金融システムの黒子、今期5割増収へ
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Finatextホールディングスが12月22日、事業計画と業績予想を発表した。証券や銀行、通信など幅広い業界に金融の基幹システムを提供。従量課金収益を増やしつつ、決済や融資など新たな金融サービスにも進出していく。
注目される理由: 金融業界だけでなく、製造業などあらゆる業界で事業に金融サービスを組み込みたいというニーズが高まっている。Finatextはそうした需要にシステム開発で応える「黒子」的な役割を果たす。12月22日に東証マザーズに上場した。
金融インフラストラクチャのほか、ビッグデータ解析、投資教育ウェブサービス、少額短期保険など複数の事業を手掛ける。金融インフラでは、KDDIやANAグループなど13社に導入済み、または合意済み。
コストを抑えて短期で金融インフラを導入できるのが強み。銀行など大手金融機関の抱えるシステムに比べて機動力が高く、顧客の要望に沿ったカスタマイズをしやすい。
金融インフラ事業の売上高は2020年11月期に8.7億円と前年同期比3倍に増えた。同事業がけん引役となり、会社全体の売上高は2022年3月期に26.5億円と前年比47%増える見込み。
今後の成長戦略として、顧客企業のサービスが拡大するほど増える従量課金収益を伸ばす。融資など新しい領域にも進出し、幅広い顧客を開拓。データ解析事業ではパートナーが抱えるデータを活用し、投資家や企業への販売を拡大する。