フィンランド、NATO加盟を正式に申請へ
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北欧のフィンランドが「軍事的中立」からの転換に向けて動き出した。ニーニスト大統領とマリン首相が15日に共同で記者会見を開き、NATOへの加盟申請を進めることを表明した。
NATO(北大西洋条約機構)は集団防衛、危機管理、協調的安全保障の三つを中核的任務とした国家の集合体。1949年に設立され、米国や英国など30か国が加盟している。
ちなみに日本はNATO加盟国ではなく、パートナー国としての位置付けである。
フィンランドはロシアとスウェーデンに挟まれ、かつてスウェーデン、その後ロシアによって統治された。ロシア帝国の崩壊と共に独立したが、第二次大戦下でロシアからの侵攻を受けた歴史を持つ。
軍事的中立を保ってきたのは、国境1300kmを接する隣国ロシアへの配慮による。過去にはソ連崩壊を機にEU加盟に向けた動きを活発化するなど、「中立政策」にも変化はあった。
フィンランドのマリン首相は「ウクライナでの戦争」をNATO加盟の主たる理由に挙げる。ロシアが国際社会から孤立すれば、「ロシアへのゲートウェイ」であり続ける意味も薄まる。