2020年12月07日 07:17
Walmart、Amazonを追う戦い
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Eコマースの普及が進むにつれ本格化しているのが、Amazonとウォルマートの競争である。

1962年に創業したウォルマートは、米国の小売業界では他に類を見ない存在だ。従業員数は220万人を超え、世界で最も大きい。

そのウォルマートも、ネット通販ではAmazonに遠く及ばない。米国のEコマース市場ではAmazonが38.7%を占め、ウォルマートは5.3%にとどまる。

しかし、2020年のパンデミックでデジタルの重要度はさらに高まっている

新たに開始したのが、『Amazon Prime』に対抗する定期課金サービス『Walmart+』だ。年額98ドルで店舗から必要な商品を送ってくれるほか、様々な特典がある。

調査によると、Amazon Primeに参加するユーザーの81%は高速配送が課金の目的だという。食料品目的で使うのは2%に過ぎない。

有力プレイヤーとの連携を進める

ウォルマートにとって、食料品ECでAmazonに負けないことは重要だ。対策を急ぐため、今年8月にはInstacartとの提携も発表した。

Amazonとの直接対決はオムニチャネル型の食料品ECだけではない。

2016年のJet.com買収を機に、EC事業に本格的に注力してきた。Jet.comはクローズしたが、その中で得た人材や知見が今のウォルマートを動かしている。Walmart.comに参加する事業者は、この一年だけで倍増した。

今年6月にはShopifyとの提携も発表。Shopifyに参加する事業者が、Walmart.comにも出品できるという内容だ。

一方でAmazonは、全く同じ商品を自社でも直販し、サードパーティ事業者も出品するなど、Amazon側に不当に有利ではないかと論争になっている。事業者の商品を模倣する問題も含め、独占禁止に関する風当たりは強まる。