電力サービスのWASSHA、11億円調達 コンゴ進出へ
WASSHA
アフリカの電気が使えない地域で電力サービスを提供する東大発スタートアップのWASSHA(ワッシャ、東京都文京区)は、提携するダイキン工業などから11億4000万円を調達した。コンゴ民主共和国への進出やIPOの準備に資金を充てる。
どんな企業?
2013年設立。アフリカの農村などにある小規模小売店を通じ、太陽光発電のLEDランタンを1日単位で貸し出す事業を2015年に始めた。利用客は現地で普及する電子マネーを使い、料金を前払いする仕組みだ。
タンザニアとウガンダ、モザンビークで所得が安定しない消費者に対してサービスを提供している。5月時点で、提携する現地小売店は5100店、1日の利用回数は10万回に増えたという。
2020年にはダイキンと合弁会社を設立し、タンザニアでエアコンを都度払いで利用できるサービスを始めた。
今回のシリーズC(事業成長段階)の調達ラウンドで、累計調達額は約35億円となった。ダイキンやヤマハ発動機など既存投資家に加え、第一生命保険が新たに出資している。
資金使途は?
秋田智司CEOは「金融や物流など社会性と事業性を両立したサービスを展開する会社に成長していくフェーズに入る」として、新規事業開発やIPOに向けた人材採用に資金を振り向ける。現在は日本と進出地域で200人以上の従業員を抱える。
現在事業を運営する東アフリカから、2023年に西アフリカ地域にも参入していく。2022年内にコンゴでも始める方針だ。
関係者コメント
「アフリカの社会課題解決と、持続可能な成長に向けた現地雇用の創出、両社の事業拡大につながると期待する」(ヤマハ発動機の丸山平二取締役)