インターネット専業保険の成長戦略
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ライフネット生命が12月22日、成長可能性に関する資料を公開。インターネット直販やパートナーとの協業を活用し、顧客基盤をさらに伸ばす戦略を示した。
注目する理由: 日本の生命保険業界は、年間保険料が約30兆円(世界第三位)にのぼる巨大市場。社会のあらゆる面でDXが進む中、生命保険においてもオンライン加入を好む消費者が増えている。
「正直に わかりやすく、安くて、便利に。」というマニフェストを掲げる。消費者への徹底した情報公開とシンプルな商品設計、ネットを活用した低廉な保険料を戦略の軸とする。
一方では「顔の見える会社」を目指し、経営情報、商品、社員、職場もウェブで公開。開業以来続く社員ブログや、「ふれあいフェア」を定期的に開催。
スマホを通じたサービスも拡充する。LINEを活用してチャットで保険相談ができるほか、必要書類はスマホで写真を撮ってペーパーレス化。マイページには生体認証でのログインも可能だ。
新契約のうち77%は20〜40代と若いのも特徴。生命保険市場の世帯加入率は90%といわれる中、新規加入が占める割合は53%。2020年度の解約失効率は6.0%だった。
成長の軸はインターネット直販チャネルとホワイトレーベルチャネル。後者はKDDIやマネーフォワードなど、異業種との協業によってアプローチ先を広げる。
今年9月には海外公募増資を実施し約97億円を調達。経営目標としてEEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)を現在の951億円から2,000億円に拡大することを目指す。