2021年01月11日 08:00
冷やしワクチン
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ツインバード工業は、新潟県に本拠をおく家電メーカー。調理家電や掃除機、照明機器などをつくる企業だ。

8日に発表された3~11月決算は、売上高が前年比5.7%減の77.6億円。営業損益は2.1億円の赤字だった。

コーヒーメーカーなど調理家電の売上が前年比14.1%増に伸長、直近3か月の売上高は前年比6.8%増の25.3億円だった。大部分を占める量販店チャネルや業務用家電で厳しい状況が続く。

ツインバード工業

全体として好調には見えないツインバード工業だが、株価は10日弱で4倍以上に急騰。背景にあるのが「保冷庫」需要だ。各社が開発したCOVID-19ワクチンはどれも特別な保冷を必要とする。

ツインバード工業は2002年に「FPSC」技術を開発、最低-50℃、±0.1℃単位で温度制御できるスターリング冷凍機の量産化に成功した。

2020年6月には日経新聞が注文殺到を報道。10月には前期販売台数の約2倍に相当する1,000台を受注したことを発表した。

年明けには2モデル合計で7,500台(累計8,500台)の追加受注を獲得、2021年2月期の業績予想を上方修正した。生産能力次第では来期に数十億円規模の事業に成長する可能性もある。