループの新企業理念「Good Innovation.」を発表。2013年にイギリスの「Aegis Group」を買収し、「Dentsu Aegis Network Ltd」を発足。2020年1月より純粋持株会社体制へ移行し、社名を「電通グループ」に変更した。現在は国内外での総合ソリューションを提供し、コミュニケーション領域を中核に、広告主やメディア・コンテンツ企業などの顧客の経営課題・事業課題の解決やマーケティングの実施まで全てを事業領域とする。

事業内容

電通グループは、広告を中心にコミュニケーションに関連するサービスを提供する事業を行っている。日本国内では広告事業のほか、情報サービス事業や不動産関連事業を展開している。また、2013年に「Aegis Group」を買収したことを機に、M&Aを軸として海外事業を拡大している。事業内容および電通と主な関係会社の当該事業に係る位置付けならびにセグメントとの関連は、国内事業と海外事業に分けられ、各業態が関連している。

国内広告事業

国内事業における広告業については、主に国内のすべての広告、マーケティングサービス、およびコンテンツ・ビジネスを主な業務としている。 電通東日本、電通西日本、電通九州、電通北海道、電通名鉄コミュニケーションズ、ザ・ゴール、電通アドギア、電通デジタル、電通ライブ、電通テック、電通ダイレクトマーケティング、CARTA HOLDINGSの各社が該当する。

情報サービス事業

情報サービス事業では、電通国際情報サービス(ISID)が該当する。情報システムに関するコンサルティング・開発・運用、各種ソフトウエアプロダクトの販売・総合ネットワークサービス等を行っている。

その他国内事業

その他の事業では、電通ワークスが該当する。ビルの賃貸管理、不動産の売買・仲介、損保代理業等の業務を行っている。

海外事業

海外事業における広告業については、主に海外のすべての広告、マーケティングサービスを主な業務としている。

Dentsu Aegis Network Ltd.
Dentsu Aegis London Ltd.
Aegis International Ltd.
Portman Square USHoldings Ltd.
Aegis Group Participations Ltd.
Aegis Triton Ltd.
Aegis GPS Holdings Ltd.
Aegis Finance Ltd.
DAN Regents Place Finance Limited
Dentsu Aegis Network Central Europe Holding GmbH
Dentsu Aegis Network Central Europe GmbH
Dentsu Aegis Network France SAS
Aegis International Holding Company BV
Dentsu McGarry Bowen,LLC
360i LLC
Dentsu Aegis Network US Holdings, Inc.
Merkle Group Inc.

電通は2013年3月にイギリスのAegis Groupを買収し、「Dentsu Aegis Network(電通イージス・ネットワーク社)」を発足。その後も買収を繰り返しながら海外事業を拡大している。

経営方針・経営環境

国内・海外を問わず、顧客のニーズは従来の広告・コミュニケーション領域を超え、顧客の事業戦略に基づいた統合的な課題解決力や、データを駆使した企画提案・実施力が求められている。それに伴い、コンサルティング業界など広告業界以外の企業と競合するケースが増えつつあり、電通グループを取り巻く競争環境は厳しさを増している。

この競争環境の下、電通は2020年1月から純粋持株会社「株式会社電通グループ」体制に移行した。グループ全体のガバナンス機能を担うに留まらず、価値創造およびイノベーション創発に取り組む全てのグループ内の個社・個人を「チーミング・カンパニー」として、グループ全体を下支えしていく。

国内事業の対処すべき課題

国内事業においては「労働環境改革の継続的推進」と「国内における事業基盤の強化」を課題として挙げている。

労働環境改革の継続的推進

社員ひとりひとりが恒常的に良好なコンディションを維持できる労働環境を整えることは、電通グループが適切に労働法規を遵守する礎となるに留まらない。2018年度に「1,952時間」だった同社の社員1人あたり総労働時間は、2019年度には「1,903時間」に減少した。電通グループは、社員の労働環境の改善に向けて一層積極的に取り組んでいく方針である。

国内における事業基盤の強化

「国内における事業基盤の強化」については具体的に3つを挙げている。第1に、組織再編である。デジタル領域におけるケイパビリティの強化デジタル事業基盤の強化として2018年度に資本業務提携したセプテーニ・ホールディングス、およびVOYAGE GROUPとサイバー・コミュニケーションズを統合し新たに設立された株式会社 CARTA HOLDINGSを加えた。両社との協働により従来の電通グループの経営資源と両社の経営資源間の連携・強化を推進し、国内のデジタル広告領域における業界最高水準のサービス提供に向けて大きな一歩を進めた。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催および成功

2019年度は、世界水泳、世界陸上、ラグビーワールドカップなどの世界的なスポーツイベントに数多く関わった。特にラグビーワールドカップは世界から大いに注目され、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた機運は大いに高まり、そのアクティベーションに向けた礎を構築できた1年となった。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大を受け、2020年3月24日、国際オリンピック委員会と東京2020組織委員会は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の延期を発表した。そして2021年夏までに開催することで合意した旨の共同声明を出した。東京2020組織委員会をはじめ、関係するスポンサー企業および各種スポーツ競技団体等とも綿密に連携し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催および成功に向け、グループ一丸で取り組む方針である。

広告・マーケティング周辺領域および広告・マーケティング以外の領域での収益源の確保および拡大

今後も日本社会を活性化しつつ電通の収益源を多様化する新たな領域に積極的に取り組む方針を定めている。

海外事業の対処すべき課題

海外事業の課題として「事業基盤の整備」と「海外事業を取り巻く競争環境への対応」の2点を挙げている。

事業基盤の整備

電通グループは2013年3月に英国のAegis Group plc(以下、イージス社)を買収して以降、海外事業を電通イージス・ネットワーク社の下で再編し、積極的なM&A活動を行うことでグローバルネットワークを拡充している。

今後も着実に収益を拡大しつつオペレーティング・マージンを改善すること、急速に変化する電通グループを取り巻く競争環境に柔軟に対応できる事業基盤を整備することを目的に、2019年12月から構造改革に着手した。オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、シンガポール、英国の各地域でこの構造改革を着実に実行し、海外事業の強靭な事業基盤を構築していく方針である。

海外事業を取り巻く競争環境への対応

従来、電通グループの海外事業は広告業界におけるメガエージェンシー・グループと競合関係にあったが、この数年間で、国内事業と同様に他業種との新たな競争環境が生じている。この競争環境の下で電通グループの提供サービスが市場をリードし続けるために、海外事業をクリエーティブ、メディア、CRMの3つの事業ユニット(ライン・オブ・ビジネス)に再編した。顧客に対して、クリエーティビティとデータ・テクノロジーの活用を組み合わせた統合的ソリューションを提供できるシンプルかつ柔軟な体制を整えることで、今後の顧客ニーズの変化に万全の対応を行っていく。

社会課題への取り組み

電通グループはグローバルでの社会課題にも引き続き取り組んでいく方針である。2019年6月にはG20(持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合)が開催され、気候変動、生物多様性の損失、資源効率性、持続可能な消費と生産、などについてのアクションプランが示された。事業として手掛けるマーケティング・コミュニケーション領域は、企業と生活者をつなぐ懸け橋の役割を担うものとして、大きな社会的使命を帯びている。

電通グループは、生活者に持続可能性のある消費行動を促すとともに、責任あるコミュニケーションを実践するなど、「ESG(環境、社会、ガバナンス)」の観点を重視して企業経営にあたることは必要不可欠と考えている。結果的に「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)への実現にも貢献できるものと捉えている。


2019年12月期 有価証券報告書(提出日:2020年3月27日)