トヨタ自動車は1日、取引先企業のシステム障害で稼働停止していた国内全工場について、2日から再開すると発表した。システム障害はサイバー攻撃によるものとみられ、サプライチェーンに大きな影響が及んだ。

システム障害があったのは愛知県豊田市の部品会社、小島プレス工業。データを暗号化して身代金などを要求するランサムウェアによる被害を受けた。

ロイター通信によると、同社は2月26日夜に攻撃を検知。メッセージは英語で書かれていたという。27日に取引先など外部とのネットワークを遮断した。

システムの復旧には最大2週間ほどかかる見通し。トヨタは暫定的なネットワークを使い、データのやり取りが可能になったことから稼働再開に踏み切った。

一連の障害で稼働停止したのはトヨタの国内全14工場28ライン。グループ会社の日野自動車やダイハツ工業の工場も含まれ、約1万3千台の生産に影響が出た。

萩生田光一経済産業相は1日の閣議後の記者会見で「大企業がセキュリティ対策をしていても、取引をする企業は（対策が十分か）心配」と述べた。