2022年05月24日 16:28
DiDiが米国で上場廃止 株主総会で承認
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中国配車アプリ大手のDiDi Global(ディディ・グローバル=滴滴出行)は米国時間23日、米証券取引委員会(SEC)に上場廃止を申請すると発表した。中国当局が情報流出を懸念して同社の管理体制などを1年前から調査しており、ディディは「サイバーセキュリティの審査と是正措置に協力する」という。

Value(なぜ重要?)

中国では「サイバーセキュリティ審査弁法」が2月に改正・施行され、100万件超の個人情報をもつネット事業者が中国外で上場する場合には中国当局の審査対象となる。中国は重要なデータが越境するリスクを懸念して締め付けを強め、中国テック企業の海外展開の難度が高まっている。

Detail(詳しい内容)

北京で開かれた臨時株主総会で、株主が上場廃止を賛成多数で承認した。完了までほかの証券取引所には上場しない方針だ。これを受けてディディは23日、上場廃止の手続きに入るとニューヨーク証券取引所に通知した。6月2日以降、SECに申請する。

中国当局はディディの米国上場直後の2021年7月、同社の情報管理体制などを審査対象に指定。中国で新規利用者の登録停止を求め、「法律に違反して個人情報を収集する疑いがある」としてアプリの削除も要請した。ディディは「中国事業に悪影響があり、罰金など制裁措置が課された場合に成長が阻害される可能性がある」としている。

Trend(市場動向)

画像名

ディディ株の23日終値は前日比4%安の1ドル44セントだった。2021年7月上場時の初値(16ドル65セント)の1割に満たない水準だ。2021年12月期決算は500億元(約9500億円)の最終赤字を計上していた。

日本ではソフトバンクグループやトヨタ自動車がディディに出資している。