楽天、ドラマ制作→配信→物販を包括提供 経済圏のデータ活用
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楽天グループは9日、国内で人気漫画の実写ドラマを制作した上で、作品の配信、関連商品のグッズ企画・販売を自社のサービスで包括的に提供する取り組みを始めると発表した。1億人以上の会員がいる自社の「経済圏」の購買や視聴データを分析し、商品のマーケティングにも活用する。
なぜ重要?
作品の視聴者の購買動向や自社のその他のサービスの利用状況といったデータを複合的に分析することで、ファンの傾向や趣向をより深く捉えやすくなる。
分析結果をファンの好みに合わせたプロモーションや商品企画・販売に活かし、「放映・配信にとどまらない多角的なドラマ体験を創出する」(楽天グループ)という。
楽天はECや通信、動画配信、金融、電気・ガス販売など70以上のサービスを展開し、複数利用する消費者をポイントで優遇する自社の「経済圏」を構築してきた。会員の消費動向を横断的に分析できる利点を活かし、エンターテインメント領域でも新たな顧客価値を生み出したい考えだ。
どんな作品?
楽天グループ
徳間書店の漫画「壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている」を実写ドラマ化する。製作幹事を楽天、制作を関西テレビ局の朝日放送テレビ(ABCテレビ)が担う。同局の深夜帯で10月から放送される。
楽天は各話の放送終了後、Rakuten TVなどでも作品を配信する。配信の視聴、グッズやイベントチケットの購入といった会員のデータを分析し、ファンの好みに合うコンテンツも提供していく。