真空シールで世界シェア65%「フェローテック」半導体業界の隠れた巨人に迫る
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今回取り上げるのは、半導体製造装置に用いられる複数の製品で高い世界シェアを持つフェローテックホールディングス(以下、フェローテック)。真空環境を維持するための基幹部品や、消耗品として使われる石英やセラミックス、精密な温度制御に用いる電子機器を扱う会社です。
生成AIやデータセンターの需要拡大を背景に、半導体市場は世界的に注目を集めてきました。半導体メーカーや製造装置メーカーの動向が日々報じられる一方で、製造プロセスを支える消耗部品や素材を提供する企業の存在は、一般的にあまり知られていません。
フェローテックの原点は、1980年の設立当初から手がけてきた「磁性流体」。その特殊な性質は半導体製造において重要な役割を担っています。また、M&Aを通じて事業領域を広げることで、同社は半導体プロセスの各所において製品ポートフォリオを構築するに至りました。
先進的な半導体の需要が高まる現代社会において、フェローテックの事業はどのように関わっているのでしょうか。今回の記事では、同社の来歴を簡単に紐解いた上で、ビジネスモデルや今後の成長戦略について紹介します。