CEOが退任、新メディアで2億人開拓
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米ブルームバーグのメディア事業「Bloomberg Media」のジャスティン・スミスCEOが1月4日、退任を発表した。新たなメディアを設立し、米ニューヨークタイムズ(NYT)のコラムニスト、ベン・スミス氏を報道トップに起用する。公平な報道で、英語を読む2億人の大卒の顧客層を開拓する。
ジャスティン・スミス氏は米Atlantic Mediaでメディア「Quartz」を立ち上げ、10カ月間で450万人の読者を獲得。 2013年にBloomberg MediaのCEOに就任。
1月4日、ジャスティン・スミス氏はツイッターで「グローバルな視聴者に公平なジャーナリズムを提供する」と表明した。新媒体の立ち上げ時期など詳細は不明。
ベン・スミス氏は米BuzzFeedを経て2020年にNYTに参画。インタビューで「大卒で英語を読む人口は2億人いるが、どのメディアも読者として扱っていない」と指摘。新たなメディアではジャーナリストの個性を重視し、「安易な党派論争を避けて複雑な事象の真意を伝える」と語った。
米国では民主党の左派と共和党の右派に分かれて報道の偏りが進む。2021年の米ギャラップ調査では、メディアを信用する人は36%と過去2番目に低い。2人のスミス氏はメディア不信をビジネスチャンスととらえ、市場を開拓する。