2022年06月06日 19:35
暗号資産の詐欺被害額 21年以降で10億ドル超 米FTC報告
Strainer

米連邦取引委員会(FTC)は、2021年1月から2022年3月までに報告を受けた詐欺による暗号資産の被害額が10億ドル(約1300億円)を超えたと明らかにした。詐欺師が指定する支払い手段として、暗号通貨が多く利用されるようになっている。4万6000人以上から報告があり、詐欺被害額の4ドルに1ドル程度が暗号資産だったという。

詳しい内容

詐欺師への支払いに使ったと報告した暗号通貨の上位は、ビットコイン(70%)、テザー(10%)、イーサ(9%)だった。

2021年に報告された被害額は6億8000万ドルと、2018年(1200万ドル)の約60倍だった。FTCは被害を止められない要因に「詐欺が起こる前に送金を止める銀行やその他の中央集権的な機関がなく、暗号化された送金は取り消すことができない」ことを挙げた。

また、2021年以降に詐欺で暗号通貨を失ったと報告した人の半数近くはSNS上の広告や投稿などを起点に被害にあったとしている。

詐欺の種類ごとの被害額は、投資詐欺が5億7500万ドルとトップで、恋愛詐欺(1億8500万ドル)、企業や政府になりすました広告などの詐欺(1億3300万ドル)も目立った。

FTCは「詐欺の大部分は報告されておらず、これらの数字は被害のごく一部を反映しているに過ぎない」と警告している。