2022年03月04日 14:29
世界的な食糧危機 侵攻で輸出停滞
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ロシアによるウクライナ軍事侵攻を巡り、世界的な食糧危機の懸念が高まっている。ノルウェーの肥料大手ヤラ・インターナショナルは1日、「(侵攻で)ヨーロッパ最大の食糧生産地が制限を受けている」と声明を発表し、警鐘を鳴らした。

米シカゴ商品取引所では2日、小麦の先物価格が1ブッシェル当たり10ドルと14年ぶり高値まで上昇。情勢の不安定さや供給減で価格上昇が続いている。

ウクライナは「欧州のパンかご」とも言われる一大産地。ロシアも世界有数の小麦輸出国だ。

ほかにも大豆やトウモロコシなどの穀物の生産が盛んな地域だが、侵攻で黒海沿いの港湾からの輸出は停滞。船舶が被弾するなど被害も出ており、先行きは不透明だ。

国連世界食糧計画(WFP)は「軍事攻撃が人々の生活に与える影響を懸念している」とコメント。ディレクターのマーゴット・ファン・デル・ベルデン氏は「すでに世界では2億8300万人が深刻な食糧不足に陥っている。新たな紛争を許容できる余裕はない」と指摘した。

原油価格の高騰も続く。紛争は長期化しており、食料品や日用品の値上がりにつながる恐れが出てきた。