2022年03月18日 14:17
モデルナCEO、パンデミック中に4億ドル超の自社株を売却
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米バイオ製薬企業のモデルナのステファン・バンセルCEOが、2020年1月以降に約4億800万ドル相当の自社株を売却していたという。CNBCが報じた

モデルナは2010年に創業。2018年にナスダック上場。本社は米マサチューセッツ州ケンブリッジ。新型コロナワクチンが唯一市販する製品で、同ワクチンの2021年の売上は177億ドル。

同社は2020年1月23日、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)からワクチン開発のための資金調達を発表。2020年12月には、米食品医薬品局(FDA)が同社のワクチンの緊急使用を承認。これらの過程で同社の株価は上昇を続け、資金調達発表以降614%上昇していた。

この結果、バンセル氏の純資産は同社の株式だけで53億ドルまで増加。同氏は2020年1月以降、2018年に取り決めた「10b5-1」プランに基づき自社株を売却。CNBCによれば、同氏は毎週約1万9000株を売却。2020年1月以降の売却株式数は280万株以上だという。

10b5-1は、米証券取引委員会(SEC)の規則で、企業の内部者が一定期間ごとに所定数の株式を売却できる仕組み。インサイダー取引を防止するために採用されたものだが、専門家からは十分な透明性が確保されていないとの指摘もある。