2022年05月26日 18:33
楽天やパナ、自動配送ロボで宅配 つくば市で
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パナソニックホールディングス

楽天グループとパナソニックホールディングス(HD)、西友の3社と 茨城県つくば市は26日、つくば市内で自動配送ロボットによる公道を使った配送サービスを期間限定で始めると発表した。西友が取り扱う商品をつくば駅周辺の家庭に最短30分で配送する。

Detail(具体的な内容)

5月28日から7月30日までの間、毎週土曜日の計10日間サービスを提供する。配達対象エリアは、つくば駅周辺の1000世帯。近隣にある西友の店舗が取り扱う、生鮮食品や冷凍商品、お惣菜を含む飲食料品や日用品など2000点以上が注文可能だ。手数料110円となっている。

楽天が開発したスマートフォン向けの専用サイトで注文する。配送中は専用サイトを通じて配送ロボの位置や到着予定時間を確認できる。

自動配送ロボはパナソニックが開発した「X-Area Robo」を使用する。東京都内に構えるパナソニックの研究開発拠点から、遠隔管制システムを使って監視と操作を行う。

Value(なぜ重要?)

慢性的な人手不足が続く物流業界では、自動配送ロボットが解決の一助になると期待が高まっている。国土交通省によると、2020年度の宅配便(トラック)の取扱個数は2019年度比11.5%増の約47億8500万個だった。新型コロナウイルスの流行によるEC利用の増加もあり、物流事業者への負担はますます大きくなっている。

楽天と西友は、国内初となる公道走行によるスーパーからの自動配送サービスを、2021年3月から神奈川県横須賀市で期間限定で提供するなど、社会実装に向けた取り組みを重ねている。

今年の2月には、楽天とパナソニックのほか日本郵便やホンダなども参画する「ロボットデリバリー協会」が発足。配送ロボが公道を走行するための自主的な安全基準の制定や認証の仕組みづくりを目指す。

Trend(市場動向)

調査会社のMarkets and Markets(マーケッツ・アンド・マーケッツ)は、世界の配送ロボットの市場規模が、2021年の2億1200万ドルから年平均35%で成長し、2026年までに9億5700万米ドルに達すると予想する。「ラストワンマイル配送でのコスト削減や、関連スタートアップの資金調達の増加などが、市場の成長を促進させる」と分析している。