2022年06月14日 17:00
化粧品ECのPurplle、ユニコーン企業に 評価額11億ドル
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インドで化粧品や美容品のECサイト「Purplle.com」を運営するManash Lifestyleが3300万ドル(約44億円)の資金調達を実施し、企業価値の評価金額が11億ドルとなった。インドでは102社目のユニコーン企業となる。

どんな企業?

経営コンサルティングやスタートアップ支援を展開するドリームインキュベータの発表によると、Manashは2012年設立された。経済発展が続くインドで美容領域の需要拡大、デジタル化を背景に、10年で月間アクティブユーザー数が700万人を超える規模になった。

Purplleでは6万点の商品が販売され、年間の流通総額は1億8000万ドル。1000以上ある化粧・美容品ブランドから直接調達することで、偽物を排除している。現在は2400人以上の従業員を抱える。

画像名 Purplleのアプリ画面=Strainer

ドリームインキュベータのほか、ベンチャーキャピタルの米Sequoia Capital(セコイヤ・キャピタル)、金融大手の米Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)らが出資している。今回の資金調達で、累計の調達額は2億1500万ドルとなった。

関係者コメント

共同創業者兼CEOのManish Taneja氏は調達した資金について、「資金は技術への投資、プライベートブランドの拡大、製品の強化に投じる。業界初のイノベーションでインドの美容業界を構築していく」と述べた。

市場動向

シンクタンクの日本総合研究所(東京都品川区)によると、インドの人口は2040年代前半に15億人規模まで増える。少子化の加速で人口のピークを迎える時期が早まる可能性を指摘されているが、依然市場としての成長余地は大きい。2021年度の実質GDP成長率の推計値は8.7%と高水準だった。

モバイル端末の普及でネットサービスを運営するスタートアップが続々登場し、市場の成長持続への期待感で世界中から投資マネーも流れ込む。ユニコーンが10社程度とされる日本に対し、インドは100社を超えている。