2022年09月26日 12:30
不妊治療に新風 世界進出めざすゲノム検査スタートアップ、Varinosとは
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2017年設立のスタートアップ、Varinos(バリノス、東京都江東区)がグローバル展開の準備を進めている。同社はゲノム(全ての遺伝情報)の解析技術を使って、子宮内のごく微量な菌を調べる検査サービスを世界で初めて実用化した。

近年の研究によって、子宮内の菌環境の乱れが体外受精の成功率を下げることがわかっている。バリノスの検査で菌の特定が可能となり、特定の菌を増減させて正常化する新たな不妊治療につながっている。

国内では250以上のクリニックに検査サービスが導入され、累計の検査数は約2万件。競合は世界でも1社しかなく、肝となる検査精度で優位に立っている。

そのため、晩婚化などで不妊治療が活発化する各国からの需要も大きい。創業者の桜庭喜行CEOは「引き合いのある全ての国にいきたい」と語り、早ければ2022年内にアジアと欧州に進出したい考えだ。

技術は子宮内膜症や子宮頸がんの検査にも応用が可能とみて、新たな領域の研究開発も進めている。桜庭氏にバリノスの戦略と展望を聞いた。