円が24年ぶり安値 一時1ドル=135円台前半に
Strainer
13日の東京外国為替市場で円が対ドルで下落し、午後1時過ぎに1ドル=135円台前半まで値下がりした。1998年以来、24年ぶりの水準となる。
なぜ?
日米の金利差の拡大が背景にある。アメリカは原油の価格高騰などでインフレが進行し、5月の消費者物価指数が前年同月比8.6%増と約40年ぶりの高水準を記録した。
中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は14〜15日に開く会合で、インフレ抑制のため大幅な利上げに踏み切る見通しだ。一方で日本は景気回復に向けて、日本銀行が大規模な金融緩和策を継続している。金利差が広がるとの見方から、円を売る動きがさらに進んでいる。
日本銀行が公表する月次の円相場(月末17時時点の推移)の統計資料によると、最後に135円台を記録したのは1998年9月となっていた。
政府の反応は?
松野博一官房長官は13日の記者会見で、「急速な円安を憂慮している。政府は日銀と緊密に連携しつつ、為替相場の動向や経済・物価への影響を注視する」とコメントした。
また為替政策については「過度な変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与えるというG7の考えを踏まえ、各国の通貨当局と意思疎通を図りつつ、必要な場合には適切な対応をとりたい」とした。