「007」製作会社が事業売却を検討
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「007」や「ロッキー」シリーズを手掛けた映画製作会社MGMホールディングスが事業の売却を模索している。
すでにモルガン・スタンレーやライオンツリー(LionTree)などを通し、正式な売却プロセスを開始。MGMは非公開企業だが、市場価値は55億ドルほどだという。
MGMは2018年にも事業売却の噂について報じられていたが、価格が高すぎるとして交渉が進まなかった。
それから2年弱が経ち、市場環境は変わった。伝統的な映画業界が苦境にあえいでいる一方、動画配信サービスが盛り上がり、積極投資を拡大している。
売却先の候補は国際的なメディア企業、PEファンド、白紙小切手会社(SPAC)など。ストリーミングの普及により、不朽の名作の価値を算定しやすくなったのは確かだ。
MGMの最大株主は投資ファンドのAnchorage Capital Group。近年は低パフォーマンスで顧客からも見放され、なかなか現金化できないMGMへの投資が重要度を増している。
2020年の最初の四半期、MGMは1.8億ドルの調整後EBITDAを稼いだ。前年の1.2億ドルから大幅な増益である。新作『No Time to Die』のリリースに合わせて売却したいというのが、株主の意向なのであろう。