2021年03月02日 07:00
セントラルキッチンのパイオニア
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回転ずし大手のスシローグローバルホールディングスは2月26日、吉野家ホールディングスから京樽を買収すると発表した。

京樽は持ち帰りずし「京樽」や回転ずし「海鮮三崎港」などを展開する。2月末時点では国内に333店舗、中国に2店舗を構えている。

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京樽は1932年、割烹料理店として京都で創業した。1937年には人形町に料亭をオープンし、東京へ進出。酢飯を卵で包んだ看板商品「茶きん鮨」のヒットもあり、徐々に知名度を広げていった。

大きな転換点となったのは、1968年の 日本初となるセントラルキッチンの建設だ。同じ品質の商品をどの店舗でも低コストで提供できるようになり、チェーン展開を加速。1984年には和食チェーンとして初めて東証一部に上場した

本業は堅調だったものの、バブル期に財テクや不動産投資で失敗。1997年に会社更生法の手続きを申し立て、事実上の倒産を経験した

救世主となったのが吉野家HD(当時は吉野家ディー・アンド・シー)だ。1999年に50%の出資を受け、2011年には完全子会社となった。

積極出店を続けて増収基調にあったが、コロナにより状況が一変した。都市部に出店の多い京樽は打撃を大きく受け、2020年3〜11月期は20億円の営業赤字に転落。吉野家から切り離されることとなった。

今後はコロナ禍でも成長が続くスシローのもと、持ち帰りサービスを強化して成長を狙う。