肥大化する日銀のバランスシート
Shutterstock
1月5日の発表によると、日本銀行の資産合計は702兆円にのぼった。1年前と比べると約130兆円、9年前からは560兆円もの拡大である。
背景にあるのは、新型コロナウイルスに対応するための資金供給である。最も大きく増えたのは「貸付金」で、前年の49兆円から112兆円へと急増した。
割合としては大きくないが、目を引くのが「金銭の信託」の増大だ。ここには日銀が保有するETF(指数連動型上場投資信託)が主に含まれ、2020年末時点で合わせて36兆円を超えた。
日銀は、2020年から企業の資金繰り支援を最優先事項として掲げてきた。民間銀行への貸し出し原資供給など制度を拡充し、貸付金の急増につながっている。
社債やコマーシャルペーパー(CP)の買入も拡大し、それぞれ6.5兆円、4.4兆円に倍増した。
日経平均はバブル期以来の高値をつけているが、日銀の支援策が大きな影響を与えている。日銀が保有するETFは時価およそ45兆円に膨らんでおり、今後の退路はあるのか?という声も散見される。