2021年02月22日 07:00
瞬く間に失敗した「Quibi」とは
Bpr5qllspctv0fkxmvejvg
Shutterstock

成長領域に豪華な経営陣が臨んでも、必ず事業が成功するとは限らない。

サービス開始からわずか10ヶ月で終了したスマホ向け動画配信サービス「Quibi」はその代表例といえる。

創業者のジェフリー・カッツェンバーグ氏は、ウォルト・ディズニーの元会長だ。1994年にスティーブン・スピルバーグ氏らと立ち上げたスタジオ「ドリームワークス」は、2001年映画「シュレック」でアカデミー長編アニメ映画賞を受賞している。

CEOにはeBayやHPの元CEO、メグ・ホイットマン氏。取締役にはスピルバーグ氏など、まさにアベンジャーズのような布陣だ。

サービスを開始した2020年4月は、アメリカでは新型コロナの第一波を経験。NetflixやDisney+などにとっては、巣ごもり需要は追い風となっていた。しかし、通勤途中などでの視聴を想定した短い動画(最長10分)を提供するQuibiには「タイミングが悪かった」としている。

思うように利用が伸びず、特許侵害の訴訟トラブルにも直面したQuibiは10月、サービスからの撤退を発表。「我々が失敗したのは、試さなかったからではない。全ての選択肢を検討し、万策尽きてしまった」という。

声明文では「すでに制作していたコンテンツを最大限活用してくれる買収先を探す」とも宣言。その言葉通り、今年の1月8日に動画ストリーミング端末を展開するRokuに、コンテンツと配信権を売却した。