2021年01月08日 08:00
暗雲
Shutterstock

米国で起こった議会への乱入事件。発端は、大統領その人の発言だった。

6日、米連邦議会ではバイデン次期大統領を正式に選出する会議が開かれた。トランプ氏は、集会で自らの支持者に議事堂へ「行進」するよう呼び掛けていた。

支持者は議事堂に向かい、建物をおよそ3時間にもわたって占拠。会議は中断された。

トランプ氏はSNS上で「気持ちは分かる。選挙は盗まれた。だが、家に帰るときだ」などと呼び掛けた。米政府は州兵を出動し、デモ隊を排除。事態は収拾されたが、4名が死亡した

YouTubeやFacebook、Twitterはトランプ氏の動画を削除し、TwitterとFacebookはアカウントを一時凍結させた。

米議会は7日早朝に民主党バイデン氏の大統領選勝利を正式に認定。トランプ氏は11月以来、選挙結果を覆そうとしてきたが、その挑戦は終わることとなる。

トランプ大統領は「20日には秩序ある政権移行が行われる」としながらも、選挙結果には全く同意していないことを表明。共和党議員からは憲法修正25条を発動して同氏を免職すべきという意見も出ている。

トランプ氏が大統領でなくなっても、米国に今回のような暴動の火種があるという事実は消えない。今後も尾を引きそうな事件である。