マスクなしでも成長できる
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2020年、米国でもっともパンデミックによる追い風を受けた企業の一つが「Etsy」だ。
Etsyが扱うのは、ハンドメイド品に特化したマーケットプレイス。新型コロナが拡大する中でマスクの需要が増え、マスクだけで3.5億ドル分もの販売があった。
これによってEtsyの株価は年初から3倍を超える水準に押し上げられたが、こうなると怖いのが「特需が消えたとき」にどうなるかである。
7〜9月期決算では、Etsyのマスク取扱高は全体の11%に減少した。このトレンドは今後も続きそうだが、一方で堅調なのがマスク以外の需要である。
2020年のサイバーマンデーでは、Etsyの取扱高は前年比73%増と、米国でも圧倒的な伸び率になった。
他の大手ECでは、ターゲットが43%増、ウォルマートが36%増、Amazonが19%増など。元々の規模の違いはあれど、非常な追い風を受けたのは確かだ。
サイバーマンデーにマスクを買った人は多くないはず。つまり、この数字はEtsy全体への追い風ということになる。
Etsyは、他では手に入らない手作りギフトを買えるマーケットプレイスとして随一の存在になりつつある。今年、最も検索されたキーワードは「personalized gift」だった。
コロナ禍でスモールビジネスを支援しようという機運が高まっているのも、Etsyにとっては追い風だった。Etsyの時価総額は現在、195億ドル。これからどういう変化をするか注目したい。