凸版印刷、タイ企業買収の狙い
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凸版印刷が4月15日、タイのパッケージメーカーを買収したと発表。同社を通じて環境性能の高いパッケージ素材をグローバルに提供。経営戦略に掲げる海外サステナブル需要の取り込みを強化する。
2022年3月期売上高は1兆5,000億円を見込む、国内印刷業界のトップ企業だ(2位は大日本印刷)。祖業である商用印刷から手を広げ、印刷技術を応用した半導体製造関連など幅広いビジネスを展開している。

売上高の6割を占めるのは情報コミュニケーション事業。印刷のほか、ICカードやセキュリティ、DXなどITも含まれる。次いで商品パッケージや建装材料を展開する生活・産業事業が3割弱、半導体製造用フォトマスクなどエレクトロニクス事業が1割強という比率だ。
重点施策として取り組むのが生活系事業の海外展開だ。高性能パッケージ材「GL BARRIER」の製造から印刷・加工まで現地でワンストップ対応できる体制を構築。拡大する欧米のサステナブル包材需要とアジア市場を取り込んでいく。2026年3月期営業益の15%以上を海外生活系事業で創出するのが目標だ。
タイは食品や消費財などの世界ブランドによる欧米・ASEANエリア向けの主要産地。今回買収した軟包装メーカーを通じ、サステナブルパッケージをグローバルに供給していく。