労働組合、誕生
Shutterstock
400人を超えるGoogleのエンジニアなどが労働組合を組織した。米国のテクノロジー産業では異例のことだが、近年、Googleでは従業員と経営陣の対立が問題になっていた。
組成された組織は「アルファベット・ワーカーズ・ユニオン」。アルファベット社の従業員だけでなく、世界全体を「保護」することをミッションに掲げる。
伝統的な労働組合とやや異なるのは、組合への参加者がごく一部でしかないことだ。Googleには、フルタイムの従業員だけでも10万人を超える人員がいる。
シリコンバレーは、組合活動などについて比較的「静か」な方だった。しかし、最近ではAmazonやセールスフォース、Pinterestでも多様性や機会の均等性、セクハラ問題を解決しようとする動きが増えている。
その中でも特に顕著な動きを見せていたのがGoogleだ。
2018年には、2万人を超える従業員が、社内で起こったセクハラ事件の対処について抗議した。国防総省向けに人工知能を開発するプロジェクトを「非倫理的」だとして反対する動きもあった。
テクノロジー産業で働くエンジニアは、世界的に見ても所得水準が高い。だからこそ労働組合が組成されにくかった。今、引き金になっているのは倫理面である。
シリコンバレーにおいて、こうした動きはまだマイノリティだ。しかし、重要な問題であるのは確か。今後どのような動きがあるか、引き続き注視したいところ。